森と湖が広がる北欧の国
フィンランド


不屈の精神から新たな地平へ


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森と湖が広がる北欧の国
フィンランド

フィンランド北極圏
森林とツンドラの原野が続く「ラップランド」


スカンジナビア半島の内側、バルト海の一番奥に位置するフィンランド。

東にロシア、北はノルウェイ、西にスウェーデンと国境を接し、

フィンランド湾を挟んだ南にはエストニアがあります。



面積は日本よりやや小さく、人口は約547万人(2015年7月)。

国土の約70%は森林、約10%が湖沼や河川に覆われている「森と湖の国」と呼ばれ、

フィンランド語の国名はスオミ(Suomi)というそうです。



国土の約1/4を占める北極圏の土地はラップランドと呼ばれ、

先住民族サーメ人が暮らしていたそう。



○カムイありて我あり、我ありててカムイあり|釧路と網走をつなぐ釧網線の旅


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神秘のオーロラが舞う
サーリセルカ



ラップランド最北のリゾート地・サーリセルカ(Saariselka)には、

ウルホ・ケッコネン国立公園が広がり、

夏はハイキング、秋は紅葉とベリー摘み、冬はオーロラ観測が楽しめるそう。



○暁の女神アウロラから名付けられたオーロラ


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誰でも安心して暮らせる谷
ムーミン谷

ムーミンのテーマパーク「ムーミンワールド」
ナーンタリ フィンランド(Naantali Finland)


「だれでも、すっかり安心していられる谷なんだよ、あそこは。

眼をさますときはうれしいし、晩にねるのもたのしいのさ。」


※「ムーミン谷の彗星」 トーベ・ヤンソン(Tove Jansson), 下村 隆一 (訳) 講談社文庫




フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの小説「ムーミン」に登場する主人公

ムーミントロールは、好奇心旺盛で人当たりの良い男の子。

彼にとって世界は楽しくて不思議なことでいっぱい。

海で石や貝殻を拾い集めるのも大好きです。

ムーミン一家の誰もがそうであるように、ムーミンは海をこよなく愛しています。



ムーミン屋敷はたくさんの訪問者でいつも賑やか。

楽しい仲間と過ごす時間は、ムーミンをいつも幸せな気持ちにしてくれます。

友だちおもいのムーミンは、不安そうにしている仲間をみると心配でなりません。

ムーミンは傷つきやすい一面もありますが、しかえしをするような真似はけっしてしません。



ムーミン谷は世界でもっとも安全で、もっともすてきな場所だと思っているムーミンは、

いつも好奇心を持ってのびのびと行動します。

ムーミン谷で奇妙なことや、奇妙なお客に遭遇しても、

怖がることなく素直に受け入れることができます。

ムーミンの唯一苦手なことは、ひとりぼっちになってしまうことです。



※ムーミン公式サイト - キャラクター紹介 ムーミントロールより


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北欧に伝わる妖精
トロール

Troll wonders how old he is 1911
テオドール・セヴェリン・キッテルセン (Theodor Severin Kittelsen)


北欧に伝わる妖精 トロール(Troll)は、

一般的に、体が大きく、怪力で、粗暴な側面をもつといわれます。



フィンランドでは、池にすむ邪悪な存在として知られ、

霧が出たり嵐が来ると人々はトロールが池から出てきて人を溺れさせ、

ノルウェイでは、日常生活でふっと物が無くなった際には「トロールのいたずら」と言うそう。



○フェルメールの作品で訪れる「水の国」ネーデルランド


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バルト海の乙女
ヘルシンキ

フィンランドの首都


海からのヘルシンキの眺めは、フィンランドを象徴する美しい景色が広がります。



100kmに及ぶヘルシンキ湾の海岸線には、大小さまざまな300もの小島が浮かび、

ロシア帝国に対する防衛のために作られたスオメンリンナ要塞島(世界遺産)や、

ビーチやカフェのあるピフラヤサーリ島などは多くの人々で賑わうそうです。


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フィンランド・ルター派の中心
ヘルシンキ大聖堂

ヘルシンキ大聖堂前の元老院広場に立つ
ロシア皇帝アレクサンダーU世像


1517年にマルチン・ルターの宗教改革によりドイツで誕生したルーテル教会は、

ドイツだけでなく北欧にも広がり、国民教会になっていったといわれます。




※日本福音ルーテル教会 議長挨拶より


何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようかと、日々の生活に悩みを抱えている人たちに、

「野の花がどのように育つのかよく見てごらん」とイエス・キリストは教えてくださいました。



日々の生活に心を乱されながら生きる人の様は、いつの時代も同ではないかと思います。



ではどうすれば良いのか。日々の生活から少しだけ目をそらして、

足下に咲いている道端や野の草花に目を向けてごらんと、イエスは言われたのです。



少し歩みを止め、腰をおろしてじっと見つめてみる。

すると日ごろ気づかなかったものを発見し、新しい命の息が吹き込まれるに違いありません。



○大切な忘れ物を思い出す忘却巡りの旅

○政治経済を含めた社会構造を変えたルターの宗教改革

○平安で平等な社会を築く意志|世界に広がるイスラーム


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ロシアの影響を伝える
ウスペンスキー寺院

ロシア正教の教会 ウスペンスキー寺院 ヘルシンキ


ヘルシンキ大聖堂からほどない沿岸の丘にそびえ立つ

北欧最大のロシア正教の教会、ウスペンスキー寺院。




1808〜1809年、スウェーデンとロシアの間で勃発したフィンランド戦争に

敗れたスウェーデンはフィンランドをロシアに割譲し、

ロシア皇帝は自らフィンランド大公として君臨します。


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民族意識の高まり
フィンランド叙事詩「カレワラ」

アノイ 1819年
アクセリ・ガッレン=カッレラ(Akseli Gallen-Kallela, 1865年-1931年)


フィンランドの伝説や伝承が集められた叙事詩「カレワラ(Kalevala)」。

カレワラには、「フィンランドを作った神カレワの国」という意味があるそうです。



1809年、フィンランドがロシア帝国に編入されたことを契機として民族意識が高まり、

民族特有の伝承はフィンランドの文化として認識されるようになっていきます。



アイノは、カレワラに登場する悲劇の女神。

不滅の賢者ワイナミョイネンに求婚を迫られますが、

乙女アイノはそれを厭って見知らぬ海辺で溺れ死んでしまいます。



○明日への架け橋|新しい芸術 アール・ヌーヴォーの時代

○祈りの歌を口ずさみ死を迎えるオフィーリア


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フィンランドは目覚める
交響詩フィンランディア

フィンランドを代表する作曲家 ジャン・シベリウス(Jean Sibelius、1865-1957年)


1899年、愛国記念劇のために作曲されたという交響詩「フィンランディア」。

当初は「フィンランドは目覚める」という名がついていたそう。



当時のフィンランドは、ロシア皇帝ニコライU世の圧政下にあり、

次第に独立の気運が高まった時期だったといいます。



ロシア当局はこの曲がフィンランドの愛国心を高揚させることを恐れ、

国内での演奏を禁止したそうです。



その後、1917年12月6日。フィンランドはロシア革命を機に

ロシア帝国からの独立と完全自治を宣言します。



○「生きる力」を奏でるクラシック

○命から生まれた嘆き・希望・美しさ|世界の民族音楽


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交響詩フィンランディア ジャン・シベリウス
Sibelius - Finlandia op. 26 (Opening of the new Helsinki music hall)

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フィンランド民族 魂の土地
カレリア

ソ連軍に対峙するフィンランド軍兵士
冬戦争(Talvisota) 1939〜1940年


五木寛之の小説「霧のカレリア(文芸春秋、1972)」では、

アイノという人物がフィンランドの現代史を以下のように語ります。



  第二次世界大戦の時フィンランドはドイツと組んでソ連と戦ったわ。

  なぜかって訳は簡単には言えないけど、それなりの理由はあったの。

  そして敗けた。



  たくさんの若者が死に、父のような不具者が百人に一人の割で出たのよ。

  敗戦の後に残ったのは、三億ドルの賠償金の支払いと、国土の割譲だったの。

  ひとにぎりのフィンランド人が戦後八年かかって必死でそれを払ったんだわ。

  いったい、この貧しい小さな国に何があって?

  でも、国民は歯を食いしばってそれに耐えた。

  最後の賠償船がヘルシンキ港からソ連へ出て行った時、

  それを見送って或る人びとは泣いたそうよ。

  これでスオミ(フィンランド)は自由になった、ってね。



  でも、それだけじゃなかった。

  ソ連とフィンランドの国境地帯、そこはカレリアという土地よ。

  その地方は戦争に負けたために、ソ連側に割譲されたの。

  カレリア地方にはたくさんのフィンランド人が住んでいた。

  彼らは、自分の国を選ぶことを迫られたわ。

  このままカレリアに止(とどま)ってソ連人になるか、

  それとも先祖伝来の土地を捨てて、フィンランド人として引揚げて行くか。

  ソ連を選んで止まれば、土地も資産も家も、みんな守れたわけよ。

  だけど、結果ははっきりしていた。

  カレリアの人々は一人残らず祖国を選んだの。

  彼らは全てを捨て、裸でフィンランドに引揚げてきたんだわ。



  なぜかって訳は簡単には言えないけど、それなりに理由はあったの。



○よこすか はじめて物語|近代化の礎を築いた横須賀製鉄所


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ソ連の主要都市
レニングラードの防衛

ネフスキー大通り (Nevsky Prospekt)
サンクトペテルブルク ロシア


ロシア帝国の首都であったレニングラード(現サンクトペテルブルク)。



1939年、ソ連の独裁者スターリンは、レニングラードを防衛するために、

フィンランド・カレリア地方の割譲を要求します。


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我等の地
ライフルと勇気だけをもって

フィンランドのスキー兵
冬戦争(Talvisota) 1939〜1940年


ソ連のカレリア地方の割譲要求に対してフィンランドはそれを拒絶。

交渉が決裂すると45万人のソ連軍は、航空機3300機、戦車200両、

大砲3300門を装備してフィンランドに侵攻を開始します。



迎え撃つフィンランド軍の総兵力は30万。

100機ほどの航空機、わずかばかりの戦車や大砲を有するも、

大砲は19世紀に製造されたものや、

日露戦争で日本が使った中古品も含まれていたといい、

極端に言えばトナカイのソリに軍事物資を載せライフルをかつぎ

スキーを履いただけの男たちで戦ったといいます。



フィンランド兵たちは孤立無援でソ連という大国に立ち向かいますが、

カレリア地方など国土の約1割を奪われてしまいます。


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奪われた領土を取り返すための戦い
継続戦争

ドイツ軍からフィンランド軍に供与されたIII号突撃砲
継続戦争(Jatkosota) 1941-1944年


冬戦争の後、ドイツのソ連に対する戦争開始に伴いフィンランドとソ連の戦争が再開。

奪われた領土を取り返すための正義の戦いとの認識から「継続戦争」と呼ばれます。



ソ連軍のカレリアへの総攻撃を受け、フィンランドはソ連へ和平を打診。

多くの死傷者、賠償金支払いと大きな痛手を負ったフィンランド人は、

戦後経済復興のために働き、自らの力で新たな生活を切り開き、

その頑張りは戦場で示した勇敢さに劣らない称賛を受けたといいます。



○太平洋戦争の終焉|降伏文章の調印式が行われた戦艦ミズーリの甲板

○国内・地域、そして世界の平和と繁栄を願う自衛隊


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フィンランド人の精神的な故郷
カレリア

ヴィボルグ城(露)|ヴィープリ城(フィン)
現ロシア レニングラード州ヴィボルグ


サンクトペテルブルクから北西に130kmの距離にあるロシアの都市、

ヴィボルグ(Vyborg)。



かつてはフィンランド第二の都市ヴィープリ(Viipuri)であり、

カレリア文化の中心地だったといいます。



○人間の心のあり方を理解する|日本人の精神性を探る旅


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不屈の精神
ヘルシンキ・オリンピック

フィンランドの英雄 パーヴォ・ヌルミ選手(中距離)による聖火着火


第二次大戦から世界が少しずつ物質的にも精神的にも立ち直りをみせはじめた頃、

1952年にヘルシンキ・オリンピックが開催されます。



1948年のロンドン・オリンピックでは招待されなかった日本とドイツが戦後初参加。

ソビエト連邦は1912年以降ロシアが参加を中止して以来の参加となり、

69ヵ国・5000人近い選手が参加したといいます。



「不屈の精神(SISU:シス)」は、フィンランド人の気質を表す言葉だそうですが、

ヘルシンキ・オリンピックは、苦難の歴史を歩んできたフィンランド国民の

苦労をねぎらったかのような大会だったといわれます。



○Discover Tomorrow|新たなスポーツ文化の確立

○競技スポーツと生涯スポーツの融合を目指すスポーツクラブ・マネジメント


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ソビエト連邦の崩壊
未曾有の経済危機に陥ったフィンランド

8月クーデター(1991年)に抵抗するため、
モスクワにて戦車上に立つボリス・エリツィン


戦後、農業国から順調な工業化を続け、高度成長を遂げるとともに、

北ヨーロッパ型の福祉国家として社会保障制度を発達させてきたフィンランド。



1991年のソ連崩壊は、フィンランドにとって吉報であった一方、

貿易面ではソ連をはじめとする東欧共産主義の国々と密接につながっていた為、

輸出に大きな打撃を受け、3年連続で経済成長率がマイナスとなる危機に直面します。


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そうしなれば生きて行けないという認識
人や組織を衝き動かす危機感

ヘルシンキの繁華街 アレクサンダー通り


人や組織を衝き動かすものは、往々にして危機感だといいますが、

フィンランドは経済危機以降、財政が急激に悪化したこともあり、

不良債権の一括買取りによる金融システムへの対応、

民営化、規制緩和、教育改革、研究開発など広範な対応・改革を実施します。



それは、

そうしなければフィンランドという国が生きて行けないという認識に至ったからだそう。



○破壊と再生|日本型うつ病社会に別れを告げて


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フィンランドの教育改革
一人ひとりを大切にする平等な教育

フィンランド元教育大臣 オッリペッカ ヘイノネン


※フィンランドの教育の特徴
 競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功 福田誠治 朝日選書 2006


  フィンランド教育省および教育大臣の見解、国際機関の調査、国際シンポジウムに

  おける教育関係者たちの発表、そしてさまざまな人の調査をまとめると、

  フィンランドの教育の特徴は以下のようにまとめられる。



  第一に、一人ひとりを大切にする平等な教育がなされている。

  まず、十六歳までは、選別をしない教育が実施されている。

  教育の基本は序列づけではなく、一人ひとりの発達を支援する教育である。



  第二に、子どもが自ら学ぶことを教育の基本に据えている。

  競争なとで学習を強制したりしない。あくまで自らが学ぶことが基本である。



  第三に、学校教育が最大の効果を上げられるよう、教師を専門家として信頼し、

  教師が働きやすい職場を作っている。そのために国の教育管理権限を最小限にし、

  地方自治体と学校、一人ひとりの教師に教育の権限を移譲した。



  第四に、権利としての教育を福祉としての教育が包み込んでいる。

  小学校から大学まで授業料は無料だが、それだけでなく、

  高校までは教材や教具(ノート、コンパス、鉛筆などの学用品)、給食、通学費など

  さまざまな学習環境が無料なのである。



○Education First マララ・ユスフザイ


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元教育大臣オッリペッカ・ヘイネン〜フィンランド 学力世界一の秘密〜
未来への提言 NHK 2007年

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日本の教育改革
できる者を限りなく伸ばす教育



※日本の教育改革
  教育改革と新自由主義 斎藤貴男 寺子屋新書 2004年


  「できん者はできんままでけっこう。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることばかり

  に注いできた労力を、これからはできる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。

  百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張っていきます。

  限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいて

  もらえればいいんです」



  2000年7月、私のインタビューに答え、

  教育課程審議会の前会長だった三浦朱門氏はこういいました。



  (中略)



  「国際比較をすれば、アメリカやヨーロッパの点数は低いけれど、すごいリーダーも出てくる。

  日本もそういう先進国型になっていかなければなりません。

  それが、"ゆとり教育"の本当の目的。

  エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどく言っただけの話だ」



  個人的な考えなのか、教育審全体の考えなのか問うと、

  「いくら会長でも、私の考えだけで審議会は回りませんよ。

  メンバーの意見はみんな同じでした」という明確な答えが返ってきました。



○教育の目的 より良い社会へ変えていく人たちを育てる

○価値観の押しつけ|ある教師の振り返り


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教育費の私費負担の割合が高い
日本

図表でみる教育(Education at a Glance)
経済協力開発機構(OECD)


経済協力開発機構(OECD)が2000年から毎年発表している

「図表でみる教育(Education at a Glance)」は、

OECD加盟国を中心に、教育機関の成果と教育・学習の効果、

教育への支出と人的資源などについて、

国際比較が可能な指標が掲載されています。



「図表でみる教育2013年版」では、2010年の日本の国内総生産(GDP)に

占める教育機関への公的支出の割合は前年と同じ3.6%で、

加盟国で比較可能な30ヶ国中最下位。



日本では高等教育機関の授業料が高いにもかかわらず、

奨学金を受けている学生が少ないことも指摘しており、

OECDは「高等教育を受ける人が増えれば社会への利益還元も大きい。

公的な経済支援を充実させていくことが重要」としています。



教育機関に対する公的支出のGDP比は、OECD加盟国の平均が5.4%。

最も高かったのは、デンマークの7.6%。以下、ノルウェー7.5%、アイスランド7.0%、

ベルギー・フィンランド6.4%と続く。イギリス5.9%、アメリカは5.1%、韓国は4.8%。






某大学の先生の話では、北欧諸国は授業料が無料か低額で、

支援制度が手厚く、教育は社会で支える理念があるといい、

日本は、家族が無理してでも進学させたいという国民性に国が頼っていると指摘します。



○日本人がもつ勤勉な執着性格


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教育神話と学歴神話の行方
経済的障壁の高まりと努力の終焉

日本のある進学校では登下校時間になると、
送り迎えのための高級車が並ぶといいます


日本社会には、「勉強すればよい学校に進学できる。そして、よい就職ができる。

そして、よい生活が送れる」という教育神話があるそうです。



※働きたいのに…高校生就職難の社会構造 安田雪 勁草書房 2003年


  昭和の時代に学校教育をうけた中高年者は、

  今日この神話がとっくに崩壊していることがどうしても理解できないのである。

  しかもその上教育神話が正しい神話であってほしいという願望があるので、

  よけいに就職志望の高校生たちに対して歪んだ認識を持ってしまうのである。



  平成時代のいま「勉強⇒よい学校⇒よい仕事⇒よい生活」というロジックが

  まったくの幻想、神話であることを一番理解しているのは若者たちなのである。



  日本の教育神話から来る偏見が若者を傷つけ、社会に対する反感と不信を

  植えつけてゆくのである。



  これが、良い仕事や望ましい仕事を占有することを許されるのは、努力者であり、

  学歴が高く、強い勤労意欲をもつ者だけである、という幻想を振りまくことによって、

  日本は公正な社会である、努力者はかならず報われることを多くの若者に

  信じさせてきた帰結なのである。



  教育神話を掲げた日本は公正な社会であるという幻想こそ、

  学歴による職業分配を正当化してきたのである。



  もはや努力は大学進学を保証するパスポートではなくなった。

  家族の経済力が進学機会と学歴を規定しているのだ。

  いまや大学の学力上の入学障壁は低くなったが、

  経済的な障壁は下がるどころかむしろ高くなっているのである。



○より良い社会へ変えていく人たちを育てる|文教の府 文京区


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不屈の精神から
新たな地平へ

ハイテク産業が集積するオウル(Oulu)


フィンランドは、多くの教育を受けた労働者を提供することで、

産業構造の変化に拍車がかかり新たな地平へ。



福祉への充実は出生率を上昇させ、フィンランドの将来を担保しているといいます。


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我が祖国 母なる大地よ
フィンランド国歌「我等の地」

 レポヴェシ国立公園(Repovesi National Park)


※フィンランド国歌「我等の地」|Finland national anthem 「Maamme」


我が祖国 母なる大地よ その名を高らかに叫ばん 我等が北の故郷の山々ほど

天に届く山々はなく 愛すべき谷間や浜辺はない 我等が祖先の地よ



つぼみの中の汝の花 静かに成熟していく 見よ!また一つ我らの愛が実を結ぶ

汝の光 喜び 希望 そして繁栄 いつか鮮やかな輪となって 我らが高らかに歌い上げよう



○大地に宿る命|移ろい行く時の狭間に力の限り咲く花

○America’s Passion|The Star-Spangled Banner(星条旗)


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Finland's national anthem - Maamme laulu -

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福祉大国フィンランドのその後
2010年代の状況


※外務省 フィンランド共和国 基礎データ 平成27年11月4日より


○経済動向

  2012年から14年にかけて3年連続でマイナス成長が継続している。

  その要因としては、ゲーム産業等の新しい芽は出てきているものの、

  携帯端末事業に代わる新しい産業が現れていないこと、

  伝統的な産業である製紙・パルプ企業の低迷、

  フィンランドにとって最大の輸出国であるロシアの経済低迷等が挙げられる。



○失業率

  2008年の金融危機から改善が見られるものの、2014年は8.6%と依然高い水準である。

  若年層の失業率が約17.4%と全体に比較して極めて高く、

  継続的な社会的懸案となっている。


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参  考  情  報


○フィンランド大使館・東京

○フィンランド基礎データ | 外務省

○フィンランド公式トラベル・ガイド VisitFinland.com

○北欧フィーカ|デンマーク・スウェーデン・フィンランド、北欧デザインの旅

○ムーミン公式サイト - Moomin Characters Official Website

○トーベ・ヤンソンのムーミン 楽しいムーミン一家

○ツーリスト | Visit Helsinki : ヘルシンキ市の公式観光情報サイト

○フィンエアー公式サイト | Finnair - 日本

○フィンランド叙事詩  カレワラ|無限∞空間

○日本福音ルーテル教会

○高橋和夫の国際政治ブログ

○Tokyo Centre - OECD

○ハフィントンポスト-有識者と個人をつなぐソーシャルニュース

○子どもと若者の成長を支えるウェブマガジン! ひみつ基地

○本田由紀(@hahaguma)さん | Twitter

○世界経済の潮流 年次リスト - 内閣府

○深刻な不況のフィンランド 「福祉大国」が迫られる改革とその行方

○Welcome to JSEC 日本教育カウンセリング学会

○フリー百科辞典Wikipedia

○世界の中の日本 高橋和夫 先生 放送大学教授
 第2回 戦うフィンランド
 第3回 フィンランドのような国

○霧のカレリア 五木寛之 文芸春秋 1972

○戦後日本の教育とその問題点 2015.01
 小原孝久 先生 上智大学非常勤講師
 放送大学渋谷学習センター
 第6回 学歴社会と教育改革(イギリスやフィンランドの教育改革、日本の教育改革)

○オッリペッカ・ヘイノネン―「学力世界一」がもたらすもの
 Olli‐Pekka Heinonen, 佐藤学 NHK未来への提言 2007

○学び合う教室・育ち合う学校〜学びの共同体の改革〜
 佐藤学(学習院大学教授・東京大学名誉教授) 小学館 2015

○競争やめたら学力世界一 フィンランド教育の成功 福田誠治 朝日選書 2006

○教育改革と新自由主義 斎藤貴男 寺子屋新書 2004

○教育入門−文献で読み解く教育の社会的基盤−
 岩木秀夫 先生 放送大学客員教授・日本女子大学教授
 大淀昇一 先生 放送大学客員教授・元東洋大学教授

○教育心理学概論
 太田信夫 先生 放送大学客員教授・学習院大学大学院教授

○学力と学習支援の心理学
 市川伸一 先生 放送大学客員教授・東京大学大学院教授

○家庭教育論
 住田正樹 先生 放送大学客員教授

○平成27年度 筑波大学大学院人文社会科学研究科 公開講座 2016.01〜02
 変革期の社会と人間V―「破壊」と「再生」の歴史・人類学―
 ・第1回「テロリストの原風景―血盟団事件と常陸三浜―」
      伊藤 純郎 先生(日本史学)
 ・第2回「津波とともに生きる人びと―東日本大震災被災地での
      フィールドワークから―」 木村 周平 先生(文化人類学)
 ・第3回「17世紀における日本社会の再編成と徳川将軍の「家」
      ―日光東照宮の研究から読み解く―」  山澤 学 先生(日本史学)
 ・第4回「20世紀における日本社会の再編成・社会調査と知識人
      ―民俗学者の例から読み解く―」 中野 泰 先生(民俗学)
 ・第5回「絵葉書の戦争―第一次世界大戦と英霊崇拝の変容―」
      村上 宏昭 先生(西洋史学)
 ・第6回「軍用地返還の経緯と跡地利用の実体験」 武井 基晃 先生(民俗学)
 【主催】 筑波大学 大学院人文社会科学研究科 歴史・人類学専攻
 【会場】 筑波大学 東京キャンパス文京校舎

○映画「メリダとおそろしの森(Brave)」 ディズニー・ピクサー 2012年


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