移ろいゆく映画の灯り

映画を通して
人間が持ちあわせている想いに出会う


| 工場の出口 | リュミエール兄弟 | 映画「紅葉狩」 | 歌舞伎「紅葉狩」 | カサブランカ |
| 風とともに去りぬ | レベッカ | ローマの休日 | 逢引き | 傲慢と偏見 | 16mm映画 |
| フィルム映像の原理 | 移ろいゆく映画の灯り | 思い出のマーニー | 持ち合わせている想い |
| 国立近代美術館 | 参考情報 |

HOME


世界初の実写映画といわれる
「工場の出口」



1895年(明治28年)、世界初の実写映画といわれる

ルイ・リュミエール製作・監督の「工場の出口」。



女性たちが工場から出てくるシーンが撮影されています。

当時の人々は、初めて映像で人間が動いている様子を見て、

驚き、感動したのでしょうね。



○京浜工業地帯の中核をなす川崎


トップに戻る


Exiting the Factory (1895) - 1st Projected Film -
LOUIS LUMIERE - La Sortie des Usines a Lyon

 
トップに戻る



フランスの映画発明者といわれる
リュミエール兄弟



リュミエール兄弟のシネマトグラフという動画撮影機によって、

人々をとりこにするスクリーンの歴史が始まったといいます。


トップに戻る



日本映画の幕開け
映画「紅葉狩」

 横浜 三溪園


映画が日本紹介されてから百十余年を経た2009年7月、

映画「紅葉狩」(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵)が、

重要文化財に指定されたそうです。



映画「紅葉狩」は、9代目市川団十郎、5代目尾上菊五郎の

歌舞伎「紅葉狩」を明治32年(1899)に撮影したフィルム。



日本人により撮影された最初期の作品で、

日本映画の幕開けを象徴する作品だといいます。



フィルムが初めて重要文化財となったことにより、

映画フィルムが文化財として保護される道が拓かれたそうです。



○秋を聴く、移ろいゆくコントラスト

○駆け足で通り過ぎる信州の秋

○黄金色に染まる尾瀬ヶ原|高層湿原の短い秋

○日本の伝統演劇|舞台芸術の根源的な魅力


トップに戻る



鬼女の化身
歌舞伎「紅葉狩」

平成25年6月歌舞伎鑑賞教室「紅葉狩」 国立劇場


歌舞伎のレパートリーの中には、室町時代に成立した芸能「能楽」から

題材を得た作品が数多くあるといいます。



その代表作の一つ「紅葉狩」は、「能」の同名作品をアレンジした舞踊劇

の大曲で、平安中期の武将・平維茂(たいらのこれもち)が信州戸隠山の

鬼女(きじょ)を退治したという伝説を下敷きにしているそうです。



  戸隠山へ紅葉狩に来た平維茂(たいらのこれもち)は、

  酒宴を開く更級姫(さらしなひめ)の一行に呼び止められます。



  酒を勧められ、更級姫や侍女の美しい舞を見ているうちに、

  維茂は眠り込んでしまいます。



  やがて、山神が出現し、鬼女到来の危急を告げようと維茂を目覚めさせます。

  更級姫は鬼女の化身だったのです。



  鬼女が正体を顕して維茂に襲い掛かりますが、

  維茂は所持する名剣・小烏丸(こがらすまる)で応戦します。



  剣の威徳で神通力を失った鬼女は、退治されるのでした。



○絶世の美女に扮して帝の命を狙った|能「殺生石」

○才気と美貌、傲慢で虚栄をつらぬく藤尾の悲劇 虞美人草(夏目漱石)

○美しくも残酷な処女神 アルテミス

○魔法をかけて自らの虜にする リナルドとアルミーダ

○彷徨する青年 草迷宮

○おとぎ話で語り継がれてきた母性の否定的側面

○歩く姿は百合の花 自然を愛するすべての人へ


トップに戻る



男を口説く
カサブランカ

 CASABLANCA 1942年


第二次世界大戦中のカサブランカを舞台にした映画。

アメリカの戦争プロパガンダ映画として公開された傾向があるといいますが、

音楽「時の過ぎ行くままに(As Time Goes By)」とともに

今日まで多くの人々に愛され続けてきたそう。



ハンフリー・ボガートが演じるリックと

イングリッド・バーグマンのイルザとの切ないまでの愛。

そしてそれを妨げることになる第二次世界大戦の戦況。



飛行場での最後の別れの場面は視ているものの心に深い印象を残します。


トップに戻る


Casablanca 1942 As Time Goes By
Ingrid Bergman Humphrey Bogart Frank Sinatra sings

トップに戻る



したたかに、強く、しかし女性として生き抜くスカーレット
風とともに去りぬ

 GONE WITH THE WIND 1939


マーガレット・ミッチェルの小説を原作にした「風とともに去りぬ」は、

カラー映画として初のアカデミー賞に輝いたそうです。



南北戦争に翻弄されながらもしたたかに、強く、

しかし女性として生き抜くスカーレットと、

彼女に惹かれる性悪男レット・バトラーとの緊張をはらんだ関係は、

数々の名シーンや名言とともに視る者をスクリーンに釘ぎづけにします。



○美貌と才覚を兼ね備えたポンパドゥール夫人


トップに戻る



過去を知る
レベッカ

 Rebecca 1940


イギリス人作家ダフネ・デュ・モーリアの小説を、

アルフレッド・ヒッチコックが翻案した作品だという「レベッカ」。



ローレンス・オリヴィエ演じる主人公マキシム・ド・ウィンターには、

若い後妻がしらない苦い過去と恐ろしい罪がありました。



前妻レベッカの死体が海から引き揚げられたとき、

それを沈めたのは自分だと彼は告白します。



画像は、ダンヴァース婦人を通して、

死んだはずの前妻レベッカの影を感じ、おびえ続けるド・ウィンター夫人。



原作の小説は、18世紀末からイギリスで流行した

ゴシック・ロマンスの20世紀版だといいます。



亡霊に取り付かれた大邸宅、暴力と殺人、情欲、火事、陰気な風景、

監禁といったゴシック小説ならではの要素がふんだんに用いられているそう。



小説の題名となっているレベッカが一度も姿を示すことなく、

名もない後妻を恐怖に陥れるのは、フロイトの精神分析論を

絡めて考えてみると興味深いといいます。



○誰もが自分の中にその存在を認める「エディプス・コンプレックス」


トップに戻る



ひと時の自分らしさ
ローマの休日

Roman Holiday 1953 


オードリヘップバーンの代表作の一つ「ローマの休日」。

ヨーロッパの各都市を表敬訪問した後にローマにやってきた

某国の王女アンは、儀礼的な式典の連続にうんざりし、夜の街に飛び出します。



そこで出会ったのが新聞記者のジョー。

最初は特ダネとして利用することを考えた彼ですが、

一緒にローマ見物をするうちに気持ちが変わっていきます。



○下町娘がレディになってゆく「My Fair Lady」


トップに戻る


Roman Holiday Clips (9) - Audrey Hepburn

トップに戻る



憧れという名の翼に乗って
逢引き

 BRIEF ENCOUNTER 1945


1945年に公開されたイギリスの 恋愛映画「逢引き」。

家庭ある女性ローラが妻子ある男性アレックとの道ならぬ恋に

煩悶(はんもん)する映画です。



多くの社会・時代において婚姻関係以外で他の異性と関係をもつことは、

厳しく取り締まられてきたといいます。



特にキリスト強の倫理的規範が人々の思考と行動様式を規定していた

近代までの欧米においては、「姦淫(かんいん)するなかれ」という十戒

(旧約聖書)の禁止項目が持ちえる影響は絶大だったそうです。



その一方、旦那を出し抜いて若い男と浮気する場面を

コミカルに描く西洋文学作品は多くみられるといいます。


トップに戻る



誤解が解ける
傲慢と偏見

 Pride and Prejudice 1940


ジェイン・オースティンの小説「高慢と偏見」が原作という映画。

ベネット家の次女エリザベスは、舞踏会において自分と家族について

侮辱的発言をしたダーシーの傲慢さに憤り、彼に冷淡な態度を取り続けます。



しかし、彼の尽力でベネット家がスキャンダルを免れたとき、

自分の偏見を改め、心の中に彼の愛情を確信するに至ります。



○光は闇の中で輝く|世代とジェンダーを越えて発展する


トップに戻る



小規模映画に適していた
16mm映画



1923年にプロ/アマチュア兼用で登場したという16ミリフィルム。

コダック社が完成させたそう。



一般的な映画館で上映される35ミリの縮小版で、

16mm映写機は持ち運びの可能な大きさな為、

小規模な上映会をするの適していたそうです。


トップに戻る



フィルム映像の
原理

映写の準備


小さい頃、教科書の隅っこに絵を書き、

パラパラ漫画を楽しんだ方は少なくないのでは。



動きを自然に見せるには、いろいろな実験から毎秒16画面ぐらいの

スピードが丁度よいことが解り、これがサイレント(無声)映画の標準

スピードになっているそうです。



毎秒16画面ぐらいのスピードで見せると、なぜ自然な動きに見えるかについては、

生物学的には「残像現象」や心理学的には「仮現運動」などが指摘されています。


トップに戻る



急速に進むデジタル化
移ろいゆく映画の灯り

2014年春


2014年、大ヒットしたというディズニー映画「アナと雪の女王」は、

3Dデジタル映画だそう。



フランスのリュミエール兄弟によるシネマトグラフの一般公開から1世紀以上。

現在、日本では急速に映画のデジタル化の動きが広まり、

それをさらに加速させたのが3D映画の公開だったといいます。



デジタル上映は、製作・配給・興行のそれぞれの段階で作業の効率化が

可能となる一方、日本では映画館が受け持つこととなる、

サーバーやプロジェクターへの高額な設備投資の関係から

慎重な姿勢が保たれてきたそうです。



3Dデジタル映画の大ヒットを受け、

2012年現在、全国スクリーン総数の約90%程はデジタル対応に替わっており、

これまで活躍してきた映画館の灯りが消えつつあるといいます。



○ありのままの自分 Here I stand and here I'll stay


トップに戻る



この世には目に見えない魔法の輪がある
思い出のマーニー

2014年夏


スタジオジブリの映画「思い出のマーニー」は、

イギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンの児童文学作品

「When Marnie Was There」が原作になっているそうです。



  養親(ようしん)から無気力と言われ、友達もおらず、心を閉ざした少女アンナ。

  喘息を患い養親から離れ療養のため海辺の町で過ごすことになるが、

  アンナはそこで「これこそずっと自分が探していたものだ」と直感的に

  感じる古い屋敷を見つける。



  その屋敷の娘マーニーと親友になり毎日のように遊ぶことになるが、

  町の人は誰もマーニーの事を知らないという。



  マーニーとアンナの二人だけの楽しい秘密の日々、そしていさかいと許し。

  マーニーが去った後に屋敷に移ってきた一家と友達になったアンナは

  屋敷の棚の裏にあったという日記を見せてもらう。



  それはマーニーが書いたものだったが、不思議な事に50年も前のものだった。

  マーニーはアンナの祖母だったことが判明する。

  少女姿のマーニーはアンナの空想だったのだ。



  すべてを知ったアンナは心を開き、養親へのわだかまりもとけた。



※フリー百科事典wikipediaより



○自分の中にその存在を認める|オペラ「ドン・カルロ」にみる人間観


トップに戻る


「思い出のマーニー」劇場本予告映像

トップに戻る



人間が持ちあわせている
想いに出会う

 スノードロップ


※「バスのなかで」 坂村真民


  この地球は 一万年後 どうなるかわからない

  いや明日 どうなるかわからない

  そのような思いで こみあうバスに乗っていると

  一人の少女が きれいな花を 自分よりも大事そうに 

  高々とさしあげて 乗り込んできた



  その時 わたしは思った ああこれでよいのだ

  たとい明日 この地球がどうなろうと

  このような愛こそ 人の世の美しさなのだ

  たとえ核戦争で この地球が破壊されようと

  そのぎりぎりの時まで こうした愛を 失わずにゆこうと

  涙ぐましいまで 清められるものを感じた

  いい匂いを放つ 真っ白い花であった



○大地に宿る命|移ろい行く時の狭間に力の限り咲く花

○人と自然の共生|野外活動に触れ、生きる力を研ぎ澄ます

○青き惑星 地球|海洋・地球・生命の統合的理解への挑戦


トップに戻る



わが国唯一の国立映画機関
東京国立近代美術館フィルムセンター

 東京国立近代美術館


国立近代美術館の映画部門として開設されたというフィルムセンター。



日本で唯一の国立映画機関として、国内外の映画フィルム及び

映画関係資料の収集・保存・復元と、これらについての調査・研究

に携わるとともに、様々な刊行物を発行しているそうです。



○近代日本の美術

○明日への架け橋|新しい芸術 アール・ヌーヴォーの時代


トップに戻る



参  考  情  報


○川崎市総合教育センター

○川崎市教育委員会

○東京国立近代美術館−フィルムセンター

○東京国立近代美術館

○映画フィルムの重要文化財指定|東京国立近代美術館フィルムセンター

○映画フィルム「紅葉狩」 文化遺産オンライン

○独立行政法人 日本芸術文化振興会

○the能ドットコム:「能」入門・解説・資料など能楽の総合情報サイト

○神奈川県図書館協会

○フィルム映画の灯を守りたい - NHK クローズアップ現代

○旅する映写機 公式ウェブサイト | トップ

○映画保存協会(FPS) 公式ホームページ

○日本映画興行史研究 - CineMagaziNet! - 京都大学

○京都の映画文化と歴史 | 京都市メディア支援センター

○リュミエール美術館

○映機工業株式会社/プロジェクター

○映画『思い出のマーニー』

○坂村真民記念館 公式サイト | 癒しの詩人 坂村真民の世界

○居士林だより | 円覚寺

○鎌倉市川喜多映画記念館

○フリー百科辞典「Wikipedia」

○NFCコレクションでみる日本映画の歴史
 東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(常設展)

○16ミリ映写機操作技術テキスト 神奈川県図書館協会

○16ミリ映写機操作技術認定講習会 2014年6月
 川崎市視聴覚センター(川崎市総合教育センター)
  オリエンテーション
  16ミリ映画上映
  映写機の構造と操作
  筆記テスト
  映写機操作実習
  実技試験
  映写フィルムの扱い方
  視聴覚ライブラリーについて
  認定証交付

○社史ができるまでシリーズ講演会 10回目記念
 『富士ゼロックス50年のあゆみ』ができるまで 2014年5月
 神奈川県立川崎図書館

○実践英語('10) -映画とドラマで学ぶ- 大石和欣 放送大学

○思い出のマーニー ジョーン・G. ロビンソン, 松野正子(訳) 岩波少年文庫

○Fine on the Outside - Priscilla Ahn

○エリクソン, E.H.のライフサイクル論
  乳児期    基本的信頼 vs. 不信
  幼児前期   自律性 vs. 恥、疑惑
  幼児後期   積極性 vs. 罪悪感
  児童期    勤勉性 vs. 劣等感
  青年期    同一性 vs. 同一性の拡散
  初期成年期 親密性 vs. 孤独
  成年期    生殖 vs. 自己吸収
  成熟期    自己統合 vs. 絶望

○第79回 円覚寺夏期講座 2014年7月

○企画展 淀川長治 映画の部屋
 鎌倉市川喜多映画記念館 2014年7月04日-9月28日

○所蔵作品展「MOMAT コレクション」 2014年6月
 東京国立近代美術館

○しない生活 煩悩を鎮める108のお稽古 小池龍之介 幻冬舎新書

○To cure occasionally, to relieve often, to comfort always.
 ときに癒し、しばしば支え、つねに慰む。


トップに戻る

Copyright (C) 2013 MOON WATER All rights reserved