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自分の中にその存在を認める オペラ「ドン・カルロ」にみる人間観 |
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| スノードロップ | ドン・カルロ | ユステ修道院 | カルロとエリザベッタ | エリザベッタ | | ダフニスとクロエ |フォンティーヌブロー | 絶望 | フランドル | 愛の泉 | 乙女たち | | ヴェールの歌 | アルハンブラ宮殿 | レコンキスタ | 崇高な沈黙 | エボリ公女 | 墓場の平和 | | 異端審問所 | 剣を抜く | バベルの塔 | 陰謀から自戒 | 創り出す運命・死にゆく運命 | | 心の葛藤 | 差し込む光 | エランティス | オイディプス王 | エディプス・コンプレックス | | つよくやさしい生命力 | 参考情報 | |
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寒さを慰め、春に向かう希望を示唆する スノードロップ |
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背丈は10cmほど | |||
ヒガンバナ科に属するスノードロップ(マツユキソウ:待雪草)。 厳寒の頃に咲かせる雪のしずくのような純白の花は、 寒さを慰め、春に向かう希望を示唆しているようです。 ○春風、肌に心地よい季節 芽吹きの春 ○花びらが幾重にも重なる魅力的な花 ラナンキュラス |
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スペイン宮廷を舞台にした愛と哀しみの歴史劇 ドン・カルロ |
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エル・エスコリアル El Escorial(世界遺産) | |||
ジュゼッペ・ベルディ(Giusseppe Verdi)作曲のオペラ「ドン・カルロ(Don Carlo)」。 スペイン王子ドン・カルロの許婚、フランス王女エリザベッタは、 お互いに愛しあっていましたが、政略結婚によってカルロの父である フィリポ2世に王妃として迎えられます。 喜びと絶望、信頼と嫉妬、個人の思惑と政治的な思惑が交錯する中、 魂の不毛な砂漠を彷徨い、逃れるか、従うしかない状況を生きる葛藤が 再現されています。 エル・エスコリアルはスペインの首都マドリードの郊外にある修道院。 1561年、スペイン王フィリポ2世はマドリードを首都と定め、 エル・エスコリアルに修道院を建設し、王宮の機能も移したといいます。 しかし、フリッポ2世がエル・エスコリアルに移ってから5年後、 スペイン無敵艦隊がイギリスに破れ、これをきっかけに 「日の沈むことなき大帝国」の形容詞はスペインからイギリスへと移っていったそう。 ○時空を超える旅に出かける 世界遺産 |
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Don Carlo | |||
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おごれる魂が 震えおののいている |
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カール5世が隠退したというユステ修道院 | |||
マドリードの南西、ポルトガルと国境を接する辺りにあるユステ修道院。 フィリポ2世の父、神聖ローマ帝国皇帝・スペイン国王であったカール5世は、 スペイン王位を長男フィリポ2世へ、神聖ローマ皇帝位を実弟フェルディナント へ譲ったのち、ユステ修道院に隠退し、この地で亡くなったといいます。 「至高の皇帝カールも沈黙する塵に等しい。 いまや、天上の創造主の足下で傲慢な魂が震え慄いている。」 「彼は地上を治めることを望んだ、 天のあまたにの星に正しい道を示される方の事をも忘れて。」 「その傲慢さは計り知れず、その過ちは余りにも深かった。」 オペラ「ドン・カルロ」の冒頭、ユステ修道院の修道士たちは、こう謳います。 ○日本初の女子修道院というトラピスチヌ修道院 |
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愛し合っていた カルロとエリザベッタ |
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フィリポ2世の長男、ドン・カルロ(ドン・カルロス)は、 同い年だったというフランス王アンリ2世の娘エリザベッタと婚約したといいます。 ○キスによって覚醒する瞬間 ピュグマリオンとガラテア ○優しく抱き上げ、彼女の眠りを解く クピドとプシュケ |
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政略によりフィリポ2世に輿入れした エリザベッタ |
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エリザベッタ・ド・ヴァロア(イザベル・デ・バイロス) 1545年 - 1568年 王妃イサベル フアン・パントハ・デ・ラ・クルース 1606年 プラド美術館 |
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フランス王アンリ2世と妃カトリーヌ・ド・メディシスの長女として 生まれたというエリザベッタ・ド・ヴァロワ(:伊)(イザベル・デ・バイロス:スペイン語)。 当初、イングランド王エドワード6世と婚約したそうですが、王は病死。 その後、スペイン王フィリポ2世の長男、ドン・カルロと婚約するも、 ヴァロア朝(フランス)とハプスブルク(神聖ローマ帝国)が、 イタリアを巡って覇権を争ったイタリア戦争が勃発。 1559年に講和条約であるカトー=カンブレジ条約を結び、 フィリポ2世(スペイン・ハプスブルク)は、 2まわり以上も年の離れたエリザベッタ(フランス)に求婚したそうです。 この時、エリザベートは15歳だったといいます。 ○ハプスブルク家 最後の皇妃 エリザベート(シシィ) |
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好きな人と結ばれることへの 憧れ |
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ダフニスとクロエ ルーヴル美術館 | |||
当人の意思ではなく、家などの利益のために結婚する、政略結婚。 ハプスブルク家は、家訓 「戦争は他家に任せておけ。幸いなるオーストリアよ、汝は結婚せよ」に従い、 政略結婚によって大きな成功を収めた王家だそうですが、 日本でも多くの政略結婚がなされてきたといいます。 現在の日本では、結婚にあたって男女の意思が尊重されるそうですが、 戦前までは、意思があっても親の同意がなければ結婚することが できなかったといいます。 (民法・第2章 婚姻 第1節 婚姻の成立 第731条〜第741条) 様々なオペラ、日本の伊勢物語や歌舞伎などにみられる男女の恋愛は、 自由な意思で好きな人と結ばれることへの憧れのようにもみえます。 ○男女和合の「和」を意味した歌舞伎・上方の和事 ○女性の願望を託したともいわれる竹林物語 ○「ダフニスとクロエ」を題材にしたという小説「潮騒」の舞台 神島 |
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Daphnis et Chloe|Maurice Ravel | |||
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エリザベッタの生まれ故郷 フォンティーヌブロー |
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フォンティーヌブロー宮殿 フランス 世界遺産 | |||
パリの郊外に位置するフォンティーヌブロー。 ここにはフランスで最も大きな宮殿といわれるフォンティーヌブロー城があるそうです。 エリザベッタはこの地で生まれ育ったといいます。 ○バルビゾン派の画家コローの「モルトフォンテーヌの思い出」 ○美貌と才覚を兼ね備えたポンパドゥール夫人 |
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絶望に打ちひしがれる カルロ |
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ドン・カルロス・デ・アウストリア(Don Carlos de Austria) 1545年 - 1568年 |
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「私はあの人を失ってしまった! ああ、抗し難い権力よ! 別の男、それも私の父が…、別の男、国王である父が…、 私の愛する人を奪い去った! 私の妻となる人を奪い去った!」 「ああ! 何と清く美しかった日よ、明日を思うことなく、希望に酔いしれ、 ただ二人きりで、木陰の中をさ迷い歩いたあの日よ。 フランスの優しい大地を、フォンテーヌブローの森の中を。」 「悲しみの夜明けは、私の人生に幸福の時を約束してくれない。 父よ、あなたは、あの魅惑的な人を奪い、 魂と希望を、そして夢と愛を奪い去ったのだ!」 ※第一幕・第二景 ○「生きる力」を奏でるクラシック ○命から生まれた嘆き・希望・美しさ 世界の民族音楽 |
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揺れ動く魂に力を取り戻すため フランドルに目を向けるカルロ |
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ベルギー フランドル地方 ブリュージュ(Brugge) 世界遺産 | |||
絶望に打ちひしがれるカルロは、 信頼するロドリーゴ(ポーザ侯爵)に秘密を打ち明けます。 ロドリーゴは驚き、罪深い愛は忘れて、 圧政に苦しむフランドルの民を救おうとカルロを奮いたたせます。 フランドルは、現在のフランス北端部からベルギー北西部にかけての地方。 中世にフランドル伯領として栄えた後に、 ブルゴーニュ公国を経てハプスブルク家によって領有されたといいます。 カルロは4歳の頃、祖父のカール大帝の招きでフランドルを訪れ、 二年余にわたり神聖ローマ帝国領地を見聞したそうです。 フランドルは、オランダ語ではフランデレン、英語ではフランダースというそう。 ○フェルメールの作品で訪れる「水の国」ネーデルランド |
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運河流るる中世の町 ブルージュ (Brugge) | |||
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女性の願い 愛の泉の雫を聴く |
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ホンコンドウダン 大船植物園 2014年2月 | |||
生い茂るモミの樹々の木陰と静けさの中、 エボリ公女や王妃の女官たちは謳います。 「花草の間でその愛の泉が、その痛みの雫を滴らされるのを聴くのは素敵なこと。 そして、太陽がなおも照りつければ木陰の中で、 花々の間でゆっくりと時を過ごすのもまた素敵なこと。」 写真の花は、ツツジ科のホンコンドウダン。 蝋細工のように吊り下がる釣鐘形の花の上部は鮮やかな紅色をしており、 下部の白とのコントラストが美しいです。 ○幸福の画家 ルノワール ○「ロメオとジュリエット」観劇に出かけましょう |
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ヴェールを織りなさい さあ、乙女たちよ |
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Song of the Angels William-Adolphe Bouguereau | |||
そして、マンドリンの伴奏にあわせエボリ公女は「ヴェールの歌」を歌います。 「ヴェールを織りなさい、さあ、美しい乙女達、空にまだ、陽のあるうちに。 星の輝く頃、ヴェールは恋に、よりふさわしい。」 ○愛した男への一途な想いを舞う、 能「井筒」 |
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恋におちて|I'm just a woman Fall in love | |||
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ヴェールの歌 わがアルハンブラを飾る生きた花 |
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和風ちぎり絵作品展 H.I氏作品 大船植物園 | |||
「ヴェールの歌」は、スペイン南部グラナダにある アルハンブラ宮殿での恋の物語だそう。 ある晩、グラナダの王宮にある池のほとりにひっそりと座っている女性。 そこを通りかかったアクメット=モールの王は、 ヴェールをかけた彼女をうっとりと見つめます。 王は女性に対して語りかけます。 「さあ、美しい人、わたしの宮廷はそなたのもの、 王が愛するのはそなただけだ。」 「わがアルハンブラを飾る生きた花となっておくれ。」 「だが、まずはそのヴェールをとっておくれ。」 女性がヴェールをとると、王妃そのものであったそう。 ○プリンセスローズ 皇室ゆかりのバラ ○様々な「美」に触れて |
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イスラム王国の城 アルハンブラ宮殿 |
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「ヴェールの歌」にでてくるアルハンブラ | |||
8世紀からイスラム教徒に支配されていたというスペイン。 イスラム王国ナスル朝時代、アルハンブラ宮殿があったグラナダは首都だったそう。 |
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レコンキスタの終焉 イスラム王国の崩壊 |
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グラナダ陥落 1492年 | |||
718年から1492年までに行われたキリスト教国による イベリア半島の再征服活動というレコンキスタ。 1492年にアルハンブラ宮殿が陥落しナスル朝は滅亡。 レコンキスタはここに終結したそうです。 最後のイスラム王ボアブディルは、自ら地上の楽園と呼んでいた アルハンブラを振りかえり涙したといわれます。 ○放浪の民ヒターノの嘆きやはかない夢が込められた フラメンコ |
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崇高な沈黙 カルロとエリザベッタの再会 |
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国王フィリポ2世の心を占めている王妃エリザベッタ。 カルロはフランドルの地に旅立てるよう、 王妃から国王にとりなしてもらえるようお願いをします。 そこでエリザベッタから「わが息子」と呼ばれ、激情にかられるカルロに対して、 エリザベッタはこういいます。 「どうして私の心が、冷たいと責めるのですか。 この崇高な沈黙をあなたは理解するべきです。」 「恵み深き神よ、これ程まで美しい心の苦悩を忘却の中で鎮めてください。 カルロ、さようなら。この世であなたの傍らで過ごした日々は私には天国でした。」 慰められたカルロはエリザベッタに再び愛を語りますが、 エリザベッタは、激しく振り切りこういいます。 「ならば父親を刺し殺しなさい、 そして、父親の血にまみれ祭壇に導くのです、母親を。」 |
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誘惑から嫉妬に燃える エボリ公女 |
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フェンシングで右目を失ったというエボリ公女 スペインでとても美しい女性の一人だったそう |
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「真夜中に王妃の庭で…泉の傍らにある月桂樹のもと…」 カルロを慕うエボリ公女は、「ヴェールの歌」の伝説の美しい王妃に 一夜だけなりきろうと王妃エリザベッタ扮しカルロに手紙を送ります。 カルロはこれをエリザベッタからの手紙と思い、 ベールを被ったエボリにエリザベッタへの愛を告白してしまいます。 嫉妬に燃えるエボリ。 「私を敵にまわすと恐ろしく力もありますわよ。」 「私の怒りからは逃れられないわ。彼の運命はこの手にあるのよ。」 ○魔性の女がひく運命のカード オペラ「カルメン」 ○才気と美貌、傲慢で虚栄をつらぬく藤尾の悲劇|虞美人草 |
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恐ろしい平和、墓場の平和 アトーチャでの処刑 |
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マドリッドの中心 旧アトーチャ駅舎 (Atocha) | |||
マドリッドの中心、アトーチャの大広場では、 多くの民衆が集まり王を讃えます。 「今や歓喜の陽が昇った、王の中の最も偉大な王に栄光を! その王に民は信頼を寄せ世界は彼の足元にひれ伏している。 我々の愛はどこまでも彼に従い、そしてこの愛は決して弱まることはないであろう。 彼の御名はスペインの誇りであり、永遠に行き続けなければならないのだ。」 その民衆の前を異端審問所にて裁かれた罪人たちが火刑台に向かい、 修道士たちは合唱します。 「陽は昇った、恐怖の日が、恐るべき、痛ましい日々が始まった。 彼らは死ぬ、死ぬだろう! 神の掟は正しいのだ!」 ○使徒と食事をとりながら裏切り者を告げた場面|最後の晩餐 |
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多くの処刑者を生んだという 異端審問所 |
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スペインの異端審問 | |||
イスラム教徒に支配されていたというイベリア半島。 レコンキスタを経てスペインに統一王権が誕生しますが、 グラナダなど南部を中心にモリスコやコンベルソなどの イスラム教徒が多く住んでいたといいます。 国内の統一と安定において、異教徒が不安材料になると考えた王は、 教皇に対してスペイン国内での独自の異端審問機関の設置の許可を願ったそう。 異端審問が政治的に利用されることの危険性を察知した教皇は 許可をためらったといいますが、フェルナンド王は政治的恫喝によって この許可をとりつけることに成功したといいます。 結果としてスペイン異端審問は多くの処刑者を生んだそう。 ○スペインによって滅びゆくアンデス文明最後の国家 インカ帝国 |
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王に向かって 剣を抜く |
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FelipeU フェリペ2世(フィリポ2世) 1527年 - 1598年 | |||
異端者火刑の日。カルロはフランドルの使節と現わます。 「ああ、陛下! 今こそ私のいるべき時です この土地で陰鬱な生活を送り続けるのに疲れ果ててしまった! もし神が、あなたの王冠をこの私の額に戴く、 そんな日が来ることを望まれるなら、 スペインには、スペインにふさわしい王を! ブラバントとフランドルを私に委ねて下さい。」 「狂ったか! 大胆にも程がある! お前は、いずれ王を刺すことになる剣を、わし自身がお前に与えると思っているのか」 そして、カルロは王に向かって剣を抜き、投獄されてしまいます。 |
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崩壊を予感する バベルの塔 |
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初期フランドル絵画 「バベルの塔」 ピーテル・ブリューゲル 1563年 ウイーン美術史美術館 |
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14世紀フランドルの画家、 ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel de Oude)の絵画「バベルの塔」。 旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔は、 高慢な人間を蟻のように描き文明の崩壊を予感しているようです。 |
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陰謀から 自戒の念へ |
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陰謀 ジェームズ・アンソール 1890年 アントワープ王立美術館 | |||
嫉妬に燃えたエボリ公女は、 王妃エリザベッタがもっていたカルロの肖像画を盗み、 王の目に触れるところに置きます。 それに気づいた王はエリザベッタを責め続け、エリザベッタは気を失ってしまい、 それを見ていたエボリは恐怖にとらわれます。 「まあ! 私は何をしてしまったの! ああ! 私は彼女を裏切った! ああ、辛い後悔! 私は地獄の罪を犯した! 私はあの高貴な心を裏切った!」 エリザベッタに罪を告白した後、牢獄に捕われているカルロを救おうとします。 絵画はベルギー近代絵画を代表する画家、 ジェームズ・アンソール(James Ensor, 1860年-1949年)の「陰謀」。 伝統的なフランドル絵画やフランス印象主義の影響を受け、 地元オステンドのカーニバルを想起させる仮面や怪物、 骸骨などを好んで描き、「仮面の画家」とも呼ばれているそうです。 |
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創り出す運命・死にゆく運命 牢獄のカルロを救うロドリーゴ |
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「運命の女神たち」 黒い絵 フランシスコ・デ・ゴヤ プラド美術館 | |||
牢獄に捕われたカルロのもとにロドリーゴが訪れ、 自分を身代わりにして彼を救いだそうとします。 「やあ、ロドリーゴ、君だね。 獄中の私に会いにきてくれてとてもうれしい。 私は精も魂も尽き果てたのだ。 エリザベッタの愛が私を苦しめ、そして私を死においやる。」 「ああ! 私の愛を充分に知って戴きたいのです。 この忌まわしい墓場から出なければなりません。 ここでお別れした方がいいのです。私に最後の時が来ました。」 二人が話をしている間に、火縄銃をもった男が牢獄に近づき、 ロドリーゴは撃たれ息絶えます。 ○スペインを代表する画家ゴヤが見つめてきた「人間の光と影」 |
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心の葛藤は天上においてのみ 消え去る |
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カール5世 | |||
牢獄から逃れたカルロは、フランドルへ向かうため、 エリザベッタに別れを告げます。 「私たちは天上のよりよい世界で会えることでしょう。 永遠の未来を告げる時が、私たちのために、すでに鳴り響いています。 かの地、神の足下で私たちは会えるでしょう。 この世では、いつも去ってしまう憧憬の人に! 明日をも知れぬ、このような時に、この世の愛の名は、すべて忘れさりましょう。」 Addio, mia madre! 「さようなら、母上!」 Addio, mio Figlio! 「息子よ、さようなら」 そこへ王と宗教裁判長が現われ、二人を捕えようしますが、 突然、修道院に眠る前王カルロ5世の霊声が響き渡り、畏れ慄きます。 「この世の苦悩は修道院の中までついて来る。 心の葛藤は天上においてのみ消え去るだろう。」 ○彼は死に勝ち甦る、神への感謝・賛美 オラトリオ「メサイア」 ○世が冷たく引き裂いたものを再び結び、全てが同胞となる|ベートヴェン第九 ○人間を超えた存在に出会い、畏れかしこむ |
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Journey to the Heaviside Layer|Musical 「Cats」 | |||
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サン・ピエトロ大聖堂に 差し込む光 |
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世界遺産 | |||
カトリック教会の総本山、サン・ピエトロ大聖堂。 天上からは光が差し込んでいます。 ○そよ風に乗ってローマの街並みへ ○混迷の中から新たな絆を紡ぐ ○新たな絆から夢が膨らむグローバル人材 |
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春の花 エランティス |
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セツブンソウ(節分草) | |||
雪解けとともにスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)、 「春のはかない命」と呼ばれる花たちが咲き始めました。 エランティス(Eranthis)は、ギリシャ語で「春の花」という意味があるそうです。 ○大地に宿る命|移ろい行く時の狭間に力の限り咲く花 ○花に囲まれる季節|シーズンを通して豊富な花に囲まれる春 |
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ギリシヤ悲劇の最高傑作といわれる オイディプス王 |
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オイディプスとスフィンクス ドミニク・アングル | |||
世界演劇史でも極めて名高い作品といわれるソフォクレスの「オイディプス王」。 人間存在の悲劇性を見事に浮き彫りにしている演劇作品といわれます。 人間存在の根本に関わる「怒り」や「判断」、「真実追及」、「幸福」、「驕り」... 人生において重大な本質的テーマが表現されているといいます。 ○人と人・人と自然との共存から未来を紡ぐ|Life is a Journey ○日本の伝統演劇|舞台芸術の根源的な魅力 |
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誰もが自分の中にその存在を認める エディプス・コンプレックス |
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ジークムント・フロイト(独:Sigmund Freud、1856年 - 1939年) | |||
オーストリアの精神分析学者、ジークムント・フロイト。 1897年、フロイトは親友である耳鼻科医フリースに宛てた手紙に こう書いているそうです。 「オイディプス王の物語が、なぜ人の心をとらえるのかがわかった。 このギリシア神話は、誰でもが自分自身の中にその存在の痕跡を 認めうる強迫を明らかにしている」 精神分析学の根本的な概念である「エディプス・コンプレックス」の 「エディプス」は、「オイディプス」のことを指しているといいます。 エディプス・コンプレックスは、基本的に以下の三要素からなるそうです。 @異性の親に抱く性愛的な願望、すなわち近親姦願望 A同性の親に抱く競争心、憎悪、すなわち親殺しの願望 Bそれらの願望に対する罪悪感、罰せられる不安 ○それでも人間 それだから人間|生きる力を研ぎ澄ます ○雄大な空の旅をする渡り鳥 |
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つよく やさしい 生命力 |
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涙の木 絵:ほんめ としみつ | |||
歌手・女優である宮城まり子さん。 1968年に日本初の肢体不自由児療護施設「ねむの木学園」を設立され、 2014年は47年目を迎えたそうです。 「心が集中すれば、なにかができる、だめな子なんてひとりもいない。 すへでの人々に対し、その能力を生かし人として正しい生活を 送ることができるようにするのが福祉ならば、福祉は文化であり 文化は福祉にある」 という理念を掲げているそうです。 やさしくね、やさしくね やさしいことはつよいのよ 「ねむの木の子どもたちとまり子美術展」に展示される 子どもたちのみずみずしい作品は、 強烈な色づかいや自由奔放な表現とともに 繊細な描線や対象へのこだわりが見受けられ、 つよくやさしい生命力があふれているといいます。 |
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参 考 情 報 | |||
○東京二期会オペラ劇場 -東京二期会ホームページ- ○おぺら読本出版 ○わかる!オペラ情報館 −3分で読めるオペラのあらすじ ○オペラ対訳プロジェクト | オペラの歌詞日本語対訳サイト ○スペイン観光:スペイン観光情報 | スペイン政府観光局のspain.info. ○Monasterio de Yuste | Ven a La Vera|ユステ修道院 ○フォンテーヌブロー宮殿|日本-フランス観光開発機構オフィシャルサイト ○ブルージュ歴史地区/ベルギー [世界遺産] All About ○アルハンブラ宮殿 [スペイン] All About ○Web Gallery of Art ○Museo Nacional del Prado|プラド美術館 ○アントワープ王立美術館 ○Cats The Musical | イギリス ○神奈川県立フラワーセンター大船植物園 - 神奈川県ホームページ ○かながわコミュニティカレッジ - 神奈川県ホームページ ○リレー・フォー・ライフ・ジャパン ○ねむの木学園: School for Handicapped Children ○フリー百科辞典「Wikipedia」 ○ドン・カルロ 東京二期会オペラ劇場 ・イタリア語・5幕版 ・原作:ヨーハン・クリストフ・フリードリヒ・フォン・シラー「ドン・カルロス」 ・台本:フランソワ・ジェセフ・メリ、カミーユ・デュ・ロクル ・イタリア語翻訳:アッキレ・デ・ロージェール ・作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ ・イタリア初演:ボローニャ市立歌劇場 ・会場:東京文化会館 ・指揮:ガブリエーレ・フェッロ ・演出:デイヴィッド・マクヴィカー ・管弦楽:東京都交響楽団 ○エルナーニ ・原作:ヴィクトル・ユーゴー ・台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ ・作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ ○ドン・カルロ 河原廣之(翻訳・注釈・編集)おぺら読本出版 ○ヨーロッパの芸術と思想|フランドル地方の都市と絵画 〜北方ルネサンス 神奈川大学教授 伊坂青司 先生 放送大学神奈川学習センター ○ポケット六法 平成25年度版 有斐閣 ○財団法人21世紀職業財団 ・増補版 わかりやすい セクシャルハラスメント 裁判例集 ・増補版 わかりやすい パワーハラスメント 裁判例集 ・詳細 男女雇用機会均等法 ○民法 明治大学大学院教授 円谷 峻 放送大学 ○舞台芸術への招待 放送大学教授 青山昌文 放送大学 ○精神分析とユング心理学 大場 登 森ちさ子 放送大学 ○妻を看取る日 垣添忠生 新潮文庫 ○潮騒 三島由紀夫 新潮文庫 ○神々の消えた土地 北杜夫 新潮文庫 ○私の履歴書 宮城まり子 日本経済新聞 2007年3月 |
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