大井埋立地にみる森里海のつながり

広い視野で捉え、できるところから


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有効に利用されている貴重な埋立地
大井

大井ふ頭 (東京都港湾局より) 対岸は青海ふ頭


東京港は、水深が2〜4mと遠浅の海のため小型の船しか利用できない港でした。

このため、古くから遠浅の海を利用して埋立が行われており、

現在の日比谷・日本橋界隈は、江戸時代の初期に埋め立てられました。


明治時代末期から本格化した東京港の整備は、内陸部に面した水域から順次沖合いに展開し、

東京が大都市として成長するために必要な経済産業活動や生活物資を大量に運ぶための

大型貨物船やコンテナ船を就航させるため、深い水深(8〜15m)の航路を掘削しました。



こうして、東京港では海を浚渫(しゅんせつ)し、水路を掘削することによって発生した

大量の浚渫土砂を利用して広大な埋立地を造成し、平成20 年(2008)までに

千代田・中央・港・新宿の4区を合わせた面積に匹敵する約5,730 ヘクタールの

埋立地を完成させました。



これらの貴重な埋立地は、ふ頭施設などの物流サービス用地ばかりでなく、

交通施設用地、都市再開発・都市施設用地、住宅・公園等の自然の回復・

新しい街づくり用地などとして活用されています。



※東京港埋立のあゆみ - 東京都港湾振興協会より



○生命の跳躍|海洋を統合的に理解する

○古い街並みと新しい街並みが融合する 品川

○夢と希望を育む魅力ある街 臨海副都心


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埋立地によみがえった自然
東京港野鳥公園

東淡水池 東京都立東京港野鳥公園 (大田区東海)


東京港野鳥公園は、東京湾の埋立地によみがえった自然を活かしてつくられました。

大田市場(東京都中央卸売市場)に隣接し、24.9ヘクタールの広さがあります。



ここは、かつては遠浅の海でしたが、1960年代後半から埋め立てが始まり、

埋め立て後、地面に雨水がたまって池や原っぱができ、

いつしか野鳥が集まるようになりました。

こうして大井埋立地はバードウォッチングの名所となり、

1989年10月東京港野鳥公園が開園しました。



※東京都立東京港野鳥公園より



○大田・品川ノスタルジア|京浜運河シーカヤック・ツーリング

○水と共に暮らす|いつまでも美しく安全に


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1万kmにおよぶ旅をする
渡り鳥の休憩地

 チュウシャクシギ


シギやチドリの仲間の多くは、南半球や熱帯で冬を過ごし、

繁殖のために北半球の北部(シベリアなど)に移動する渡り鳥。



その渡りは、数千〜約1万kmにおよぶ長い距離になるため、

渡りの途中にある干潟や湿地に立ち寄って、休んだり栄養補給をします。



東京港野鳥公園では汐入の池の干潟などで4〜5月と8〜10月によく見られるそうです。



※東京都立東京港野鳥公園より



○雄大な空の旅をする渡り鳥|各国にて大切にされている国際親善大使

○海を渡る蝶 アサギマダラ|ひらり舞う蝶を追いかけ白い帆を揚げて


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生き延びて当たり前の人間の世界
明日生きていけるか保証もない自然の世界

観察小屋 東京港野鳥公園


東京港野鳥公園には望遠鏡と椅子が設置された観察小屋が複数あります。

バードウオッチングをしていると、野生の厳しさも見えてきます。



生き延びて当たり前という人間の世界とは異なり、

鳥たちには明日生きていける保証は何もありません。



野生の小鳥の平均寿命についてはデータが少ないといいますが、

およそ1年半前後と考えられています。一冬を生き延びたものは

経験を積み学習をし、数年あるいは10年以上も生存する可能性もありますが、

その割合はヒナの段階からするとおよそ一割あるかないかだといわれます。



○凝縮された尾瀬の季節|厳しくも豊かな自然が見せる横顔


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ウミネコの雛 厳しい自然のルール

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世界的な感染の流行
インフルエンザパンデミック

エサを探すメダイチドリ


「感染爆発」という語句は、インフルエンザに関連する「パンデミック」という

科学用語を一般の人にも理解できるように、おそらくはマスコミが考え出した俗語です。



現実世界で、「感染爆発」と形容できるものがあるとすれば、あくまで鳥社会の話ですが、

二十年来世界中に広がっている高病原性鳥インフルエンザがあてはまるのかもしれません。



近年、鳥インフルエンザウイルスが鳥から人に直接感染した症例が増えています。

しかし、人から人に感染するような新型インフルエンザウイルスの出現までには至っていません。

さらに最近は、馬や鳥のインフルエンザウイルスが犬や猫に感染したり、

牛のインフルエンザが発見されたりと、動物社会においてインフルエンザウイルス

の感染域が広がっています。



こういった哺乳動物に感染し病気を出すインフルエンザウイルスは、

むしろ鳥ウイルスよりも新型ウイルスに変異する可能性が高いと考えられます。

例えば、犬インフルエンザにかかったペット犬から飼い主にウイルスが伝播し、

それが新型ウイルスに変異することで新たなパンデミックが発生する可能性も否定できません。



※「感染爆発:インフルエンザパンデミック」より部分 2017.06
 講師 堀本泰介 先生 農学生命科学研究科 教授
 会場 東京大学 安田講堂
 第125回 東京大学公開講座「爆発」


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50年余りで4割減少した
干潟

東京港野鳥公園の干潟で最も多くみられるカニ
ヤマトオサガニ


干潮時に干上がり、満潮時には海面下に没する潮間帯において

砂質または砂泥質の浅場がひろがっている場所を「干潟」といいます。



干潟は多くの水生生物の生活を支え、産卵や幼稚仔魚(ようちしぎょ)に成育の場

を提供する以外にも、水中の有機物を分解し、栄養塩類や炭酸ガスを吸収し、

酸素を供給するなど海水の浄化に大きな役割を果たしています。



高度成長期、沿岸域における埋立事業の進行によって

全国の干潟は50年あまりで4割も減少しました。



※干潟の働きと現状|水産庁



○いのち集まる流域 小網代の森|私たちが生きる地球の持続可能性

○「迷信」の中を彷徨う|三浦半島の自然 大楠山


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豊かな漁場がひろがっていた
東京湾

名所江戸百景 南品川鮫洲海岸 歌川広重(初代) 安政4年(1857)


かつて東京湾一体は遠浅の海で、漁業が盛んでした。

とくに大森では幕府から特別に認められて質のよい海苔がつくられていました。



その後、港や交通網の整備、工場用地などの確保のために

自然干潟の90%が埋め立てにより陸地化しました。

自然海岸は海岸線の5%となり東京湾は大きく姿を変えていきました。



※東京都立東京港野鳥公園 ネイチャーセンター案内文
※東京湾−地勢、自然・環境・それを取り巻く社会とその変遷、そしてこれから!− 2017.05
 講師 中村由行 先生 横浜国立大学 統合的海洋教育・研究センター長
 公開講座「神奈川の海を学ぶ 2017」



○屈指の海苔生産場であった大森|大森 海苔のふるさと館

○成長と成熟の調和による持続可能な最幸のまち かわさき


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魚食大国 日本
水産資源の持続的利用の取り組み

日本周辺海域で激減しているというマイワシ


日本の漁業・養殖業生産量は、1984年(昭和59年)をピークに1995年(平成7年)

頃にかけて急速に減少し、その後は緩やかな減少傾向が続いています。



最も高かった1984年の生産量は1,282万トンで世界の10%程を占めていましたが、

2010年には531万トンとなっています。



※平成23年度水産白書|水産の動向




日本は、世界でも有数の豊かな漁場の中にある島国であり、

清流や湖沼にも恵まれています。このような条件の下、

日本では古来から漁業が発達し、水産物を基礎とした食文化が発展してきました。

近年、日本における水産物の消費量は減少傾向を辿っているとはいえ、

日本は、今でも有数の魚食大国です。

そして、この豊かな魚食文化とそれを支える水産資源を

次世代に引き継いでいくことは、現代に生きる私たちの役割です。



一方、世界に目を転じれば、経済発展の続く新興国を中心として、

水産物の消費量が大きな伸びをみせています。

水産物に対する需要が世界的に増大する中で、

水産資源を持続的に利用する取組の必要性はますます高まっています。

とりわけ、複数の国々が様々な漁業で漁獲している水産資源を、

どうやって持続的に利用していくかということは世界にとって、

そして我が国にとって重要な課題です。



※平成28年度水産白書|はじめに



○食・農・里の新時代を迎えて|新たな潮流の本質


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海から様々な恩恵を受けてきた日本人
海洋への理解を深める

山田陽治さんと干潟のミニミニ水族館をつくろう!
東京港野鳥公園


水族館は現在国内に66館(日本動物園水族館加盟園館)存在し、

文句なく世界一の水族館大国である。それだれに水族館の歴史も古く、

日本最古は1882年開館の「鑑魚室・うをのぞき(上野動物園)」とされる。

これは世界最古の「フィッシュハウス(ロンドン動物園)」からわずか30年後のことである。

その後、昭和初期にはすでに少なくとも全国に45館の水族館があったとされ、

これらは日本人が昔から海から様々な恩恵を受けてきたこと、

それに伴い国民の海への興味が非常に高い表れであろう。



動物園や水族館などの社会的役割は、「娯楽」「教育普及」「調査・研究」

の大きく3つに分けられると考えられる。

一般的には後者に行くほど利益を生まないものになっていくため、

運営的には前者に重きを置きたいが、社会的貢献をアピールする場合

後者も重要であり、そのバランスは非常に難しい。

ただ、この3つともに海洋生物学に対する大きな貢献はあると考えている。



「娯楽」を目的に水族館に来られる方は非常に多いだろう。

大きな水槽の清涼感はそれだけで癒しの空間になるだろうし、

その中を泳ぎまわる海洋生物の姿は多くの人々を魅了するものである。

ただ、この体験から海そのものや海洋生物への興味を見い出し、

そこから学習がはじまる、「海洋生物学への入り口」的な役割は十分に期待できる。

そのため、水族館の展示はその生物たちの生態をなるべく忠実に見せられるよう、

努力する必要があるだろう。



そこからつながる教育普及活動、これは館内であれば職員やボランティアによる

解説があげられる。ただ眺めるだけよりも、より詳しい情報を聞く機会があれば、

より深い理解へとつながる。

また、ボランティアの養成自体も海洋生物学の普及に寄与しているといえるだろう。

館外であれば、教育関連施設への出張授業、出張水族館など、より専門的な情報

の提供が可能である。



調査・研究に関しては水槽自体がフィールドになり得る。

自然界ではじっくり観察が不可能な生物も、水槽の中ではその生態学的情報を追うこと

が可能である。長期飼育が可能になった種においては、その成長、性成熟、寿命などの

データから、定期的な血液の採取などにより生物学的情報も得られるのである。

これらは、水族館の研究者のみならず、他の研究機関とのネットワークにより、

多くの成果が得られている分野である。



※水族館からの海洋生物学への貢献 2017.07
 講師 野中正法 先生 (一財)沖縄美ら島財団 総合研究センター 統括
 会場 東京大学小柴ホール
 主催 日本学術会議 海洋生物学分科会
 日本学術会議 公開シンポジウム 海洋生物学の未来社会への貢献



○子どもたちに会いにいく旅|遊びの中に未来がある こどもの国

○みんなで創る未来のおきなわ|大切にしてきた「うちなー」のアイデンティティ

○回遊魚たちがダイナミックに命あふれる彩りの世界 美ら海水族館


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人間活動が複雑に絡み合う
森里海の関係

自然生態園にある畑 東京港野鳥公園


山に降った雨は、森をはぐくみ、里を潤し、日本海や太平洋に注ぎ、

豊かな海の生産を支えているといわれますが、自然科学を通して

森と海のつながりとそのメカニズムを明らかにすることは容易なことではないのだそう。



京都大学フィールド科学教育研究センターは、

森から海までの生態系や社会のつながりを研究する「森里海連環学」

という新たな学問領域の創生をめざして研究を進めているそうです。



由良川・丹後海(京都)における研究では、河川水中の栄養分の濃度は、

集水域の森林率と負の相関、耕作地率・市街地率とは正の相関を示しており、

必ずしも豊かな森の栄養分が豊かな海を育んでいるとは言えないことが

わかってきたそうです。



人間の活動は主に「里」にあり、人間は森、河川、沿岸域を様々に利用します。

森里海の関係には人間活動が複雑に絡み合っており、

森を育めば里や海が豊かになるといった単純なつながりではないようです。



※森・里・海のややこしい三角関係 2017.07
 講師 山下洋 先生 (京都大学フィールド科学教育研究センター長)
 会場 京都大学丸の内オフィス
 第84回 京都大学丸の内セミナー



○丹沢の自然をもっと身近に|表丹沢三ノ塔 自然再生の現場を訪ねて

○水と共に暮らす|いつまでも美しく安全に

○循環型社会の基盤にあるもの|強さばかりでなく、弱さに目を向ける


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自然に向き合う
人間ほどあてにならないものはない

東京港野鳥公園で見られるキンラン


※「抗夫」 夏目漱石 (明治41年)


人間のうちで纏(まとま)ったものは身体(からだ)だけである。

身体が纏ってるもんだから、心も同様に片づいたものだと思って、

昨日と今日とまるで反対の事をしながらも、

やはりもとの通りの自分だと平気で済ましているものがだいぶある。

のみならずいったん責任問題が持ち上がって、

自分の反覆(はんぷく)を詰(なじ)られた時ですら、

いや私の心は記憶があるばかりで、

実はばらばらなんですからと答えるものがないのはなぜだろう。



こう云う矛盾をしばしば経験した自分ですら、

無理と思いながらも、いささか責任を感ずるようだ。

して見ると人間はなかなか重宝に社会の犠牲になるように出来上ったものだ。



同時に自分のばらばらな魂がふらふら不規則に活動する現状を目撃して、

自分を他人扱いに観察した贔屓目(ひいきめ)なしの真相から割り出して考えると、

人間ほど的(あて)にならないものはない。

約束とか契(ちかい)とか云うものは自分の魂を自覚した人にはとても出来ない話だ。

またその約束を楯(たて)にとって相手をぎゅぎゅ押しつけるなんて蛮行(ばんこう)は

野暮(やぼ)の至りである。大抵の約束を実行する場合を、よく注意して調べて見ると、

どこかに無理があるにもかかわらず、その無理を強(しい)て圧(お)しかくして、

知らぬ顔でやって退(の)けるまでである。決して魂の自由行動じゃない。



○プリマヴェーラ 春の訪れ|悲劇によって道義を知る「虞美人草」

○困難を伴う自我の開放|森鴎外「舞姫」にみる生の哲学

○あるがままの生の肯定|フリードリヒ・ニーチェ


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食生活を支える青果市場
太田市場

東京港野鳥公園からみた太田市場 (大田区東海)


青果部・水産物部・花き部の3部門を有する大田市場は、

青果の取扱量・市場の面積でも日本一だそうです。



平成元年に、秋葉原にあった神田市場・荏原市場、蒲田分場を統合、

水産物については大森市場を移転し誕生しました。



○日本一のやっち場、神田市場があった秋葉原

○世界最大級の市場 築地市場

○青果と花きを扱う市場 世田谷市場


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都市間の移動を支える
新幹線大井基地

東京港野鳥公園に隣接する新幹線大井基地 (品川区八潮)


東京港野島公園のお隣にあるJR東海の新幹線車両基地。

ひっきりになしに新幹線が出入りしています。

私たちが安全・便利に都市間を移動できるのも、このような施設があるからなのですね。



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新幹線の過密ダイヤが見える画像PART16(大井基地・入出庫編)
Time lapse of high speed Railway-16(Ooi Vehicle base edition)

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自然に学び、自然に近づいた
500系新幹線

2017年現在、8両編成「こだま号」として山陽新幹線内を運転


世界中で鉄道を利用する人は約16,000万人/日、

そのうち日本で鉄道を利用する人は約6,400万人/日だといいます。

日本は世界の鉄道利用の約4割を占める最大の旅客鉄道王国なのだそう。



高速鉄道でみると、日本の新幹線は一日100万人(2015年)の利用があり、

フランスのTGVは22万人/日(2011年)が利用されているそうです。

仮に東海道・山陽新幹線が無ければ、年間1,800人の交通事故死者数が

増加すると推計され(英国1995年頃)、日本の新幹線は高い安全性、

炭酸ガス排出においても地球環境保全に貢献しています。




平成9年に投入され最高速度300km/hで運用された500系新幹線。

その車体には、フクロウの羽を活かしたパンタグラフ、カワセミに近づいた千頭形状、

アネハヅルの骨に相似した新幹線の台車といったように、

自然から学んだ知恵を応用して技術開発を行ったそうです。



※自然に学び、自然に近づいた−500系新幹線− 2017.05
 講師 仲津英治 先生 (元JR西日本総合企画本部技術開発室長&試験実施部長)
 会場 東京都立東京港野鳥公園ネイチャーセンター


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500系新幹線が出来るまで【1997年】

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生活を豊かにした
東京港の開港

新幹線大井基地に隣接する大井コンテナふ頭


江戸前の海は遠浅の海である。江戸時代、仙台の米や上方(かみがた⇒京都・大阪エリア)

からの消費物資を運ぶ大船は直接寄港できず、物資は沖で小舟に積み替えられていた。



安政五カ国条約(1858年)が結ばれ時も、築地に外国人居留地を設けたのみで、

税関を設置して東京を開港することはなかった。

以来、東京への輸入貨物は全て横浜で揚がり横浜で通関を受けた後、

鉄道や内航船で東京へ回送されたのである。



これでは不便なうえ費用も嵩(かさ)む。そして、関東大震災(1923年)の折、

復興資材および諸外国からの援助物資を東京まで円滑に運べず、

東京は国際港の重要性を痛感することになった。



このような状況下、東京は墨田川の河口を浚渫(しゅんせつ)して航路を確保し、

浚渫で得た泥で埋立地を広げていく。月島、勝鬨(かちどき)、晴海が造成され、

日の出埠頭、芝浦埠頭、竹芝埠頭も誕生した。政財界を中心に「東京に国際港を!」

の声は高まる。1938年には東京開港促進協議会も設立され、東京開港の動きが加速した。



これに真っ向から立ち向かったのが横浜。「市の興廃に関する大問題」として

反対運動を繰り広げ、1940年には東京開港反対市民同盟が結成される。

同年、横浜市会も「百万市民の生活権死守のため東京開港に絶対反対」の決議を行う。

甲論乙駁(こうろんおつばく⇒互いにあれこれ主張して議論がまとまらない)の末、

「関東大震災復興事業のためのドル建て市債に対し日本政府が補助金を支出する」

そして「原則として満州国、中華民国および関東州への就航船に限る」ことを条件に

横浜市長および横浜市会は矛を収め、1941年5月、東京港開港の運びとなった。



※神奈川県主要港湾(横浜港、川崎港、横須賀港)の海上物流−その歴史と将来−
 講師 吉本亜土 先生 鰹、船三井経営企画部 One MOL営業戦略室 主任研究員
 公開講座「神奈川の海を学ぶ 2017」 横浜国立大学 統合的海洋教育・研究センター



○海運が支える日本の豊かな暮らし

○空と海の間で暮らすような旅

○潮風に導かれ開国ロマン溢れる浦賀へ|多様性と異質性を受け入れる


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港湾の未来
人びとの幸福な生活を支えること

2017年現在 世界最大の貿易港 上海
洋山深水港(Yangshan Deepwater Port)


かつてアジア出し欧米向け貨物のうち30〜50%を占めた日本のシェアは、

アジア諸国の発展により現在4〜5%、中国がアジア、いや世界の主要港となった。

コンテナリゼーション・インターナショナル社の統計によると、2015年、

日本は東京が漸(ようや)く29位。横浜が54位、神戸は57位、名古屋58位、大阪72位。

トップの東京でもホーチミン(ベトナム)やコロンボ(スリランカ)より下。



世界地図を見ればわかるとおり、日本はアジアの極東に位置する。

最大型のコンテナ船が投入されるアジア−欧州航路が日本に延航すると

船が一隻余計に要(い)る。運航コストが高くつくうえ、貨物の量も多くは望めない。

そこで上海や寧波(ねいは)で折り返し、日本の貨物は他のループを利用してつなぐ。



アジア−北米航路も日本に寄らず北米へ直航する船が多い。

各社各アライアンスが各方面向けに多数持つループのほんの一部が日本に直航し、

日本に直接寄港する大型コンテナ船は減っている。



しかし、大型船が直航しない=コンテナ船か来ないわけではない。

生活する上で「困る」「恥ずかしい」わけでもない。

実需の貨物が9割を超える日本の港において、

「港湾の役割は人々の幸福な生活を支えること」と割り切っても良いのだが…

何故か「日本の港の地位は低下した」「港の水深や岸壁の長さが足りないのでは」

と悩みがちになる。「立派な港を造れば欧米航路の大型船が直航する」

「港を絞り込んで投資すればアジアのハブ港になれる」と考えたくなる。



日本は国のグランドデザインを描く部署が存在せず、戦後の国是は長く

「国土の均衡ある発展」であった。戦前の地方の貧しさがトラウマとなり、

高速道路、新幹線、飛行機、港湾を各地に造ってきた。

港を造る主体は国土交通省ではなく地方自治体。しかし、補助金があるとはいえ、

貨物のない場所に実力以上の港を建設すると破産してしまう。



一番の大切は後背地が栄え「そこに貨物がある」こと。

国際コンテナ戦略港湾が計画するハブ港を目指すにしても、

貨物が豊富でターミナルの整備も進んだ中国や韓国の主要港から、

貨物の少ない日本の港へわざわざコンテナを運んで積み替えるだろうか?

日本列島の位置および貨物量を考えると、ハブ港になるメリットは大きいものの、

日本がハブ港になるのはなかなか大変である。



※神奈川県主要港湾(横浜港、川崎港、横須賀港)の海上物流−その歴史と将来−
 講師 吉本亜土 先生 鰹、船三井経営企画部 One MOL営業戦略室 主任研究員
 公開講座「神奈川の海を学ぶ 2017」 横浜国立大学 統合的海洋教育・研究センター



○中国最大の経済圏 上海|開港ともに国外の影響を受けて発展してきた街

○SO HAPPY 大連|北方の良港と呼ばれる港街

○混沌とした中に躍動感があふれるベトナム


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スポーツ・憩いの場
大井ふ頭中央海浜公園

なぎさの森 (品川区八潮) 右側は京浜運河


首都高速湾岸線を挟んで新幹線大井基地に隣接する大井ふ頭中央海浜公園。

公園内には、野球場・テニス事・陸上競技場などがある「スポーツの森」と

バードウォッチングや釣りが楽しめる「なぎさの森」、バーベキュー場があります。



2020年の東京オリンピックではホッケー会場となるそうです。



○大田・品川ノスタルジア|京浜運河シーカヤック・ツーリング

○Discover Tomorrow|新たなスポーツ文化の確立

○競技スポーツと生涯スポーツの融合を目指す|スポーツクラブ・マネジメント


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形ある人間として最期にお世話になる場所
斎場

大井ふ頭中央海浜公園に隣接する臨海斎場 (大田区東海)


大井ふ頭中央海浜公園に隣接する臨海斎場は、

港区、品川区、目黒区、世田谷区、大田区の5区が共同で設置し、運営する施設。



火葬に掛かる費用は、火葬料、葬儀式場・待合室・控室利用料を含み、おおよそ16万円ほど。

火葬料は12歳以上と未満では異なり、また、上記5区の方とそれ以外の方では、

利用料金が異なるそうです(2017年8月現在)。




※墓地、埋葬等に関する法律
 (最終改正:平成二三年一二月一四日法律第一二二号)


  第一条  この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、

  国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、

  支障なく行われることを目的とする。



  第三条  埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、

  死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。

  但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。



  第四条  埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

  2  火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。



○私たちの生涯|生と死の狭間にある「時」を歩む

○苦しみに満ちている人間の生からの救済|ショーペンハウアー

○人類から遠く離れた孤独の中に住む 世界の本質


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有効に利用されている貴重な埋立地
森里海の関係に絡み合う人間活動

羽田空港から離陸した飛行機
多くの野鳥が観察されている潮入りの池 東京港野鳥公園


東京のみならず広範囲に住む人々の生活を支える大井コンテナふ頭。

都市間の移動を支えるJR東海の新幹線大井基地。

日本中に貨物を輸送するJR貨物のターミナル。

自然再生、自然を学習する場となっている東京港野鳥公園。

都民のスポーツ、憩いの場となっている大井ふ頭中央海浜公園。

そして人生の最後にお世話になる斎場。



かつては海であった大井埋立地は有効に活用されています。



また、大井埋立地の隣りにある勝島や平和島の埋立地には、

しながわ水族館、大井競馬場、平和島競艇などの娯楽施設、

マンションなどの居住区もあります。




埋立地(⇒里)は私たちの生活を豊かにしてきた一方、

森から里、海に至る関係には人間活動が複雑に絡み合っているようです。



○FLY TO THE WORLD 羽田空港

○大空高く舞い上がる|日本の空の歴史 JAL SKY MUSEUM

○多摩川に沿った街々の生活を感じながら


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「余裕」の空間をただよう
明暗

どんぐりゴマつくり 東京港野鳥公園 自然学習センター


夏目漱石の最後となった未完の小説「明暗」(大正5年・1916年)。

主人公の津田とその妻・お延(のぶ)、そして2人に関わる人々、

一人ひとりのエゴのせめぎ合いが描かれています。



「明暗」発表から100年ほどを経た現在。

私たちは津田がいたのと同じ「余裕」の空間に、今なお居るようにも思えます。



○人間の弱さと限界、そこからの可能性|パスカル「パンセ」

○個性化の過程|自分が自分になってゆく

○苦しみぬき、人のためにする天地|より偉大なる人格を懐にして


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広い視野で捉え、できるところから
森里海のつながり



まず、海洋生物のいない地球を考えてみよう。

年間の食肉生産が約3億トン、養殖も含む漁獲が8000万トンであるから、

21%を失うことなるが、たんぱく質ベースで考えれば、これより小さくなるであろう。



二酸化炭素の海洋への吸収は弱まり温暖化は加速するだろう。

多くの国や地域では重要な観光資源を失うだろう。

しかし、その他の調整サービス、基盤的サービスは、ほぼ、

物理現象に起因しているのでそれほど大きく地球が変わるとは考えにくい。



一方、地球史を顧みれば、生命を育み、大気に酸素を供給しオゾン層を形成し、

生命の陸上進出をお膳立てし、文明の礎となった縞状鉄鉱石を作ったのは

海洋生物であるから、その貢献き極めて大きい。



現在、人類はサスティナブル(持続可能)ではない形で蓄積を食いつぶし、

生産と消費が拡散し、自然海岸線は改変を受け、多くの魚類資源は過剰獲得の状態にある。

今我々ができることは、革新的な技術革新によって持続可能な将来像を描けるまでの

モラトリアム(猶予)をなるべく長くし、回復不可能なダメージを与えないようにすること

かもしれない。地球規模の未来社会を考えると、どうしても悲観的になる。


(中略)


科学の貢献というと、生産や効率をあげることが連想されるが、

海洋の生物生産において、これはたやすいことでない。



「"dialogue"(対話⇒つながり)と"local identity"(地域らしさ)で行きましょう」

という社会科学研究所の先生方の一言は、目を見開かれる思いがした。

イノベーションとかSociety5.0といった政府系キーワードに

がんじがらめになっていた脳が解きほぐされた。

我々のやってきた、またはこれからやる自然科学系の成果が、

local identityを生み、希望が育つ。こんな素晴らしい貢献があったのだ。



Think globally, act locallyとは地球環境問題でよくつかわれるフレーズであるが、

ようやくそのスタート地点に立てた気がする。



※海洋生物学は未来社会に貢献できるか? 2017.07
 講師 津田 敦 先生 東京大学大気海洋研究所
 会場 東京大学小柴ホール
 主催 日本学術会議 海洋生物学分科会
 日本学術会議 公開シンポジウム 海洋生物学の未来社会への貢献

※Society5.0
 日本政府の総合科学技術・イノベーション会議で検討され、
 2016年1月に閣議決定された2016年度から5年間の科学技術政策の
 基本指針「第5期科学技術基本計画」の中で使われている言葉。

※Think Globally、 Act Locally
 地球環境問題でよくつかわれるフレーズ。地球規模の環境問題の解決には、
 世界中が協力して取り組まないと限界があるとの背景から言われることが多いようです。
 直訳すると「グローバルに考え、ローカルに行動せよ」
 よく聞く訳は「地球規模で考え、足元から行動する」
 別の言い方をすると「広い視野で捉え、できるところから」



○地球の未来を読み解く南極観測

○最も進んでいないイノベーション人間に関する知識|ルソー「人間不平等起源論」

○イノベーションは内生的・自発的に生まれる|健全な経営を目指す会社


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参  考  情  報


○東京都港湾局公式ホームページ

○東京都港湾振興協会

○ようこそ、野鳥公園へ - 東京都立東京港野鳥公園

○東京港野鳥公園 ブログ

○シギ・チドリネットワーク|干潟の環境保全|WWFジャパン

○東京港南部地区海上公園ガイド

○東京都中央卸売市場

○24時間見学OK「大田市場」に行こう! [東京の観光・旅行] All About

○臨海斎場

○水産白書|水産庁

○京大フィールド研 - 京都大学フィールド科学教育研究センター fserc

○無料の写真 - Pixabay

○パブリックドメインの写真 - フリー写真素材

○Imagebase: 100% Free Stock Photos

○フリー百科辞典Wikipedia

○自然に学び、自然に近づいた500系新幹線 2017.05
 フクロウの羽を活かしたパンタグラフ、カワセミに近づいた先頭形状、
 アネハヅルの骨に相似した新幹線の台車
 ・講師 仲津英治 先生 元JR西日本総合企画本部技術開発室長&実験実施部長
 ・会場 東京都立野鳥公園ネイチャーセンター
 ・第5回東京港野島公園フェスティバル

○「奇跡の職場」のつくり方
 〜新幹線清掃の会社はこうして最強チームに変わった〜 2017.03
 講師 矢部輝夫 先生
     元JRテクノハートTESSEI おもてなし創造部長
     合同会社おもてなし創造カンパニー 代表
○会場 ロイヤルホールヨコハマ
○主催 横浜商工会議所 小売部会

○写真で追う"争う鳥" 2017.03
 講師 渡邊愼介 先生 関東学院常務理事
 主催 神奈川サークル協議会
 春のフェスタ・ヨコハマ 放送大学神奈川学習センター

○神奈川の海を学ぶ 2017
 ・東京湾〜地勢、自然・環境・それを取り巻く社会とその変遷、そしてこれから!〜
  中村由行 先生 横浜国立大学 統合的海洋教育・研究センター 教授
 ・横浜、インナーハーバーを事例とした港湾における街づくり
  野原卓 先生 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院 准教授
 ・相模湾の自然〜その地形・地質・環境・生物 そしてその成り立ち〜
  藤岡換太郎 先生 神奈川大学非常勤講師、放送大学非常勤講師
 ・神奈川県主要港湾(横浜港、川崎港、横須賀港)の海上物流〜その歴史と将来〜
  吉本亜土 先生 株式会社商船三井 経営企画部
             One MOL営業戦略推進室 主任研究員
 ・相模湾沿岸の海岸保全〜諸外国との比較〜
  宇多高明 先生 一般財団法人 土木研究センターなぎさ総合研究所 所長
・会場 クイーンズスクエア横浜
・主催 横浜国立大学 統合的海洋教育・研究センター
・共催 海洋都市横浜うみ協議会
・後援 横浜市
・助成 日本財団

○公開シンポジウム「海洋生物学の未来社会への貢献」 2017.07
 ・はじめに
  窪川かおる 先生 (東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター)
 ・座長
  川井浩史 先生 (神戸大学内海域環境教育研究センター)
 ・全国国立大学臨海実験所の研究・教育の現状と今後
  坂本竜哉 先生 (全国国立大学法人臨海臨湖実験所長会議長、
             岡山大学理学部附属 牛窓臨海実験所)
 ・全国大学水産実験所における教育研究からの社会貢献
  上田宏 先生 (北海道大学名誉教授)
 ・深海生物学の現在・未来
  藤倉克則 先生 (海洋研究開発機構 海洋生物多様性研究分野)
 ・水族館からの海洋生物学への貢献
  野中正法 先生(沖縄美ら島財団総合研究センター)
 ・海洋生物学に期待されるSDG14実現に向けた貢献
  古川恵太 先生 (笹川平和財団海洋政策研究所海洋研究、
             横浜国立大学統合的海洋教育・研究センター)
 ・パネルディスカッション
  司会 津田敦 先生(東京大学大気海洋研究所所長)
 ・おわりに
  中村將 先生 (沖縄美ら島財団総合研究センター参与)
・会場 東京大学小柴ホール(東京大学本理学部1号館2階)
・主催 日本学術会議 海洋生物学分科会
・共催 東京大学海洋アライアンス
・後援
 東京大学海洋基礎生物研究推進センター
 日本海洋学会、日本水産学会、日本動物学会
  海洋研究開発機構、日本財団

○JAMSTEC横須賀本部 施設一般公開 2017.05
 ・海底広域研究船「かいめい」公開
 ・JAMSTEC深海探査機
 ・公開セミナー
 ・研究紹介
 ・地球分析オープンラボ ほか

○森・里・海のややこしい三角関係 2017.07
 講師 山下洋 先生 京都大学フィールド科学教育研究センター長
 会場 京都大学丸の内オフィス
 第84回 京都大学丸の内セミナー

○かながわ里地里山シンポジウム
 〜いまちを守る!かながわの里地里山〜 2017.02
 ・開催あいさつ
  主催者代表 神奈川県副知事 浅羽義里 先生
  共催者代表 松田町長 本山博幸 先生
 ・神奈川県の里地里山保全等の取組の紹介
  環境農政局農政部農地課
 ・基調講演「森と暮らす、森に学ぶ」
  柳生博 先生 俳優・(公財)日本野鳥の会会長
 ・大学連携研究報告
  里地里山の保全効果に関する学際的研究
  小池治 先生 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授
 ・パネルディスカッション
  ・コーディネーター 吉武美保子 先生 NPO法人 よこはま里山研究所理事
  ・柳生博 先生
  ・小池治 先生
  ・土井成一郎 先生 小田急電鉄海SR・広報部長
  ・植田勇次 先生 矢倉沢里地里山会
  ・磯崎崇 先生 上曽我応援隊
  ・米阪芳美 先生 上曽我応援隊
 ・会場 松田町民文化センター

○南極の海の不思議 2017.07
 ・大陸分裂と南極海の形成
  講師 野木義史 先生 国立極地研究所教授
 ・南極の生態系を探る
  講師 内藤靖彦 先生 国立極地研究所 名誉教授
 ・南極&北極の魅力 講演会
 ・会場 日本印刷会館
 ・主催 (公財)日本極地研究振興会
 ・後援 潟Nルーズライフ

○地球環境の変化と北極 2017.05
 ・最近の激しい北極温暖化とその影響
  講師 山内恭 先生 (国立極地研究所特任教授)
 ・北極海の商業航路利用に向けて
  講師 山口一 先生 (東京大学大学院教授)
 ・南極&北極の魅力 講演会
 ・会場 日本印刷会館
 ・主催 (公財)日本極地研究振興会
 ・後援 潟Nルーズライフ

○海洋都市横浜うみ博2017
 〜見て、触れて、感じる 海と日本PROJECT〜
 会場 大さん橋ホール

○東京港埋立のあゆみ - 東京都港湾振興協会

○ローカル・アイデンティティの複合性 - 東京大学社会科学研究所

○日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で 水村美苗 筑摩書房 2008


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