フェルメールの作品で訪れる
「水の国」ネーデルランド


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水の国
ネーデルランド

国会議事堂などがあるビネンホフ(デン・ハーグ)


「低地地方」という意味があるネーデルランド(Netherlands:オランダ)。



ネーデルランドは、ライン河、マース川、スヘルデ川という

ヨーロッパの主要河川が流れ、国土の26%が海面下だそうです。



17世紀、スペインからの独立を果たしたオランダは、

造船業・海上貿易などの発展をとげ、世界でいち早く市民社会を形成したそうです。



そんな黄金時代に活躍した画家、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)は、

デルフトに生まれ、43歳の生涯を送ったそう。



○Bon Voyage 地球一周の旅へ

○17世紀を代表するオランダの画家、レンブラント

○ナポレオンに侵攻されたスペイン


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自然の色ラピスラズリ
真珠の耳飾りの少女

マウリッツハイス美術館


自然の色 ラピスラズリ。



「青いターバンの少女」のターバン部分は、

鉱石であるラピスラズリが使われているそうです。



ラピスラズリはウルトラマリンとも呼ばれ、

海を(マリン)越えて(ウルトラ)地中海に渡ってきた、とても貴重なものだったそう。



その「濃い赤みがかった青」は、

海や空のように広く・深く、引き込まれそうなぐらい魅力的で、

フェルメール・ブルーとも呼ばれているそうです。



○ラピスラズリの海 東伊豆・富戸

○アニリン・ブルーの「パリジェンヌ」


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恋人の言葉に夢中になっている
青衣の女

アムステルダム国立美術館


手紙を読む女性は、

そこにはいない恋人のことばに夢中になっている静かな瞬間が捉えられているそう。



○キスによって覚醒する瞬間 ピュグマリオンとガラテア

○ダンテが初恋の人を悼んだ絵画「ベアタ・ベアトリクス」


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「モーセの発見」が描かれている
手紙を書く婦人と召使

アイルランド・ナショナル・ギャラりー


羽根ペンを走らせる女性と窓の外を眺めて手紙が書き上がるのを待つ召使い。

背景に描かれた絵画は、旧約聖書の逸話「モーセの発見」だそう。



モーセは、紀元前13世紀頃、古代イスラエル民族の伝説的指導者。



エジプト王はユダヤ人が増えるのを好まず、

ユダヤの新生児を、すべて殺すよう命じました。


あるイスラエル人の女性はこれを聞いて、

生まれてきた男の子をそっとナイル川の草の茂みに隠しました。



その時、川に遊びに来ていたファラオの王女が見つけ、

我が子として宮廷で大切に育てたのです。



モーセと名づけられたその赤ん坊は、

立派に成長しイスラエルの苦難をまのあたりにして、

イスラエルの民を率いてエジプトを逃れ、カナンへと導いていったそう。



※旧約聖書「出エジプト記」2章



○自然や酒、愛の歓喜を赤裸々に歌った世俗歌謡詩集、カルミナ・ブラーナ


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アーミンの毛皮を纏う
手紙を書く女

ワシントン、ナショナル・ギャラリー


イタチ科の哺乳類、アーミン(おこじょ)の毛皮をまとう女性が、

手紙を書いているところ、手を止めてこちらを見つめています。



○世界一周の動物旅行 横浜ズーラシア


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真珠の首飾りの少女

ベルリン国立美術館


黄色いアーミンの服を羽織った女性の姿を描いた作品、

真珠の首飾りの少女。



お気に入りなのか、真珠の首飾りを両手でとり、うれしそうにも見えます。


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海上貿易で栄えたオランダを示唆する
地理学者

シュテーデル美術館


フェルメールの作品において男性単身像は、

この「地理学者」と「天文学者」の2点のみが現存しているそうです。



17世紀を通じて海上貿易で栄えたオランダは、地図製作の一大中心地。

背景の棚の上に置かれた台座つきの地球儀は、

アムステルダムの代表的な地図製作者、ホンディウス家により

1600年に製作されたものだそうです。



また、背景の額に入れて飾られた地図は、

東インド会社の地図製作を努めたブラウにより発行された

ヨーロッパ図だといわれています。



○東インド会社を通じて貿易を行った長崎


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天文学者

ルーヴル美術館


天球儀は、

「地理学者」に描かれる地球儀と同じホンディウス家製作のものといわれているそう。



背景の右側には、「モーセの発見」を主題とした絵画が描かれています。

当時「モーセの発見」は、人の心を鎮めるたとえとされていたそうです。



○ルーヴル美術館に展示されている「天文学者」


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レースを編む女

ルーヴル美術館


とても小さな絵画「レースを編む女」。23.9×20.5cmという大きさです。



手前に見える白と赤の糸。

よく見てみると色をたらしたように見え、これが糸に見えるのかと驚きです。



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大切な気持ちをお互いに取り戻す
マリアとマルタの家のキリスト

スコットランド・ナショナル・ギャラりー


ルカによる福音書10章の場面を描いたという「マルタとマリアの家のキリスト」。



イエスと弟子たちはマルタとマリアの家を訪れます。



姉のマルタは一行の食事の用意など接待で激しく立ち回り、

一方の妹のマリアは、他の弟子たちと一緒に座って、イエスの話に耳を傾けています。



それを見かねたマルタはイエスに苦言を呈します。



「主よ、

わたしの妹は、わたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。

妹に手伝ってくれるようおっしゃって下さい。」



イエスは、「マルタ、マルタ」と二度呼び、こう伝えたそうです。

「マリアから、善いものを取り上げてはいけません。」



この言葉により、

本当はイエスの話を聴きたかったマルタの気持ち、

聴いていて善いのだというマリアの気持ち、

姉妹としての本来の大切な気持ちをお互いに取り戻していくのだそうです。



○使徒と食事をとりながら裏切り者を告げた場面「最後の晩餐」

○こんにちはマリア、聖なる夜に捧ぐ三大アヴェ・マリア


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美しい女神
ディアナとニンフたち

マウリッツハイス美術館


ローマ神話に登場する女神、ディアナは、英語読みではダイアナ。

ギリシア神話ではアルテミスと呼ばれているそう。



一日の狩猟を終え一休みしている場面。

各種の自然物に宿っていると信じられていた若く美しい女性の精霊、

ニンフがディアナの足を洗っています。



○勝利に導く戦いの女神


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当時の日常生活が描かれているという
小路

アムステルダム国立美術館


通路の奥には清掃をしている女性、

道端に座って遊ぶ二人の子供たち、

戸口では編み物をしている女性が描かれているそうです。


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ワイングラスを持つ娘

ヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館


「ワイングラスを持つ娘」は、「2人の紳士と女」とも呼ばれるそうです。



赤いドレスを着た女性はワインを持ち、こちらを見つめています。

その女性に手を添えて寄る男性。

背後には、頬杖をついて二人には関心がなさそうに別の方を見る男性。



どんな場面なんでしょうね。

自分が各々の立場になってみて想像してみると、とても楽しいです。


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リュートを調弦する女

ニューヨーク、メトロポリタン美術館


窓辺でリュートを調弦しながら外へ視線を向ける女性。

リュートは、中世からバロック期にかけてヨーロッパで用いられた楽器だそう。



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名声と歴史の女神クリオを表しているという
絵画芸術

ウィーン美術史美術館


頭に月桂樹を被り、右手に「名声」を象徴するというトランペット、

そして左手には「歴史」を象徴するという書物を持つ女性は、

ギリシア神話に登場する芸の女神ムーサたちの一人、クリオを表しているいるそう。



クリオは「名声」と「歴史」を司り、ゼウスとムネモシュネの娘なのだそう。



また、画家が着ている肩から胸のあたりまでが細長い帯のようになった服は、

17世紀のオランダに流行した服だったそうです。



○様々な「美」に触れて


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ヴァージナルの前に座る若い女

個人蔵


黄色い毛織のショールと白い繻子のドレスに身を包んだ若い女性が、

ヴァージナルの前の青いベルベットの椅子に座っています。



ヴァージナルは、チェンバロの一種だそう。



○神を讃える喜びの声 ハレルヤ・コーラス


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牛乳を注ぐ女



フェルメールの作品の中でも人気のある作品だそうです。

黄色と青、赤、白のコントラストがとても魅力的です。



○深く、恐ろしく真実を語るものであれ オーギュスト・ロダン


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火薬庫の爆発で大惨事となったデルフト
デルフトの眺望

1660年頃 マウリッツハイス美術館


1654年10月12日、

火薬庫の40トン以上の火薬が爆発しデルフト市街の4分の1が破壊され、

死者100人以上、数千人が負傷する大惨事が起こってしまったそうです。



○時空を超える旅に出かける世界遺産


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フェルメールの故郷
デルフト



フェルメールの故郷デルフトは、デン・バークの南に隣接している街。



デン・バーグからは一日観光で行くことができ、

美しいブルーで描かれた装飾、デルフト焼き陶器でも世界に知られているそうです。


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世界で最も美しい春の庭園といわれる
キューケンホフ公園



春の花咲き誇るキューケンホフ公園。



チューリップ、ヒヤシンス、スイセンなど、700万株もの花が咲き乱れ、

世界的にも有名なキューケンホフは、何年もの間オランダで最も人気のある

観光スポットの一つだそうです。



○北海道・美瑛 パッチワークの丘


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世界最初の経済事件
チューリップバブル

ナショナルカラーはオランダ王家にちなんでオレンジだそう


世界最初のバブル経済事件と言われるチューリップバブル。



17世紀、ヨーロッパで大ブームがおき、

チューリップは投機対象となり異常な高値で取引されたそうです。



しかしバブルがはじけ、価格は1/100以下といわれるほど下落。

オランダは大混乱に陥り、財産を失う人も少なくなかったそうです。



○チューリップが彩る春の庭

○河津桜と菜花の共演


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参  考  情  報


○Vermeer Centrum Delft

○東京都美術館

○国立西洋美術館

○Bunkamuraザ・ミュージアム

○国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

○オランダ政府観光局

○キューケンホフ公園

○オランダ王室公式ページ

○聖書/新約聖書・旧約聖書(英語訳・日本語口語訳併記)

○BLUE HEAVEN

○フリー百科事典Wikipedia

○恋するフェルメール 有吉玉青 白水社

○フェルメール 謎めいた生涯と全作品 小林頼子 角川文庫


○ギリシア・ローマ神話 ブルフィンチ作 野上弥生子訳 岩波文庫

○ファッションから名画を読む 深井晃子 PHP新書

○図解とあらすじでよくわかる「聖書」入門 保坂俊司監修 光文社

○マウリッツハイス美術館展 オランダ・ブランドル絵画の至宝
 2012年6月30日〜2012年9月17日 東京都美術館
 ■真珠の耳飾りの少女 マウリッツハイス美術館

○ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年
 2012年6月13日〜2012年9月17日 国立西洋美術館
 ■真珠の首飾りの少女 ベルリン国立美術館

○フェルメールからのラブレター展
 コミュニケーション:17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ
 2011年12月23日〜2012年3月14日 Bunkamuraザ・ミュージアム
 ■手紙を読む青衣の女 アムステルダム国立美術館
 ■手紙を書く女と召使い アイルランド・ナショナル・ギャラリー
 ■手紙を書く女 ワシントン・ナショナル・ギャラリー

○フェルメール地理学者とオランダ・フランドル絵画展
 2011年3月3日〜2011年5月22日 Bunkamuraザ・ミュージアム
 ■地理学者 シュテーデル美術館

○ルーヴル美術館
 ■天文学者

○ルーヴル美術館展―17世紀ヨーロッパ絵画
 2009年2月28日〜2009年6月14日 国立西洋美術館
 ■レースを編む女 ルーヴル美術館

○フェルメール展〜光の天才画家とデルフトの巨匠たち〜
 2008年8月2日〜2008年12月14日 東京都美術館
 ■マルタとマリアの家のキリスト スコットランド・ナショナル・ギャラリー
 ■ディアナとニンフたち マウリッツハイス王立美術館
 ■小路 アムステルダム国立美術館
 ■ワイングラスを持つ娘 アントン・ウルリッヒ美術館
 ■リュートを調弦する女 メトロポリタン美術館
 ■絵画芸術 ウィーン美術史美術館(展示中止)
 ■ヴァージナルの前に座る若い女 個人蔵

○フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展
 2007年9月26日〜2007年12月17日 国立新美術館
 ■牛乳を注ぐ女 アムステルダム国立美術館


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