イノベーションは内生的・自発的に生まれる

納税意識を高め
健全な経営を目指す会社


| 税金 | 財務省 | 正直者には尊敬の的 | 税務署 | 国税局 | 国税専門官 | 脱税 | 調査・捜索権限 |
| 役職階層 | 前近代的な組織 | 序列偏重 | 能力平等感 | 残酷すぎる真実 | 人間不平等起源論 | 格差論 |
| 権力の限界 | 法人会 | 営利性概念の変容 | 既成概念の開放 | 社会構造 | 第4次産業革命 |
| イノベーション | 内生的・自発的 | 外生的・強制的 | 生命の跳躍 | 若い人たちへ | 住みにくい世を住みやすく |
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みんなで社会を支えるための会費
税金

税金によって支えられている警察
神奈川県警察年頭視閲式 会場:第一機動隊訓練場 2017.01


私たちが健康で文化的な生活を送るために、国や都道府県、市区町村では、

社会の安全を守る警察や消防といった活動、道路・水道の整備といった活動のほか、

年金・医療・福祉・教育など、個人ではできない様々な仕事をしています。



それらの運営には多くの費用がかかり、そのために必要なお金を

みんなで出し合って負担するのが「税金」です。

つまり税金は、みんなで社会を支えるための「会費」といえるでしょう。



※税の学習コーナー 国税庁より



○財政健全化への取組み|失われた25年から学んだこと

○循環型社会の基盤にあるもの|強さばかりでなく、弱さに目を向ける

○安全で安心して暮らせる地域社会の実現|神奈川県警察の取り組み


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【公式】神奈川県警察 平成29年年頭視閲式テクニカル走行

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納税者としての国民の視点に立つ
財務省

財務省玄関脇に植えられる記念樹
大蔵省開庁百年 記念樹 つげ 昭和44年


ツゲ(黄楊・柘植) の木は、木質が綿密であり、強度があることから、

印鑑や将棋の駒、彫刻などに利用され、また、狂いが少ない材である為、

かつては定規、測量用具の材料として使用されていといいます。



○財務省の使命

  納税者としての国民の視点に立ち、効率的かつ透明性の高い行政を行い、

  国の財務を総合的に管理運営することにより、

  健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現するとともに、

  世界経済の安定的発展に貢献すること。



○日本人の心を虜にしてきた つばき


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正直者には尊敬の的
悪徳者には畏怖の的

東京都千代田区霞が関


1949年(昭和24年)、大蔵省の外局として国税庁が創設され、

これまでの財務局から国税の執行機構を分離して新たに国税局が設置されました。

この改革にはアメリカの内国歳入庁の組織が参考とされ、これにより、

国税庁・国税局・税務署の一元的な税務行政機構が確立されました。



「正直者には尊敬の的(まと)、悪徳者には畏怖(いふ:おそれおののく)の的(まと)」



国税庁の発足に重要な役割を果たしたGHQのハロルド・モス

内国歳入課長は開庁式の挨拶でこの言葉を贈ったそうです。



モス氏の言葉から70年近くを経た現在(2017年)、

国税庁には11の国税局、1つの国税事務所、524の税務署があり、

モス氏の言葉は今も変わらず国税庁の道しるべになっているといいます。



○日本の権力を表象してきた建造物|日本人の自我主張


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納税者に直接関わる業務
「支店」と呼ばれる税務署

日本で一番署員がいるといわれる渋谷税務署
400名ほど在籍しているそうです


全国に524ヵ所あるという税務署は、納税者に直接関わる仕事を担い、

主に税金の収集、届け出た税金計算の確認、税金に関する説明や

普及活動を行っているそうです。



税務署の仕事はお金に関わるだけにミスは許されず、

精緻(せいち)な確認が求められます。

特に確定申告の時期は、膨大な業務量となり、

3月15日の申告期間が終わった後も4月まで事務処理は続くのだそう。



電子申告が導入されてから事務処理は軽減されたそうですが、

かつて確定申告書は職員が手作業で「編てつ」と呼ばれる

冊子に綴じ込む作業を行っていたといいます。


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本店と呼ばれる
国税局

東京国税局 (東京都中央区築地)


国税局は全国に12ヵ所あり(沖縄国税事務所を含む)、

主な役割は、管轄する税務署の管理・監察、

税務署では対処出来ない大口の法人及び個人の税務調査、

税理士試験などを実施しているそうです。



国税局には課税部・調査部・査察部・徴収部などの部署があり、

1987年に公開された映画「マルサの女(伊丹十三 監督)」のマルサは、

査察部のことだそうです。



○世界最大級の市場 築地市場


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脱税は公共社会の敵
日夜努力している国税専門官

「公平な社会を夢見ている。本気で。」
国税専門官募集のポスター


※国税査察制度のあらまし 脱税は社会公共の敵 国税庁


  多くの納税者の方々は適正な申告納税を行っておられますが、

  一部に大口・悪質な脱税者がいることは非常に残念なことです。

  脱税はいわば社会の敵というべきもので、このような脱税を摘発するため、

  全国の国税査察官は国民の皆様のご理解、ご支援を得て日夜努力しています。



  納税者自身による適正な申告と納付に支えられている申告納税制度を維持し、

  課税の公平を確保するためには、故意に不正な手段て税金を免れた者の

  責任を厳しく追及しなければなりません。



  このため、税金を納めさせるだけでなく、懲役又は罰金という刑罰を科すため、

  査察調査という特別な調査を行っています。この査察調査には、国税庁と国税局

  に配置されている国税査察官(全国で約1,300名)が当たっています。



○私たちの社会と世界 一方の利益は他方の損|モンテーニュ


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国税査察官の仕事 国税庁動画チャネル

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多くある脱税の手段・方法
売上除外や架空の原価・経費の計上



平成26年度に告発した査察事案で多かった業種・取引は、

「不動産業」、「クラブ・バー」、「建設業」でした。



また、雑誌に虚偽・誇大な広告を掲載し、開運グッズの通信販売や高額の祈祷サービス

を電話で提供する、いわゆる「開運商法」など、事業活動自体に違法または不当な行為

が含まれるとして、社会問題化した事案についても積極的に告発しました。



脱税の手段・方法としては、売上除外や架空の原価・経費の計上が多くみられます。



脱税によって得た不正資金の多くは、現金や預貯金、株式及び不動産として

留保されていたほか、高級外車や腕時計の購入、競馬などの遊興費、

特殊関係人に対する資金援助や老人ホームの入居権利金などに充てられて

いた事例も見受けられました。また、不正資金の一部が海外の預金で留保

されていた事例や海外のカジノで費消されていた事例もありました。



脱税によって得た不正資金の隠匿事例としては、

自宅階段下の納戸の奥に置かれた段ボール箱に現金を隠していたものなどがありました。



※平成26年度 査察の概要 国税庁


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国税に関する
調査・捜索権限

テミス(ユースティティア) フランクフルト・レーマーベルク


※国税犯則取締法 (明治三十三年三月十七日法律第六十七号) ⇒ 査察部
 第二条「臨検・捜索・差押」 (原文カカタカナ表記はひらがなに変更)


  収税官吏(しゅうぜいかんり)は犯則事件を調査する為必要あるときは

  其(そ)の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の

  裁判官の許可を得て臨検、捜索又は差押を為すことを得(うる)




※国税通則法 第七章の二 国税の調査 第74条の二 ⇒ 資料調査課
 (当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権)平成23年12月法律114号
 (原文において括弧で記載されている部分は省略)


  国税庁、国税局若しくは税務署又は税関の当該職員は

  所得税、法人税、地方法人税又は消費税に関する調査について

  必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、

  当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類

  その他の物件を検査し、又は当該物件の提示若しくは提出を求めることができる。




※徴収法第百十二条(捜索の権限及び方法) ⇒ 徴収部

  徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物

  又は住居その他の場所につき捜索することができる。



○法をもっと身近に|縁遠いようでとても身近な法律に触れて


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国税局と税務署の
役職階層



国税局の役職は、局長をトップに、次いで部長⇒課長⇒

補佐(統括主査)⇒主査⇒実査官という順になっているそうです。

また役職のほかに部署による序列があるとされ、総務課、人事課、

法人課税課、個人課税課などの主管課がエリートコースだといわれます。



一方、税務署は署長をトップとして、副署長⇒課長⇒統括官⇒

課長補佐(統括上席)⇒上席⇒調査官⇒事務官という順になっており、

一般的には国税局の課長クラスが税務署の署長を務めることが多いそうです。



※リョーチョーって何? 2017.02
 講師 檜山雅裕 先生 戸塚税務署長 (元国税局資料調査課 勤務)
 主催 公益社団法人 戸塚法人会 青年部


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前近代的な組織
軍隊式ではなく軍隊そのもの



国税局にある課税部調査部隊の中核とされる資料調査課は、

隠語では「リョーチョー」や「料」の部首からとって「コメ」と呼ばれる組織だそうで、

組織のマネジメントは軍隊式で上司の言うことは絶対だといわれます。



※国税局資料調査課 元国税実査官 佐藤弘幸 扶桑社 2015
 第一章 コメの男とは? 前近代的な組織 p45-48


  外で上司と行動を共にするうえでも、厳しい不文律があった。

  移動中は先輩や上司の前を歩くことは許されない。

  食事の際には、奥に座ることはご法度。先に箸をつけることも許されなかった。

  私のころは、上司に毎晩飲みにつき合わされた。

  コメの序列は実査官、主査、統括主査、課長の順に職位が高くなっていくが、

  ヒラである実査官にとってのボスは主査。最初の文字をとって「ヌシ」と呼ばれるが、

  実査官はこのヌシとしか話すことができない。



  ヌシが酒飲みだと大変だ。

  夜9時頃に現場を引き揚げ、そこから食事を兼ねた反省会。

  怒鳴られまくって、12時ぐらいになってようやく解放される。

  帰宅は深夜1時を過ぎることもざらだ。

  どんなに帰りが遅くなっても、翌日は朝5時に起きて現場に向かう。

  もちろん「ノー」とは言えない。

  たちまち次の年の人事異動でどこかに飛ばされてしまう。

  主査は人事における第一評価者であり、自分の国税マンとしての

  将来を決めるキーマンなのだ。

  調査期間中はこんな毎日が続く。

  とても平日だけでは仕事の時間が足りないので、

  土日も調査にあてることがしばしばだ。

  独身職員はデートの時間がなく、次の調査先の内観調査や

  外観調査のためにデータを兼ねて準備調査をしている者が少なくない。

  そうでもしないとワーク・ライフ・バランスが保てないからだ。



○破壊と再生|日本型うつ病社会に別れを告げて

○平和と独立を守る防衛省|すべての国々、すべての方々に感謝の気持ちを


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序列偏重なしには暮らせない
日本の日常

先祖の代までも <ロス・カプリーチョス39> フランシスコ・デ・ゴヤ 国立西洋美術館
ロバが先祖たちが描かれた血統書を掲げ、自慢するように見せている様子


日本人がめざましい近代化をやり遂げることができた一因として、

タテ組織をいかんなく発揮できたことが挙げられています。

この社会構造は、リーダーから末端成員までの伝達が非常に迅速で、

動員力に富んでいるという長所があるとされます。



日本社会における根強い序列偏重は、年功序列などという近代社会に発達した

制度を取りあげるまでもなく、私たちの日常生活において遺憾なく発揮され、

私たちは序列の意識なしには席に着くこともできないし、しゃべることもできず、

しゃべる場合には、デリケートな敬語を選びつつ相手を肯定し、

発言の順番や量を意識する必要があります。



このような日本社会に根強く存在する特殊な集団認識のあり方は、

日本社会の津々浦々まで浸透している普遍的な「イエ(家)」の概念に

根ざしているといわれます。



※タテ社会の人間関係 単一社会の理論 中根千枝 講談社現代新書 1967
 日本近代化の達成に大きな役割 5.集団の構造的特色 p127-128
 序列偏重なしには暮らせない日常  3.「タテ」組織による序列の発達 p82-83
 代表は生活共同体としての家 2.「場」による集団の特性 p31



○急激な近代化を遂げてきた日本|近代化の象徴 競馬

○画家ゴヤが見つめてきた人間の光と影


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日本人に認められる根強い能力平等感
そこから派生する「ぬるま湯道徳」

弟子の方が物知りなのだろうか <ロス・カプリーチョス37> 1799
フランシスコ・デ・ゴヤ 国立西洋美術館


伝統的に日本人は「働き者」とか「なまけ者」といったように、個人の努力差には

注目するが、「誰でもやればできるんだ」という能力平等感が非常に根強く存在している。



日本的イデオロギーの底にあるものは、極端な、ある意味では素朴(プリミティブ)

ともいえるような、人間平等主義(無差別悪平等ともいうものに通ずる、

理性的立場からというよりは、感情的に要求されるもの)である。

これは西欧の伝統的な民主主義とは質的に異なるものであるが、

日本人の好む民主主義とは、この人間平等主義に根ざしている。



これは、すでに指摘した「能力差」を認めようとしない性向に密接に関係している。

日本人は、たとえ、貧乏人でも、成功しない者でも、教育のない者でも

同等の能力をもっているということを前提にしているから、

そうでない者と同等に扱われる権利があると信じこんでいる。



そういう悪い状態にある者は、たまたま運が悪くて、恵まれなかったので、

そうあるのであって、決して、自分の能力がないゆえではないと自他ともに

認めなければいけないことになっている。



しかし、実際の社会生活では、そうした人々は損な立場にたたされている。

ところが「貧乏人は麦を食え」などとは、決して口に出すべきことではない。

弱き者、貧しき者をそれ相応に遇することを口に出していうことは日本社会

ではタブーである。実際に、そうした人々のために本当に働くか、尽力するか

は別で、口ではそうするべきだということ自体が美徳とされている。



日本には、なんとこうした口だけのエセ同情者(あるいは言行不一致の者)が多いことか。

特に左翼的言辞(さよくてきげんじ⇒平等主義的な言葉)を弄(ろう)する(⇒もてあそぶ)

人々の大部分が、こうした種類の特権的ムード派であるところに、

平等主義から派生するところのぬるま湯道徳がみられるのである。



※タテ社会の人間関係 単一社会の理論 中根千枝 講談社現代新書 1967
 終身雇用制と根強い能力平等感 3.「タテ」組織による序列の発達 p76-77
 平等主義から派生するぬるま湯道徳 4.「タテ」組織による全体像の構成 p99-101



○隔たりがあることを暗示する足なえたち|障がいを越えて共に生きる

○人間の弱さと限界、そこからの可能性|パスカル「パンセ」


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言ってはいけない
残酷すぎる真実

「大きな魚が小さな魚を食う」 1557 版画 ピーテル・ブリューゲル


この社会はきれいごとがあふれている。

人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない−

だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。

知能や学歴、年収、犯罪歴も例外ではなく、美人とブスの「美貌格差」は約3600万円だ。

子育てや教育はほぼ徒労に終わる。

進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。

読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。



※言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲 新潮新書 2016 書籍案内より





最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。

だから、気分よく一日を終わりたいひとは読むのをやめたほうがいい。

だったらなぜこんな本を書いたのか。それは、世の中に必要だから。

テレビや新聞、雑誌には耳障りのいい言葉が溢れている。

メディアに登場する政治家や学者、評論家は「いい話」と「わかりやすい話」しかしない。

でも世の中に気分のいいことしかないのなら、

なぜこんなに怒っているひとがたくさんいるのだろうか。−

インターネットのニュースのコメント欄には、

「正義」の名を借りた呪詛(じゅそ⇒のろい)の言葉ばかりが並んでいる。

世界は本来、残酷で理不尽なものなのだ。

その理由を、いまではたった1行で説明できる。




ひとは幸福になるために生きているけれど、

幸福になるようにデザインされているわけではない。



※言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲 新潮新書 2016 冒頭より



○隔たりがあることを暗示する「足なえたち」|ブリューゲル


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人間不平等起源論
ジャン=ジャック ルソー

フランス革命に大きな影響を与えたとされる哲学者
ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau、1712-1778)


○「未開人は自分自身のなかに生きている。

  社会に生きる人は、常に自分の外にあり、他人の意見のなかでしか生きられない。」


○「われわれは欺瞞的で軽薄な外面、つまり徳なき名誉、知恵なき理性、

  幸福なき快楽だけをもつことになったのか」




ルソーの代表作の一つ「人間不平等起源論(1755)」は、かつて人間は不平等が

ほとんど存在しない自然状態にあったのが、歴史的な進歩という過程を経て、

ついには「徳なき名誉、知恵なき理性、幸福なき快楽」だけをもつ存在になった

と指摘します。




※人間不平等起原論 J.J. ルソー. 本田喜代治(訳), 平岡昇(訳) 岩波文庫 1972
 原注 p151


  人間は邪悪である。悲しい連続的な経験がその証拠を不要にしている。

  けれども、本来、人間は善良である。私はそれを論証したいと信じている。

  ではこれほどまで彼を堕落させたものは、彼の組成中に生じた変化と、

  彼の行った進歩と、彼の獲得した知識でなければいったい何であろうか。



  なんらの偏見をもたないで、社会人の状態を未開人のそれと比較してみるがよい。

  そして、どんなに社会人が、その邪悪さと欲望と悲惨とのほかに、

  苦痛と死とに向かって新しい門を開いたかを、できれば研究してもらいたい。



  もしわれわれを消耗させる精神的苦痛、われわれを疲労させ、悩ますはげしい情念、

  貧しい人々の重荷になっている極度の労働、富める人々が溺れてしまい、

  ある者はその欲求のために、他の者はその過度のために死ぬ、

  なおいっそう危険な放逸な生活、これらについて皆さんが反省するならば、


  (中略)


  なおまた、幾多の都市を全滅させたり、転覆させたりして、

  その住民を何千も死なせた火事や地震を、皆さんが考慮に入れるならば、



  要するにこれらすべての原因がたえずわれわれの頭上に集中する危険を

  皆さんが合わせ考えるならば、われわれが自然の教訓を軽蔑したことに対して、

  自然がいかに高い代償をわれわれに支払わせているがが感じられるだろう。



○ルソー「人間不平等起源論」

○東洋のルソーといわれた中江兆民


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格差は広がり続ける
資本収益率 > 経済成長率

フランスの経済学者 トマ・ピケティ(Thomas Piketty、1971-)


「格差」を論じたピケティの著書「21世紀の資本」は、15年をかけて

世界20ヵ国以上の税務データを200年以上前までさかのぼって

収集し分析した結果から公式を導きだしています。



r > g

※r …
return on capital ⇒ 資本収益率
※g … economic
growth rate ⇒ 経済成長率



資本収益率は、株や不動産などの運用で得られるお金の割合を指し、

資本家(お金持ち)が株や不動産などを運用することで

年間どれくらいお金が増えていくかを表す指標。

一方、経済成長率は、働くことで得られるお金の増加率を表す指標。



ピケティの研究によると資本収益率は年間平均4〜5%増加し、

経済成長率は年間平均1〜2%の増加だと指摘します。


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権力で抑えつける
限界



※税務署は見ている。 飯田真弓 日経プレミアムシリーズ 2013
 第5章 税務署は何のためにあるのか、商売人は、必ずしも悪人ではない、
 権力で押さえつけるのには無理がある


現に、今も調査官の中には、「商売人は悪者だ」という意識で、

「役人風」を吹かせて税務調査を行っている人も少なくないと思います。

けれども、そうでもしなければ、嫌われ者仕事は務まらないという側面が

あることもご理解いただければと思うのです。



税務署の仕事から離れ、民間の仕事に就いてみると、私の意識は改まりました。

今、私のまわりにいらっしゃる経営者の方々は、皆さん、きちんと税金を納めて

経営をしているという方ばかりです。

従業員の生活を守るため、まじめにきちんと申告して税金を納め、

企業にお金を残すダム式経営を目指しておられます。

「良心」を基軸にした経営を実践されている方々は、志を持ち、

社会貢献度の高い経営をされています。



国税当局も、高額悪質な案件については強制調査に委ねる一方で、

一般の経営者には良心に働きかけるような対応を打ち出すことが必要ではないでしょうか。

国税当局も権力で押さえつけることには、限界があることを感じているのでしょう。



○自分の専門に閉じこもることを拒否するオネットム(紳士・教養人)の普遍性


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納税意識の高揚・健全な経営を掲げる
法人会

法人会ポスター


「納税意識の高揚、健全な経営」を掲げる法人会は、

企業の間から自発的に誕生したといわれます。



全国には441の法人会があり(税務署の数は524)、その法人会を連合する

41の都道府県連合会、そして全国法人会総連合という構成を成しているそうです。



法人会に入会する側(納税側)の直接的な目的としては、

ビジネス機会の獲得などが挙げられ、

税務側からみれば経営を確認できる場面となっているようです。



法人会の規模については、かつて130万社いた会員数は80万社となり、

神奈川県に限って言えば、かつて5万社だった会員は4万7千社と、減少傾向にあるそうです。



※28年度 神奈川県法人会連合会 青年部連絡協議会セミナー 2017.03
 会場 吉池旅館 (神奈川県箱根湯本)


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営利性概念の変容
直接的に明示されなくなった営利性



「会社」とはどのようなものか、「会社法(2006年施行)」の定義をみてみると、

以下のような条文があります。



※会社法(平成十七年七月二十六日法律第八十六号)

 第二条 (定義)   会社   株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。

 第三条 (法人格) 会社は、法人とする。




会社法の前身にあたる旧商法第2編に記載されていた会社の定義をみてみると、

第52条に「本法(この法律)に於(おい)て会社とは商行為を為(な)すを

業とする目的を以(もっ)て設立したる社団を謂(い)う」とあり、第二項には、

「営利を目的とする社団にして本編の規定に依(よ)り設立したるものは

商行為を為(な)すを業とせざるも之(これ)を会社と看做(みな)す」とあります。

(※原文カタカナ表記はひらがなに変更)



旧商法の定義では、会社は「営利を目的とする社団」と明示されていますが、

会社法においては「営利性」は直接的に明示されなくなっています。


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既成概念からの
解放



長い目でみた日本経済の成長力を映し出す「潜在成長率」は、

生産活動に必要な資本・生産性・労働力を使った場合に、

GDP(国内総生産)を生み出す供給能力をどれだけ増やせるか示す指標。



潜在成長率の構成要素の一つである「労働力」は、子どもがたくさん生まれる

ことによって向上が見込まれ、ゆくゆくはGDPに寄与すると考えられますが、

日本の人口は減少傾向にあり、また国外から大規模な移民を受け入れる

といっても困難が伴うといわれます。



そのような状況の中、潜在成長率を高めるには、働き方を改革して労働参加率

を高めることや、イノベーションによる生産性の向上を図る必要があるのだそう。



その為には、これまでの考え方を解放して、既得権という執着から離れ、

管理・指導という名の規制を緩和することが求められるようです。



※日本経済の現状と未来 2017.02
 講師 岸博幸 先生 慶応義塾大学大学院教授
 会場 ローズホテル横浜
 横浜市内7法人会交流事業エキサイティングセミナー



○子どもたちに会いにいく旅|遊びの中に未来がある こどもの国


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社会の中で最も変わりにくい部分
社会構造



かつて私(ホームページ管理者)は、某業界の流通過程にある組織を

デザインし直すというお手伝いをしたことがあります。

効率的な視点から組織を再編成し、組織名称も変わるのですが、

蓋を開けてみれば、その実態は以前となんら変わっていないという経験をしました。



社会人類学に「社会構造(ソーシャル・ストラクチュア」という概念がありますが、

それは、一定の社会に内在する基本原理ともいうべきものであり、

たとえば、社会組織(Social Organization)は変わっても、

社会構造(Socail Structure)は変わらない、という場合を指すといいます。



社会人類学において、この基本原理はつねに個人と個人、個人と集団、

また個人からなる集団と集団の関係を基盤として求められ、

この関係というものは社会(あるいは文化)を構成する諸要素の中で

最も変わりにくい部分であり、また経験的にもそうしたことが立証されているそうです。



※タテ社会の人間関係 単一社会の理論 中根千枝 講談社現代新書 1967
 組織・様式は異なっても社会構造は同じ
 「社会構造(ソーシャル・ストラクチュア)」の探求 1.序論 p20-24


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社会構造の変容をもたらす
第4次産業革命

第4次産業革命 -日本がリードする戦略- 経済産業省より


科学技術の急速な進展によって社会構造が変わるとされる「第4次産業革命」。

「革命」と聞くと「フランス革命」や「ロシア革命」が思い浮かびますが、

「革命」は既存の主権(主役)が、別のものにとって変わることを示唆しているよう。



オックスフォード大学准教授のマイケル A. オズボーン先生は、

「今後10〜20年で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」(2013)

と指摘していますが、2017年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で提出された

「人間がやらなくてもよくなる仕事ランキング」の1位は、銀行・会計士(税理士)の

一部業務だといいます。



ヨーロッパでは、人間以外が稼いだお金をどのように活用するか議論が始まっており、

その方向性の一つとして、人間が働く・働かないに関わらず基礎収入を得る

「ベーシックインカム」の検討がなされているそうです。



産業界では、例えば繊維メーカーは、衣服自体がセンサーになる可能性があり、

着ている人の体温等の情報を収集することによって健康管理に役立てることも考えられ、

どうやら、これまでのように「うちは繊維屋」「うちは機械屋」といった見方では

捉えきれなくなっているようです。



昨今、ビジネスセミナーでは、専門領域に直接関わる内容にとどまらず、

宗教家や倫理の専門家を招いたセミナーが開催されるなど、

統合的な捉え方、自分に向き合うことへの関心が高まっていると指摘されます。



※科学技術が人間や社会をどのように変えていくか? 2017.03
 講師 藤沢久美 先生 シンクタンク・ソフィアバンク代表
 会場 川崎市産業振興会館
 第33回かわさき科学技術サロン



○今は存在しない職業の出現と既存職業の代替

○専門の弊害|閉鎖的専門家・開放的専門家

○暗く覆いかぶさっているものを光で照らす 啓蒙主義


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人々に新しい価値をもたらす
イノベーション



多くの日本人は、イノベーションを「技術革新」と訳します。

実は、この「技術革新」という言葉は誤訳なのです。

1958年の経済白書が初めて、イノベーションを技術革新と訳しました。

当時の日本の経済状況を考えれば、技術こそが経済発展の源であったわけで、

技術革新の重要性は痛い程理解できます。



しかし、21世紀に入り高度に経済が発達した先進国の日本で、未だに、

イノベーションに技術革新という訳が使われていることに、私は当惑を覚えます。

なぜなら、技術革新以外にもイノベーション革新は存在するからです。

もしも、イノベーションを技術革新としか考えないとすると、

これは大変にミスリーディングなことと言わざるを得ません。

このミスリーディングな誤訳が現在の日本経済にも大きく影響を

与えているのではないか、と思います。



イノベーションとは、そもそも、人々に新しい価値をもたらす行為です。

その目的を達成するためには、科学的な進歩が必要なこともあれば、

既存の製品とは異なった新製品開発が必要な場合もあるし、

経営システムの革新が必要な場合もあるし、販売や制度的な革新が

必要なこともあります。


(中略)


イノベーションを達成するには、その社会が持っている価値観とか、

歴史的な経緯、経済発展のレベル等きわめて社会的な事柄を

よく理解する必要があります。



※イノベーションとは 吉川智教 先生
 早稲田大学大学院太平洋研究科教授
 先端科学・健康医療融合研究機構 MOT研究所所長



○進化するテクノロジー|人間のフロンティア

○持続可能なモビリティ社会を目指して|日産追浜グランドライブ体験試乗


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内生的・自発的に生まれる
イノベーション

オーストリアの経済学者 ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター
(Joseph Alois Schumpeter、1883-1950) 


オーストリア・ハンガリー帝国のモラヴィア(現チェコ)に生まれた経済学者、

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter、1883-1950)。



「経済成長の起動力は企業家によるイノベーション(新結合:neue Kombination)にある」

とする理論を構築したことで特に知られますが、シュンペーターは経済学理論に

とどまらず経済史や社会学、歴史学へと視野を広げていった人物だったとされます。



主要著作の一つ「経済発展の理論(1912)」において、経済発展とは、

第一に内生的、自発的に生まれる経済の循環的変化であり、

第二に非連続的な変化であるとします。



内生的な変化とは、「経済が自分自身のなかから生み出す経済生活の

循環の変化のことであって、外部からの衝撃によって動かされた変化ではなく、

自分自身に委ねられた経済に起こる変化にしぼられる」と指摘されています。



※シュンペーター経済発展の理論 伊達邦春、玉井龍象、池本正純 有斐閣 1980
※経済発展の理論 J.A. シュムペーター
  (訳)塩野谷祐一, 東畑精一, 中山伊知郎 岩波文庫 1977 p183



○人間の弱さと限界、そこからの可能性|パスカル「パンセ」

○哲学からみた人間理解|自分自身の悟性を使用する勇気を持つ

○スラブ民族のこころ モラヴィアの祈り


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外生的・強制的からは生まれない
イノベーション



「イノベーション」という言葉は、日本において日常的に聞くようになっていますが、

その場合の「イノベーション」は外生的・強制的なことが少なくないといい、

言われた側はその圧力によって逆に萎縮してしまう場合があるようです。



イノベーションが求められる背景には、既存のままでは衰退するという危機感があるとされ、

裏返せば安定・成長期には既存路線の踏襲が賢明のようです。



イノベーションという言葉を耳にして久しいことから考えてみると、

今日の日本はまだイノベーションが実現していない、

先の見えにくい長期的な変化の過程にあるように思えます。

イノベーションは、どうやらそう簡単に生まれるものではないようです。



イノベーションの種(Seeds)のありかは、少数意見に埋もれている場合がみられ、

これが真実だとするならば、組織編成にあたっては価値観を共有する人材や

迎合的な人材を育てるだけでなく、多様性や異質性に配慮することも大切だと

考えられます。



イノベーションを起こせる資質については、

目先の収益的視点を超えた普遍的な領域に価値を見い出すことができ、

かつ、時間を忘れて物事に没頭できる人物像が浮かび上がります。



※イノベーションの時代のサイエンスとは 2017.03
 パネリスト
  ・出田恵三 先生 NHK制作局 科学・環境番組部 部長
  ・出雲充 先生 株式会社ユーグレナ 代表取締役社長
  ・中島林彦 先生 『日経サイエンス』編集長
  ・福田真嗣 先生 株式会社メタジェン 代表取締役社長
  ・山ア英数 先生 富士フイルム株式会社 R&D統括本部生産技術センター長 
 コーディネーター
  ・高井研 先生 JAMSTEC 深海・地殻内生物圏研究分野 分野長
 平成28年度 海洋研究開発機構 研究報告会 JAMSTEC2017



○最も進んでいないイノベーション|人間に関する知識

○生命の跳躍|海洋を統合的に理解する

○地球の未来を読み解く南極観測


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生命の跳躍
エラン・ヴィタール

ジオコスモス 日本科学未来館


19世紀末から20世紀にかけてのフランスにおいて、

「生の哲学」を展開したアンリ・ベルクソン(1859-1941)。



ベルクソンによると、

知性は、流動するものを嫌い、対象をことごとく固定させてしまう傾向を持ち、

あらかじめ描かれたプログラムが実現される過程のように描くものである限り

生命にふさわしくないとします。



生命は、知性の手から漏れ出るものであり、私たち自身も、

他のすべての事物も、純粋な持続のなかで進化しているものであるとし、

これを「生命の跳躍(エラン・ヴィタール)」という概念で提示します。



「生命の跳躍(エラン・ヴィタール)」は、一個の生命個体の枠に留まるものではなく、

個々の有機体個体を介しながら世代を通じて貫かれ、進化系統に分かれながら

存続していく。進化過程における諸変化は、生に備わる根源的衝動、根源的跳躍

に帰するとし、狭義の知性は無力であるとします。



「生命の跳躍(エラン・ヴィタール)」は、

予測不可能ではあるが単なる偶然ではないものであって、

自由という言葉によって置き換えられるにふさわしいものである。



意識は、この「生命の跳躍(エラン・ヴィタール)」の先端に位置するものである。

この生命の創造力と一致するために、意識は「さらに大きく開花し」、

「自らを深める」努力をしなければならない。



※ベルクソンの近代科学批判と生命概念
 近代哲学の人間像、15.生命概念のもとでの哲学の主張
 佐藤康邦 先生 放送大学教授・東京大学名誉教授



○困難を伴う自我の開放|森鴎外「舞姫」にみる生の哲学

○生命の跳躍|海洋を統合的に理解する

○未来を創る つながりのはじまり|夢と希望を育む魅力ある街 臨海副都心


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若い人たちへ
あきらめず、がんばれ、失敗気にせず逃げないで

2008年ノーベル化学賞を受賞した下村脩 先生
(しもむら おさむ、1928年(昭和3年)8月27日 - )


○生物化学者 下村脩 私の履歴書 2010年7月31日 日本経済新聞社
 「若い人たちへ−あきらめず、がんばれ、失敗気にせず逃げないで−」


ノーベル賞を受けた翌年の2009年3月、日本に一時帰国して、

日本化学会などが主催する講演会に招かれたときのことだ。

講演後のパネル討論の場で、会場の若い参加者から私への質問が出た。

おそらく研究者かその卵であろう。



「研究で成果が出ず、行き詰ったときはどうすればいいか」という問いだった。

ちょっと考えた後、こう言った。「がんばれ、がんばれ」。



つべこべ言わずに努力をしなさいという、突き放したような言い方に、

ひょっとしたら聞こえたかもしれない。

もう少し丁寧な答え方をしようとも思ったのだが、私が言いたかったのは、

結局はこの「がんばれ」という単純な言葉に尽きるのである。



「やりたかったことをやっていて行き詰ったらどうするか」と、聞かれたこともある。

この質問の真意が私にはよく分からない。

すぐにあきらめたり、ほかのことに移ってしまったりするのは、

それはそのことが本当にやりたかったことにはならないのではないだろうか。



もちろん、人が置かれている状況はそれぞれ異なるだろう。

私の場合は、生物発光というテーマを与えられ、

その不思議さに魅せられつつ、格闘してきた。



ノーベル化学賞の成果となった、緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見までには、

同じオワンクラゲからとれた発光たんぱく質のイクオリンや、

それ以前に日本で取り組んだウミホタルのルシフェリンの研究が役立った。

これらが成功裏に進んだのは、様々な幸運もあったし、巡り合わせが作用した。



しかし、そのような思わぬ偶然を引き寄せることができたのは、

少しの失敗は気にせず、あきらめずに努力したためである。

試練には何度となく直面したが、私は逃げることは考えなかった。

逃げることができなかったといってもいい。



研究者として、私は実験がうまいとも言われる。

「神の手を持つ」などと神格化するようなことを言われたこともある。

実際のところは、私は不器用で、実験は上手ではない。よく失敗する。

ただ、簡単にあきらめない。うまくいかなかったら考え直して、

別なやり方を試しみてみる。だめだったらもう一度。

それを何度も繰り返す。それだけだ。



今の研究者には難しいテーマには取り組もうとしない傾向があるようにみえる。

こうやれば、結果が出ることが見えているものは手がけるが、

すぐに結果が出そうにないものは、始める前から尻込みしてしまう。

最近は女性より男性にこの傾向が強い。女性の方がまだ元気があるような気がする。



科学研究に関していえば、私がやってきたのはずっと基礎研究である。

生物発光の研究を、何かの役に立つとか考えたことはほとんどない。

そうした基礎研究の蓄積があって、緑色蛍光たんぱくGFPのような、

後に社会に役立つものが生まれた。まったく予想を超えたことであった。

あらかじめ、予定されている成功などはないのだ。



日本の若い人たちに重ねていいたい。がんばれ、がんばれ。

物事を簡単にあきらめてはだめだ。


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住みにくい人の世を
住みやすくする



※「草枕」冒頭 夏目漱石 小学館文庫 2011


  山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。



  智(ち)に働けば角(かど)が立つ、

  情に棹(さお)させば(⇒調子に合わせてうまく立ち回れば)流される。

  意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。

  兎角(とかく)に人の世は住みにくい。



  住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。

  どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画(え)が出来る。

  人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。

  やはり向こう三軒両隣りにちらちらするただの人である。

  ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。

  あれば人でなしの国に行くばかりだ。

  人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。



  越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、

  寛容(くつろげ)て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。



○美しい日本に生まれた私|天地自然に身をまかせ

○人間の幸不幸を凝視する物語文学 源氏物語

○私たちの生涯|生と死の狭間にある「時」を歩む


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参  考  情  報


○国税庁ホームページ

○全国法人会総連合

○一般社団法人 神奈川県法人会連合会

○公益社団法人 戸塚法人会

○税金の基礎知識

○法令データ提供システム|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

○めちゃくちゃわかるよ経済学 シュンペーターの冒険編 | ダイヤモンド・オンライン

○夏目漱石 - 青空文庫

○橘玲 公式サイト | Tachibana Akira official site

○無料の写真 - Pixabay

○パブリックドメインの写真 - フリー写真素材

○Imagebase: 100% Free Stock Photos

○フリー百科辞典Wikipedia

○財務省設置法(平成十一年七月十六日法律第九十五号)
第18条 国家行政組織法第三条第二項 の規定に基づいて、財務省に、国税庁を置く。
第23条  国税庁に、地方支分部局として、国税局を置く。

○国税局資料調査課
 ・隠語では「リョーチョー」や「料」の部首からとって「コメ」と呼ばれる組織。
 ・国税に関する資料を収集する課税部調査部隊の中核とされる。
 ・課税第一部(個人) 150名程
  資料調査第一課 所得税
  資料調査第二課 譲渡所得・相続税、贈与税
  資料調査第三課 取引資料の収集
  資料調査第四課 外国人
 ・課税第二部(法人) 100名程
  資料調査第一課 売上高50億以上の大規模法人
  資料調査第二課 売上高20億〜50億円程度
  資料調査第三課 公益法人・海外法人

○リョーチョーって何? 2017.02
 講師 檜山雅裕 先生 戸塚税務署長 (元国税局資料調査課 勤務)
 主催 公益社団法人 戸塚法人会 青年部

○国税局資料調査課 元国税実査官 佐藤弘幸 扶桑社 2015

○税務署は見ている。 飯田真弓 日経プレミアシリーズ 2013

○地域企業の活性化に向けて〜金融行政の展開〜 2016.04
 講師 川瀬透 先生 財務省 関東財務局 総務部長
 会場 横浜シンポジア
 主催 横浜商工会議所 青年交流会 通常総会・ビジネスセミナー・交流会

○社会保障と税の一体改革に向けて 2016.03
 講師 川瀬透 先生 財務省 関東財務局 総務部長
 会場 神奈川県民センター
 主催 神奈川県政モニターOB会

○さかい学 財務副大臣との意見交換会 2016.06
 場所 財務省
 主催 (公社)戸塚法人会青年部

○日本経済の現状と未来 2017.02
 講師 岸博幸 先生 慶応義塾大学大学院教授
 会場 ローズホテル横浜
 横浜市内7法人会交流事業エキサイティングセミナー

○28年度 神奈川県法人会連合会 青年部連絡協議会セミナー 2017.03
 特別講演 講師 古賀稔彦 先生
 会場 吉池旅館(神奈川県箱根湯本)

○柔道と人間力 −意思あれば道あり− 2015.01
 講師 山口香 先生 筑波大学准教授・ソウル五輪女子柔道銅メダリスト
 主催 放送大学文京学習センター

○トランプ大統領下の世界経済とアベノミクス 2017.02
 ・講師 竹中平蔵 先生 東洋大学教授・慶応大学名誉教授
 ・次第
  1.はじめに
  2.世界情勢を見る視点
   乱気流としてのポピュリズム
   偏西風としての第4次産業革命
   トランプ政権を考える
  3.アベノミクスの成果と課題
   変化した日本経済
   残された「財政健全化」
  4.成長戦略の今後:未来投資会議
   国家戦略特区の役割
   「規制の砂場」を考える
   官業の民間開放
  5.東京2020の意義と課題
   「締め切り効果」の重要性
 ・会場 メルパルク横浜
 ・主催 横浜商工会議所 建設部会・港湾運輸倉庫部会 合同新春講演会

○「奇跡の職場」のつくり方
 〜新幹線清掃の会社はこうして最強のチームに変わった〜 2017.03
 講師 矢部輝夫 先生 元JRテクノハートTESSEI おもてなし創造部長
     合同会社おもてなし創造カンパニー 代表
 会場 ロイヤルホールヨコハマ
 主催 横浜商工会議所 小売部会 講演会

○真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか
 ヤン カールソン, 堤猶二(訳) ダイヤモンド社 1990

○第33回かわさき科学技術サロン 2017.03
 ・ご挨拶
  福田紀彦 先生 川崎市長
  藤嶋昭 先生 東京理科大学学長
 ・話題提供
  科学技術が人間や社会をどのように変えていくか?
  藤沢久美 先生 シンクタンク・ソフィアバンク代表
 ・会場討議
  コーディネータ 福永泰 先生
   日本電産 専務執行役員 中央モーター基礎技術研究所長
 ・自由交流
 ・会場 川崎市産業振興会館

○かわさき産学官ネットワーク交流会 2017.03
 ・テーマ1 話題のIoTとは? 徹底解説と初めの一歩の踏み方は?
  講師 村林智 先生 日本マイクロソフト
  コンシューマ&パートナーグループ OEM統括本部 IoTデバイス本部
  シニアアカウントエグゼクティブ - Azure担当部長
 ・テーマ2 ものづくり立国日本が抱える課題とIoT/M2Mによるイノベーション
  講師 佐藤声喜 先生 階MC 代表取締役社長
 ・テーマ3 コンテキストウェアシステムななど、ハードウェアとネットワークを
        活用した研究について
  講師 新津義弘 先生 芝浦工業大学システム理工学部 教授
 ・会場 川崎市産業振興会館

○経済発展の理論 J.A. シュムペーター
 (訳)塩野谷祐一, 東畑精一, 中山伊知郎 岩波文庫 1977

○シュンペーター経済発展の理論 伊達邦春、玉井龍象、池本正純 有斐閣 1980

○弁証法による螺旋的発展 ヘーゲル

○2016年版ものづくり白書「概要」〜第四次産業革命への対応〜
 経済産業省

○産業革命
 ・第1次(18世紀中〜) 自然・人力⇒蒸気・機械
 ・第2次(20世紀初〜) 蒸気⇒電力
 ・第3次(1970年代〜) コンピュータによる自動化、インターネットの普及
 ・第4次(2010年代〜) モノのインターネット化、自動・自律制御

○新・会社法における会社の営利性」中央学院大学法学論叢第21巻第1号(2007年)
 松井英樹 先生 中央学院大学法学部准教授

○会社法制定後における営利性概念の変容 2011
 櫻井隆 先生 文教学院大学大学院経営学研究科教授

○平成28年度 海洋研究開発機構 研究報告会
 JAMSTEC2017 2017.03
 ・開会挨拶 平朝彦 先生 JAMSTEC理事長
 ・来賓挨拶 水落敏栄 先生 文部科学省副大臣
 【第1部】平成28年度研究成果報告
  ・今年度の研究活動報告 白山義久 先生
  ・海底広域研究船「かいめい」発進! 山本富士夫 先生
  ・日本近海の海洋資源研究の新展開〜深海底鉱床に群がる微生物〜
   加藤真悟 先生
  ・南海トラフ地震発生帯の「今」に迫る 統合的海底観測網
   荒木英一郎 先生
  ・変わりゆく北極海の低次生態系・物質循環の理解の進展
   小野寺丈尚太郎 先生
  ・微生物のすべらない話 〜バイオの力で巨大津波を軽減?〜
   濱田洋平 先生
 【第2部】パネルディスカッション イノベーションの時代のサイエンスとは
  ・出田恵三 先生 NHK制作局 科学・環境番組部 部長
  ・出雲充 先生 株式会社ユーグレナ 代表取締役社長
  ・中島林彦 先生 『日経サイエンス』編集長
  ・福田真嗣 先生 株式会社メタジェン 代表取締役社長
  ・山ア英数 先生 富士フイルム株式会社 R&D統括本部生産技術センター長
  ・高井研 先生 JAMSTEC 深海・地殻内生物圏研究分野 分野長
 ・閉会挨拶 東垣 先生 JAMSTEC 開発担当理事
 ・会場 東京国際フォーラム

○HOPE MEETINGS with Nobel Laureates
  HOPEミーティングは、アジア・太平洋・アフリカ地域等から選抜された
 優秀な大学院生等を対象として、ノーベル賞受賞者などの世界の知の
 フロンティアを開拓した人々との対話、同世代の研究者との交流、
 さらには人文社会分野の講演や芸術プログラムを通じて、
 科学者としてより広い教養の涵養と人間性の陶冶を図り、
 彼らが将来のアジア・太平洋・アフリカ地域等の科学研究を担う研究者として
 飛躍する機会を提供するものです。
  会議名の「HOPE」という言葉には、「活躍が期待される若手研究者」と
 「将来のアジア・太平洋・アフリカ地域の科学技術コミュニティ形成への希望」
 という2つの意味が込められています。 日本学術振興会

○平成29年神奈川県警察年頭視閲式 2017.01
 ・式次第
  ・開式
  ・国旗掲揚
  ・部隊巡閲
  ・分列行進
  ・訓示
  ・祝辞
  ・神奈川県警察歌斉唱
  ・国旗降納
 ・音楽隊の演奏に乗せた第一交通機動隊によるテクニカル走行
 ・会場 神奈川県警察第一機動隊

○草枕 夏目漱石 小学館文庫 2011

○言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲 新潮新書 2016

○21世紀の資本 トマ・ピケティ
 山形浩生, 守岡桜, 森本正史 みすず書房 2014

○ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展
 16世紀ネーデルランドの至宝−ボスを超えて−
 東京都美術館 2017.04.18〜07.02

○人間不平等起原論 ジャン=ジャック ルソー. 本田喜代治(訳), 平岡昇(訳)
 岩波文庫 1972

○人間不平等起源論 ジャン=ジャック ルソー, 中山元(訳)
 光文社古典新訳文庫 2008

○ルソーを読む 2017.03
 講師 杉田正樹 先生 放送大学客員教授・関東学院大学教授
 主催 放送大学神奈川学習センター


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