日本の成り立ちを語る雅楽

日本で最も古い古典音楽


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日本で最も古い古典音楽
雅楽

右方の舞 仁和楽
「雅楽」 公益財団法人 菊葉文化協会 発行より


ほぼ10世紀に今日の形に完成したいとう「雅楽」は、

日本で最も古い古典音楽といいます。



雅楽は、その起源によって、

日本古来の歌謡と舞に基づいた「国風歌舞(くにふりのうたまい)」、

朝鮮・中国などから伝来した音楽舞踊に基づいた「大陸系の楽舞(がくぶ)」、

大陸系の音楽の影響を受けて作られた「歌物(うたいもの)」

の3種類があるそうです。



○日本の伝統演劇|舞台芸術の根源的な魅力

○命から生まれた嘆き・希望・美しさ 世界の民族音楽


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雅楽を伝承する
宮内庁楽部

皇居東御苑の一角にある宮内庁楽部


天皇皇后両陛下がお住まいになっている皇居の東側に広がる「東御苑」。



敷地内には江戸城天守台や庭園、バラ園、桜の島などがあり、

豊かな自然や歴史に思いを馳せながら四季の変化に触れることができます。



そんな東御苑の一角にある宮内庁楽部。

雅楽は宮廷、貴族社会、有力寺社になどで行われてきたそうですが、

現在では宮内庁の楽部が伝承する雅楽がその基準になっているそうです。


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雅楽の演奏形態
管弦・舞楽・歌謡

宮内庁楽部の舞台


雅楽の演奏形態には、

笙(しょう)や篳篥(ひちりき)、太鼓など複数の楽器で合奏する「管弦」、

音楽とともに舞う「舞楽」、楽器の伴奏で歌う「歌謡」の3つの形態があるそうです。



○いにしえから今を生きる私たちへの伝言|奈良


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管楽器・弦楽器・打楽器で演奏される
管弦

「雅楽」 公益財団法人 菊葉文化協会 発行より


多くの楽器を活用して演奏される「管弦(かんげん)」。



3種類の管楽器、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)、

2種類の弦楽器、琵琶(びわ)・筝(そう)、

3種類の打楽器、鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)を用いることから

「三管両絃三鼓」の楽器編成と呼ばれるそうです。



○「生きる力」を奏でるクラシック

○華麗なるコンチェルト|ベートーヴェン ピアノ協奏曲 全5曲


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音楽とともに舞う
舞楽

左方の舞 萬歳楽
「雅楽」 公益財団法人 菊葉文化協会 発行より


音楽ともに奏する舞である舞楽(ぶがく)。



歌に伴って舞う「国風舞(くにふりのまい)」、

唐楽(とうがく:中国などを経由して伝来した音楽)の伴奏で舞う

「左方(さほう)の舞(まい)」、主として高麗楽(こまがく:朝鮮半島など

を経由して伝来した音楽)の伴奏で舞う「右方(うほう)の舞」があるそう。



原則として「左方の舞」では赤色系統の装束を用い、

「右方の舞」では緑色系統の装束を用いるそうです。



左方の舞の中で、緩やかでやわらかな舞が特徴の

平舞(ひらまい)の代表的な演目「萬歳楽(まんざいがく)」。



隋の煬帝(ようだい:在位604〜618年)、唐の武太后、

漢の武帝(ぶてい:在位紀元前141〜紀元前87年)などが作らせたという説があり、

賢い君主の時代には鳳凰が飛んで来て「賢王万歳」とさえずるといわれ、

この声を曲に、その姿を舞に作ったともいわれています。



○私たちの身近に寄り添う「愛と人間性」の芸術 ミュージカル

○ローマから続くシルクロードの中継点 西安


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Manzairaku 2 of 3, Bugaku (Gagaku)
ancient Japanese court dance and music

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陽と陰を象徴する
大太鼓

大太鼓(だだいこ:後方にある大きな太鼓)


後方にある大きな太鼓、大太鼓(だだいこ)。直径は2メートル程あるそう。



大太鼓は、舞台の左右両端に一対で並べられ、

「陰・偶数」を象徴する右側は鳳凰、月、銀色でデザインされ、

「陽・奇数」を象徴する左側は龍、太陽、金色でデザインされているそうです。



舞楽では左舞と、右舞が交互に舞われるそうですが、

左右の大太鼓はおのおのの舞が象徴する世界を図像として表現しているといいます。



○自分の中にその存在を認める|オペラ「ドン・カルロ」にみる人間観

○光は闇の中で輝く|世代とジェンダーを越えて発展する


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弦楽に用いられる
釣り太鼓

右から「釣り太鼓」「大太鼓(左側)」「鉦鼓」


「楽太鼓」とも呼ばれるという「釣り太鼓」。

釣り太鼓は管弦に、大太鼓は舞楽に用いられるそうです。


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雅楽で唯一の金属楽器という
鉦鼓



雅楽で唯一の金属製打楽器という鉦鼓(しょうこ)。



鉦鼓の使用が確認されるのは平安時代になってからで、

奈良時代の文献には見当たらないそうです。



○管楽器の代表|トランペット吹きの休日


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全体の流れを司る
鞨鼓



合奏での全体の流れを司るという鞨鼓(かっこ)。

鞨鼓奏者が台にさしてある桴(ばち)を構えると、曲を始める合図となり、

舞楽の終わりも、鞨鼓がそれまでとは違う拍子を提示することで

演奏が終結へと向かうといいます。



また楽部の演奏では、楽師が着座して演奏を始める前と、

演奏終了後には鞨鼓奏者のみが礼をされるそう。



鞨鼓のリズムは、モーリス・ラヴェル作曲の「ボレロ」における

スネアドラムのような印象でもあり、指揮者がいない雅楽では、

鞨鼓奏者が指揮者兼コンサートマスターのような役割を担っているようです。


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周囲を玉砂利で囲まれた
舞台

階段下に敷かれる玉砂利


宮内庁楽部の舞台の周りには玉砂利が敷かれています。



玉砂利の玉には、「たましい(魂)」「みたま(御霊)」の「タマ(霊)」という意味と、

「玉の声」「玉のような赤ちゃん」というように「美しい」「宝石」「大切なもの」

という意味もあるといいます。



「砂利」は当て字だそうで、本来「じゃり」は細かい石の意味の「さざれ(細石)」

からきており、ミタマの籠もった、美しい・宝石のような・大切な小さい石という

意味になるそうです。



※明治神宮Q&A 「参道にはなぜ玉砂利が敷き詰めてあるのですか?」より



○日本人の神々を祀る伊勢神宮

○人間の闘争本能から生まれ、様式美と礼法を重んじる大相撲


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雅楽の
文化的価値



日本書紀には、外国より渡来した音楽の日本における本格的演奏の最初は

第19代允恭天皇の崩御のおりと記されてるそうです。



その系譜をもつという雅楽は、千数百年の伝統を有し、

世界で最も古い音楽文化財として貴重な歴史的価値があるといいます。


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天皇家の成り立ちを語る
神話

「彦火火出見命」「豊玉姫命」「塩筒大神」を御祭神とする
青島神社 (宮崎県宮崎市)


古事記、日本書紀に記されているという山幸彦(やまさちひこ)

(=彦火火出見尊:ひこほほでみのみこと)は、浦島太郎の題材にもなっているそう。



   狩りを得意とする弟・山幸彦は、漁を得意とする兄・海幸彦に釣竿を借りますが、

   大事な釣針を失くしてしまいます。



   兄は弟を許さず、困り果てていた山幸彦は、塩椎神(しおつちのかみ)に教えられ、

   小舟に乗り「綿津見神宮(わたつみのかみのみや)」に赴きます。



   海神(大綿津見神)に歓迎され、娘・豊玉姫(とよたまひめ)と結婚し、

   楽しく暮らすうち既に3年もの月日が経っていました。



   地上へ帰る山幸彦に、豊玉姫は失くした釣針と、霊力のある玉を渡し、

   その玉を使って海幸彦をこらしめ、忠誠を誓わせたといいます。



山幸彦の神話は、天照の孫として天孫降臨したニニギノミコトの子である山幸彦が、

海神の娘との間にウガヤフキアエズを儲け、その子(山幸彦の孫)が、

初代・神武天皇として即位するという天皇家の歴史に深く関わっているといいます。



○日本の母神 伊耶那美の命

○兄弟姉妹の葛藤 カインとアベル

○Phoenix Resort 宮崎


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香淳皇后さまの還暦記念として建設された音楽堂
桃華楽堂



楽部に隣接する桃華楽堂(とうかがくどう)。

昭和41年、香淳皇后さまの還暦記念として建設されたそうです。



2013年に80歳を迎えられたという平成天皇。

2014年7月には、桃華楽堂にて天皇陛下の傘寿(さんじゅ:80歳)を祝う

宮内庁楽部による演奏会が行われたといいます。


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思いを馳せる

本丸大芝生から天守台方面の風景


日本一の広大な城だったという江戸城。

全国の大名を駆り出し、工事につぐ工事を重かさね、

50年の月日をかけて完成したといいます。



その後、火事など幾たびもの災害に見舞われ、

明治維新後の取り壊しや関東大震災などを経てきたそう。



今では芝生となっているこの場所には、

将軍への謁見、儀式などが行われたという「表(おもて)」、

将軍の住居兼仕事場であったという「中奥(なかおく)」、

将軍の私邸であり、奥さんである御台所を中心に子どもや

奥女中が生活したという大奥、そして天守閣と

広大な建物があったといいます。



当時の建物が今も残っていたら世界遺産に登録されていたのでしょうね。



○江戸城を守る警備の詰め所 百人番所

○明・清時代の皇帝の居城 紫禁城

○英王室の居城&迎賓館 バッキンガム宮殿

○フランス王朝の宮殿 ヴェルサイユ宮殿


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丸の内の車道を自転車で走る
パレスサイクリング

内堀通り


マラソンコースとしても多くのランナーで賑わう皇居周辺。



2014年10月現在、毎週日曜日は自転車のイベントとして、

「パレスサイクリング」が行われています。



片側4車線もある内堀通りの平川門交差点から祝田橋交差点間

約1.5km(往復3km)を一般車両通行止めにして開催される同イベント。



堀の水と松の緑に恵まれた、皇居周辺の自然環境保護と

家族そろっての健康づくりの静かな憩いの場として、

特別に開放されたモデルコースだそう。



○東京散策・晴れの日は散歩|街で見つけた小さな発見

○イギリス最大の自転車レース ツアー・オブ ブリテン


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参  考  情  報


○雅楽 - 宮内庁

○雅楽 2012年欧州公演 | 宮内庁式部職楽部 | ホーム

○雅楽 GAGAKU|文化デジタルライブラリー

○皇宮警察本部-IMPERIAL GUARD HEADQUARTERS-

○公益財団法人菊葉文化協会

○日本雅楽会−The Japan Gagaku Society−

○天理大学雅楽部

○おやさと雅楽会

○雅楽的音楽研究書

○明治神宮

○皇居参観ガイド

○日本書紀、全文検索

○青島神社ホームページ

○花の江戸城 Part2│小平市立図書館

○自転車産業振興協会

○フリー百科辞典Wikipedia

○2014年秋季雅楽演奏会
 ・演奏曲目
  ・管絃
   盤渉調音取(ばんしきちょうのねとり)
   千秋楽(せんしゅうらく)
   越殿楽(えてんらく)
   残楽三返(のこりがくさんべん)
   劔氣褌脱(けんきこだつ)
  ・舞楽
   左方 還城楽(さほう げんじょうらく)
   蘇志摩利(そしまり)
 ・場所 皇居内楽部
 ・宮内庁式部職楽部

○雅楽
 発行 公益財団法人 菊葉文化協会
 監修 宮内庁式部職楽部

○天皇陛下傘寿記念特別展
 「天皇陛下 昭和28年欧米14か国の旅〜新たな感動と出会い〜」
 三の丸尚蔵館 平成26年10月18日〜12月23日

○特別展「天皇皇后両陛下の80年−信頼の絆をひろげて−」
 日本橋高島屋8階ホール 平成26年10月16日〜10月27日

○明治天皇を支えた二人
 三条実美と岩倉具視 一代絵巻が物語る幕末維新
 三の丸尚蔵館 平成26年7月19日〜9月28日

○雅楽―僕の好奇心 東儀秀樹 集英社新書

○すべてを否定しない生き方 東儀秀樹 KKロングセラーズ

○和歌文学の世界 島内裕子 渡部泰明 放送大学

○日本の物語文学 島内裕子 放送大学

○事例から学ぶ日本国憲法 岡田信弘 放送大学


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