情報システム再構築に向けた経営層の見解(実例)



企業概要

1.売上高 3,000億〜4,000億円
2.社員数 2,000人〜3,000人(単体)

ヒアリング概要

1.ヒアリングの目的
  事業構造に関する見解と情報システムに対する経営層の認識、
  および、情報システムに期待するニーズを確認すること。
2.ヒアリングは経営層複数の方に実施。
3.「ヒアリング内容」は複数の方のコメントを集約して記載。
4.内容は抜粋・抽象化している。

ヒアリング内容

1.背 景

 1)これまでは

  (1)A事業部の売上が全社の大部分を占めていた。
  (2)A事業部の情報システムさえ機能していれば良かった。
  (3)A事業部の業務は複雑化し、システムも継ぎ足しで開発してきている。
  (4)業務が整理されていないのでシステムが複雑となっている。
  (5)各事業部は個々に最適なシステムを求めてきた。

 2)現在は

  (1)全社に対する事業部毎の売上構成はだいぶ変わっている。
  (2)A事業部の人員構成は変化したが、情報システムは変わっていない。
  (3)上層部はシステムがどうなっているか把握していないと思うが、
    今のままで良いと思っている人は少ないと思う。
  (4)情報システムは統制がとれてないままきてしまった。
  (5)極端に言うと情報システムは妥協の産物として出来上がってきている。
  (6)各事業形態が異なるので情報システムは有機的には結びついていない。
  (7)情報システムからアウトプットされるデータが経営に生かせていない。


2.事業・組織の特性

  (1)各事業部毎に顧客層や営業形態、顧客から要求されているレベルが異なる。


3.同業他社との比較に関する印象

  (1)営業上、同業他社と比較してハンデを背負っている部分はありえる。
  (2)営業活動を支援するシステムはほとんど整備されてないない。


4.情報システム再構築の基本的な方向性

  (1)情報システムは外販する訳ではないので、当社の中で機能していれば良い。
  (2)情報システムベンダーを換えるのはリスクが伴う。
  (3)活用する人の気持ちを変えるのは大変である。。
  (4)業務改善の視点よりは情報システムコスト低減の視点で考えている。
  (5)A事業部のシステム経費を大幅ダウンさせないと賄えない。
  (6)情報システム機能を低下させた時の顧客との整合性をどう考えるか。
  (7)インプット精度の問題はヒューマンの問題になっている。
  (8)再構築コンセプトをシンプルにまとめる必要がある。
  (9)経営に連携する部分を確立する。
 (10)最低限必要なデータベースを確立するという考え方もありえる。
 (11)経営として必要な情報を明らかにする必要がある。


5.ヒューマン

  (1)インプット情報の精度はヒューマンに依存している。
  (2)人間性を向上させる事も効果につながる。(現在は砂漠)


6.将来的な組織

  (1)現在は事業本部制だが、ゆくゆくは別の形態も見据えている。
  (2)その場合、情報ステム部門はどのよう位置づけるかは課題。


7.情報システム部門の位置づけ

  (1)保守だけに特化していくという方向、
  (2)仕事のやり方を変えていくオピニオンリーダーを担っていく方向も考えられる。


8.コンサルタントに期待すること

  (1)推進必然性を打ち出して欲しい。