業務を構成する各領域


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会社の業務を構成する要素として、大きく分けて「見える領域」と
「見えにくい領域」があると考えています。不確実性が増し、
変化が求められる現在、「見える領域」だけの変革では業務は
まわらなくなってきています。

@理 念

明文化されているかどうかは別として、各企業には、
なぜその企業が存在しているかの答えとなる企業理念が
存在しています。
企業理念は対外的にもオープンにされている情報ですので、
各企業のホームページを覗いてみると記載されています。

事例としてトヨタ自動車の基本理念をみてみると、
(http://toyota.jp/)

 1.内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな
   企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民を
   めざす
 2.各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした
   企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
 3.クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動
   を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
 4.様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中の
   お客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービス
   を提供する
 5.労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワーク
   の強みを最大限に高める企業風土をつくる
 6.グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長を
   めざす
 7.開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、
   長期安定的な成長と共存共栄を実現する


JALグループの企業理念(http://www.jal.co.jp/)

 JALグループは、総合力ある航空輸送グループとして、お客さま、
 文化、そしてこころを結び、日本と世界の平和と繁栄に貢献します。
 私たちは、交流の時代である21世紀の旅行・観光・輸送を支える
 基幹産業の一員として、総合力ある航空輸送グループとして日本
 と世界の空にネットワークを拡げます。
 私たちは、お客さま、貨物を安全、確実に目的地にお運びするのに
 とどまらず、その背景にある文化、さらにはお客さま、貨物に託され
 たこころまでも大切にお届けして、世界を結び、日本と世界の平和と
 繁栄に貢献します。


いろいろな企業の理念をみると共通している要素は以下の4つ。

 1.世の中の役にたつこと(直接的にはお客様)
 2.利益を上げること
 3.成長すること
 4.分かち合うこと

Aビジョン

ビジョンはその企業が思い描く理想像(どうありたいか)が掲げられています。
例えば、マルハニチロホールディングスのグループビジョンを見てみると、
以下となっています。 (http://www.maruha-nichiro.co.jp/)

マルハニチログループは、水産・食品事業をコアとした
世界の食へ貢献する食品企業グループ、
21世紀のエクセレントカンパニーを目指します。
マルハニチログループは、常に新しい食の世界を提案する
価値創造型企業を目指します。
マルハニチログループは、経営資源の選択と集中による
グループの全体最適化を進めることで、
企業価値の最大化を目指します。

B戦 略

理念・ビジョンに従い、どのように競争していくかを明らかにしたもの。
戦略からは、内部情報なので対外的にはオープンにされていません。
戦略は一般的に「目標」・「活動範囲」・「優位性」について言及されています。

 
C計 画

戦略に基づき、実施に移すための計画に落としたもの。
一般的に1年の計画を短期計画、2,3年の計画を中期計画と
呼んでいます。

計画に表現される要素としては、以下のようなものがあります。

 1.戦略を実現する活動テーマ
 2.課題と課題を実現するプロセス
 3.課題間のつながりと時間軸

D仕組み E情報システム F制度(ルール)

計画に基づきて「追加・変更・削除」される対象として、
「業務を支える仕組み」、「業務を支える情報システム」、及び、
「制度」があります。

例えば、「売上げ向上に寄与するCRMの導入」というテーマ
だとしたら、それに伴う営業行動の変革(仕組み)、CRMシステム
の導入(業務を支える情報システム)、営業行動、情報システムを
有効に活用する為のルールの整備(制度)というような事です。

ここまでが「見える領域」で、これで全てがうまくいくとするならば、
究極的に言えばロボットやコンピューターで良いという事になります。
しかし、実際には業務を担っているのは人間であって、
以下の見えにくい領域も含めて初めて業務は構成されています。

D仕事の仕方

各業務の目的は、仕組みの中で定義づけられていると思いますが、
その業務を担っている人たちがどのレベルで業務目的を認識しているか
は見えにくくなっています。

例えば、当初は目的を認識していたとしても、引継ぎなどによって、
伝わるのは業務のやり方だけで、なぜこの業務が必要なのかの目的
は形骸化していく事が多々あります。

また、業務のインプットとなる情報、業務手順やアウトプット情報も必ずしも
見える領域で定義された書式や情報だけによらず、実際には、「あの人は
良く知っているから聞いちゃおう」や「この人は聴きやすい、この人に聴こう」
など、またお昼休みや喫煙所でも業務遂行に有効な非公式情報を入手
している事はあると思います。

D意識・企業文化・人とのつながり

「見えにくい領域」のもう一つとして意識や企業文化・人とのつながり
があります。

特に最近では企業合併もあり、これまで競合だった人たちと一緒に
仕事をしないとならない場面も増えています。