Life in Green
緑の命を未来へつなごう


「時」を知りに小石川植物園へ


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万有引力を発見した
ニュートンの林檎

小石川植物園


リンゴの実が木から落ちるのを見て「万有引力の法則」を

発見したという逸話が残る物理学者ニュートン Sir Isaac Newton (1643-1727)。



ニュートンの生家にあったその木は、接ぎ木によって

各国の科学に関係ある施設に分譲され育てられているそうです。



この木は1964年に英国物理学研究所長サザーランド卿から

日本学士院長 柴田雄次博士に贈られた枝を接木したものだそうで、

植物園でウイルスを除く処置を受けた後、1981年に植え出されたといいます。



○共に居ること、創ること|周囲から影響を受け、影響を与えてきたイギリス


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植物学の研究・教育を目的とする
小石川植物園

正門


世界でも有数の歴史をもつといわれる「小石川植物園」。



正式名称は、東京大学大学院理学系研究科附属植物園といい、

植物学の研究・教育を目的とする東京大学の教育実習施設だそうです。



○より良い社会へ変えていく人たちを育てる|文教の府 文京区

○時の風に触れて、時の風に乗って


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日本で最も古い
植物園

植物園本館


最初に大学に博物館が設置されたのは、1682年、

イギリス・オックスフォード大学のアシュモレアン博物館と言われます。



日本の大学博物館は、1870年代に東京大学に設置された専門分野別の

「列品室」、または1877年に東京大学の附属となった小石川植物園などが

はじまりとされています。


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前身は
徳川幕府直轄の御薬園

薬園保存園


小石川植物園のルーツは、

徳川幕府直轄の小石川御薬園(おやくえん)にあるといいます。



寛永15年(1638)、三代将軍・家光は、

現在の麻布広尾の光林寺の付近に「麻布御薬園」を、

現在の音羽護国寺の位置に「大塚御薬園」を開設したそう。



天和元年(1681には、)護国寺を建立するため大塚御薬園は廃止され、

大部分の薬草は麻布御薬園に移されたそうです。



その後、貞享元年(1884)に麻布御薬園は小石川御殿内に移転し、

これが小石川御薬園のはじまりだといいます。


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徳川幕府の
貧困者救済施療所

旧養生所の井戸


徳川幕府が設けた貧困者のための施療所(せりょうしょ)だったという

小石川養生所(こいしかわようじょうしょ)。



町医者小川笙船(おがわしょうせん)の意見によりこの場所に開設され、

明治維新の時に廃止されるまで続いたといいます。



養生所は町奉行所の管轄で、40名(後に70名)の患者を収容することができたそう。



この養生所の井戸は水質が良く、水量も豊富で、

大正12年(1923)年の関東大震災の時には

避難者の飲料水としておおいに役立ったといいます。


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日本史上最大級の災害
関東大震災

関東大震災記念碑


大正12年9月1日の関東大震災によって、東京市内は大きな被害を受け、

焼け出された市民3万人以上が一時的に小石川植物園に避難したそうです。



その一部の人たちは園内の震災救護所でさらに長期にわたる

避難生活をおくったといいます。


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遺伝子学の基礎を築いた
メンデルのブドウ



遺伝学の基礎を築いたメンデル Greor J. Mendel(1822-1884)が

実験に用いたブドウの分株だそう。



第2代植物園長を務めた三好学先生が、大正2(1913)年、

チェコのブルノーにメンデルが在職した修道院(現在メンデル記念館)

を訪ねた際、旧実験園に残っていたブドウの分譲を依頼して、

その翌年に送られてきたものだそうです。



その後、メンデル記念館のブドウは消滅したことがわかり、

小石川植物園のブドウを里帰りさせて、現地にも同じ

ブドウの株を復活させたといいます。


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日本の近代植物学に多大な貢献をした
精子発見のソテツ



1896年(明治29年)、

当時、東京大学農科大学助教授であった池野成一郎先生によって、

裸子植物のソテツに精子が存在することが初めて明らかにされたそう。



このソテツは池野成一郎先生が研究に用いた鹿児島市内に現存する分株で、

鹿児島県立博物館のご厚意によって分譲されたものだといいます。


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日本の近代植物学に多大な貢献をした
精子発見のイチョウ



1896(明治29)年、平瀬作五郎先生はこの雌の木から採取した

若い種子において精子を発見したそうです。



それまで種子植物はすべて花粉管が伸長し造卵器に達して

受精するものと思われていたので、

この発見は世界の学界に大きな反響を起こしたといいます。



○落葉の絨毯を踏みしめながら

○個性を出し合いともに暮らせる「いちょう団地」


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多様な生物の類縁関係を表す
分類体系

分類標本園


現在の地球上には約150万種のさまざまな生物が存在しているといいます。



この生物の多様性は、30数億年前に地球上に生命が誕生して以来、

絶えず続けられてきた進化の結果なのだそう。



25万種以上といわれる現世の高等植物(維管束植物)の

大部分を占める被子植物は、高等植物の中では最も新しく

1.2〜1.4億年前に起源し、その後爆発的に多様化してきたといいます。



ある種から新しい種が生まれるという種の分化が

進化の過程において繰り返されて、

種は互いにさまざまな程度の類縁関係をもつように至り、

生物の分類体系はそのような類縁関係を表しているそう。



分類体系では、いくつかの「種」が集まって「属」を、

さらにいくつかの「属」が「科」を構成しており、

同じ種に含まれる種、例えばサクラ属のモモとヤマザクラは、

異なる属の種であるナシ属のナシよりも互いに近縁であり、

学名から類縁関係を知ることができるのだそうです。



この分類標本園には、植物の多様性が理解しやすいように、

主として東アジアの高等植物約500種を分類体系にしたがって

配列されているそうです。


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分類体系を発展させた
ツュンベリー

ツュンベリーのマツ


植物分類学の祖・リンネの直弟子で、リンネの分類体系を発展させたという

スウェーデンの植物分類学者・医者、ツュンベリー(C.P.Thunberg,1743〜1828)。



1775年、鎖国日本の長崎出島に到着、翌年、江戸参府に随行し、

帰国後「日本植物誌(1784)」などを著して、日本の植物を広く世界に紹介したそう。



1976年、スウェーデン大使館と日本植物学会の主催で

ツュンベリー来日200年記念行事が催され、

ツュンベリーに献名されたクロマツが記念植樹されたそうです。



○上高地の魅力を世界に伝えたというウォルター・ウェストン


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多くの俊英を輩出した
柴田研究室

 改装され柴田記念館となり一般公開されています


柴田研究室は、東京大学植物学教室の柴田桂太教授が、

植物生理化学の研究業績に対して授与された

帝国学士院恩賜賞の賞金を寄付して大正8年に建てられたそう。



この研究室から多くの植物生理化学の俊英を輩出したといいます。


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障害のある職員によって育てられた
花壇



※東京大学附属植物園 案内より



  この花壇は当園の障害のある職員の手によって育てられた

  花苗で維持管理されています。



  当園では知的障害のある職員が中心となり、清掃や環境整備を担う

  環境保全チームがあります。そのチームの取り組みの一つとして、

  花壇用草花の育成や花壇への植え付けと管理などを行っています。



  園内を散策しなが花や自然を存分に満喫して頂くとともに、

  この花壇も見て楽しめる一環となればうれしく思います。



○障がいを越えて共に生きる


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世界の中でも多くの種類がある
日本のシダ

シダ園


世界中に約1万種あるシダ植物のうち約630種(6%)が日本に分布し、

気候が湿潤な日本のシダ植物相は、北米の約400種、

ヨーロッパの約140種に比べて種数が著しく多いといいます。



シダ園にはさまざまな科の代表的な種48種、

日本の代表的なシダであるオシダ属やヤブソテツ属などの79種、

およびミズニラなどの水生シダ3種、合計130種が集められているそうです。


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イロハモミジの
並木

Acer palmatum Thunb.


秋を彩る紅葉。そのモミジを代表する樹木がイロハモミジだそう。

紅葉はもちろんですが、新緑の時期などの木漏れ日も綺麗です。



○秋を聴く 移ろいゆくコントラスト

○駆け足で通り過ぎる信州の秋


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霜柱が伸びるように



※「Let It Go」の一部  アナと雪の女王


   My power flurries through the air into the ground

   My soul is spiraling in frozen fractals all around

   And one thought crystallizes like an icy blast



  私のパワーが大気と地に満ちてゆく。

  氷の図形のように私の魂は広がり、

  そして、結晶となって想いが形づくられていくよう






地上の気温が下がると地表面の水分は凍り、

暖かい地中の水分は毛細管現象により地表面に引き寄せられるといいます。



引き上げられた水分は氷となり、

表面の氷を上へ上へ押し上げることからできるそうです。



○ありのままの自分|Here I stand and here I'll stay


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桜の中で一番早咲きといわれる
カンザクラ

寒桜


見渡す限りの桜となる春の吉野(奈良県吉野郡)。



奈良時代に成立した万葉集では「吉野」が多く詠まれ、

永遠の繁栄が託されていたといいます。



ところが平安時代になると吉野は一転して寂しげな場所になります。



   「春霞たてるやいずこみ吉野の吉野の山に雪はふりつつ」


   春霞がたっているにもかかわらず、吉野の山には雪が降っています。

   よみ人しらず 古今集・春上



   「み吉野の山のあなたに宿もがな世の憂きときの隠れ家にせむ」


   世の中のつらさから逃れる隠遁の地、吉野山の奥に隠れ家が欲しい。

   よみ人しらず 古今集・雑下




そんな寂しげな吉野を花の名所に転換したのが西行法師だったといいます。



   「吉野山梢の花を見し日より心は身にもそはずなりにき」


   吉野山の梢に咲く花を、遠くから見た日から、心がそわそわと

   落ち着かなくなり、この身を離れてさまよい出てしまった。

   西行法師 山家集・六六



まるで花に一目ぼれしてしまったかのような表現です。



○いにしえから今を生きる私たちへの伝言

○新たな息吹に包まれる桜舞う頃


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バラのような
松ぼっくり

ヒマラヤスギ (ヒマラヤシーダー)


マツ科に属するというヒマラヤスギ。



松ぼっくりは、木彫りのバラ、「シダーローズ」という名前で、

ドライフラワーとして販売されているそうです。


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日本で最も古い
スズカケノキ



この木は明治9年に導入された日本でもっとも古いスズカケノキのひとつだそう。



街路樹として現在広く使われているモミジバスズカケノキは

このスズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種なのだそうです。


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東京大学の前身
旧東京医学校本館

東京大学総合研究博物館 小石川分館 国指定重要文化財


建物は東京大学の前身にあたる東京医学校の本館だったそう。

現在は、東京大学総合研究博物館の小石川分館として、一般公開されています。


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徳川綱吉が幼少期を過ごした
白山御殿

日本庭園


「生類哀れみの令」を出したことでも知られる5代将軍徳川綱吉(1646年-1709年)。



小石川植物園の日本庭園は、綱吉が幼少の頃住んでいた

白山御殿の庭園に由来するそうです。



○東京湾を望む広大な日本庭園 三溪園


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町人文化が花開いた
元禄文化

燕子花図 右隻 尾形光琳 江戸時代18世紀 根津美術館


徳川綱吉時代に最盛期を迎えたという元禄文化。

商業が栄え、芸術や美術、文学、舞台などが発展したといいます。



尾形光琳の燕子花図は、「伊勢物語」第9段 東下り、燕子花の名所

八つ橋(現愛知県知立市)で詠じられた和歌を背景にしているそう。



第九段は次のように書き始められています。



  昔、男ありけり。その男、身を要無き者に思ひ成して、京にはあらじ、

  東の方に住むべき国を求めて、行きけり。元より友とする人、

  一人二人して、行きけり。道知れる人も無くて、惑ひ行きけり。



  男は京の都には要が無き者と思わざる得ない状況に陥り、

  東の方に新たに住む国を求めて旅に出る事に。

  しかし道を知っている人はおらず惑う。



そんな心の動揺と不安を抱え東下りに出発した主人公・在原業平は、

八つ橋にて燕子花に出会います。



旅は、古い自分を捨て去り、新しい自分へと脱皮することを可能にするようです。



○琳派を代表する絵師 尾形光琳

○日本の伝統演劇|舞台芸術の根源的な魅力

○日本・東洋美術が展示されている根津美術館

○穏やかで優しげな風情 花菖蒲


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「苦しい世」から「浮かれ遊ぶ世」へ
好色一代男

好色一代男 巻八 井原西鶴
人間文化研究機構国文学研究資料所蔵館


1682年、浮世草子の始まりになったという井原西鶴の「好色一代男」。

町人と遊女の間に生まれた世之介(よのすけ)の好色遍歴の物語だそう。



浮世(うきよ)は、中世までは「苦しい世・無常の世である「憂世(うきよ)」

を意味したそうですが、近世では「浮かれ遊ぶ浮世(うきよ)」を意味したそうです。



「好色一代男」は、源氏物語や伊勢物語にも連なり、

世之介の54年間の好色遍歴を全54話でつづる構成は、

源氏物語が54帖からなることに対応しているといいます。



それまでの恋愛物が、上流階級の人々の悲恋を描いていたのに対し、

「好色一代男」は、同時代の町人の享楽的な「浮世」観を反映し、

教訓性よりは娯楽性に重点をおいた読物だったそう。



○繊細優美なロココの時代


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人はばけもの
世にないものはなし

 井原西鶴像 生國魂神社


世間の広き事国々を見めぐりてはなしの種を求めた「西鶴諸国ばなし」

諸国の珍しいことや変わったことを集めた35話から成るそう。



序文では、四十歳を過ぎても振袖を着ている女がいることを述べ、

「人はばけもの、世にない物はなし」と記されています。



人間こそが不思議で面白いものだという観点は、武士の倫理を主題とする

「武道伝来記」、「武家義理物語」や町人の悲喜劇を描いた「日本永代蔵」、

「世間胸算用」にも一環して見られるといいます。



○新しい「映画人」を育てる日本映画大学

○「迷信」の中を彷徨う|三浦半島の自然 大楠山


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私の友

ウグイス


  「竹をのみ友と思ひし我が宿に慣れてぞ来鳴く鶯の声」

  頓阿(とんあ) 題林愚抄



  竹は、隠者や仙人の友といいます。



  自分はこの住まいで世を逃れて暮らしており、竹だけを友としてきたけれども、

  春になるといかにも慣れ親しんだ様子で鶯がやってきては、美しい鳴き声を

  聞かせてくれる。思えば、この鶯も、私の友であったのだなぁ。



○雄大な空の旅をする渡り鳥


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時を
見極めるということ

冬の厳しさの中、ネコヤナギのフサフサとした花穂が芽吹いています
分類標本園


  何事にも時があり

  天下の下の出来事にはすべて定められた時がある。

  生まれる時、死ぬ時

  植える時、植えたものを抜く時

  殺す時、癒す時

  破壊する時、建てる時

  泣く時、笑う時

  嘆く時、踊る時

  石を放つ時、石を集める時

  抱擁の時、抱擁を遠ざける時

  求める時、失う時

  保つ時、放つ時

  裂く時、縫う時

  黙する時、語る時

  愛する時、憎む時

  戦いの時、平和の時。



  人が苦労してみたところで何になろう。



  ※旧約聖書「コヘレトの言葉(伝道の書)」 3章1〜9節



○光は闇の中で輝く|世代とジェンダーを越えて発展する


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参  考  情  報


○小石川植物園 - 東京大学大学院理学系研究科附属植物園

○植物園整備「ライフィングリーン プロジェクト」

○建築ミュージアム/東京大学総合研究博物館小石川分館

○小石川植物園後援会

○東京都文京区

○文京区観光協会

○こらびっと文京 −文京区 地域公益活動情報サイト−

○小倉百人一首殿堂 時雨殿

○国文学研究資料館

○歴史研究所

○フリー百科辞典Wikipedia

○尾形光琳300年忌記念特別展「燕子花と紅白梅」
 光琳アート −光琳と現代美術− 2015年2月4日〜3月3日 MOA美術館

○博物館経営論
 ・15章 大学博物館の歴史と経営
 ・主任講師
  佐々木 亨 (北海道大学大学院文学研究科教授)
  亀井 修 (国立科学博物館産業技術史資料情報センター参事)
 ・放送大学

○和歌文学の世界
 島内裕子 (放送大学教授) 渡部泰明 (東京大学大学院教授)

○日本の物語文学 島内裕子(放送大学教授)

○徒然草 島内裕子 ちくま学芸文庫

○徒然草をどう読むか 島内裕子 放送大学叢書 左右社

○修羅場の極意 佐藤勝 中公新書ラクレ
 うろたえるな! 「時」を待て! 生き残りを懸命に考えよ!

○新・戦争論 池上彰・佐藤勝 文春新書

○風林火山 疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山
 疾(と)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如し、
 侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し

○ランチェスター戦略「一点突破」の法則 福永雅文 日本実業出版社


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