倫 理 と は


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1.定 義

新聞や雑誌を見ていると「CSR(Corporate Social Responsibility:
企業の社会的責任)」という言葉をよくみかけるようになりました。

どうやら「CSR」の中には、「企業倫理」や「コンプライアンス(法令遵守)」
という概念も含まれているようです。

この良く聴く言葉「倫理」というのは、どういうものでしょうか?


まず定義をみてみると以下のようになっています。

1.倫 理

  道徳 - 社会慣習として成立している行為規範。

2.企業倫理

  企業倫理 (business ethics) とは企業行動とそれを実現する
  企業内における人間の行動に関して、意思決定の根幹となる
  もので、自然人の倫理にあたるものである。
  なお、コンプライアンス(法令遵守)の訳語として用いられる時も
  ある。

3.コンプライアンス

 「(要求・命令などに)従うこと、応じること」を意味する英語。
 ・法令遵守を意味する語。特に企業活動におけるそれを意味する。
 ・医薬品の服用を規則正しく守ること。
 ・機械・工学分野において、物体の伸縮性・可塑性を示す語。

 倫理あるいは道徳と法は互いに密接な関係を持っているものの、
 別なものである。しかしながら各種法令の遵守体制ができている
 企業の倫理は総じて高い。


出典はいずれも、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2.注目すべきポイント

注目すべきポイントは、

 「社会慣習として成立している行為規範」となっているので、
 必ずしも法令のように定義されていない。

 コンプライアンス(法令遵守)とは密接な関係があるものの、
 必ずしも同意語ではない。

という事です。

3.お医者さんにあてはめてみると

身近なお医者さんにあてはめて考えてみると、
お医者さんは、高い専門的な知識と技術をもって患者さんに
接しています。

患者側からみれば、医療の事は素人なので、
専門知識と技術をもったお医者さんから言われれば、
そうなのかなと思っちゃいますよね。

極端的な言い方をすれば、お医者さんだけでなく各領域に
精通した人たちは、法令違反にならない範囲で素人の方を
騙そうと思えば、いくらでもできちゃうんです。

なので、そこに必要になってくるのが
自分で自分を律する基準が倫理なのだと私は考えています。

 
4.中小企業診断士の倫理規定(抜粋)

「法令には定義されてなく、自分で自分を律する基準」=「倫理」という
視点で中小企業診断士の倫理規定(社団法人中小企業診断協会)
を見てみましょう。

以下の倫理に従わなくとも、特に法令違反にあたるような事はないと
思います。でもその領域のプロフェッショナルとして必要な事では
ないでしょうか。

第4条

 診断士は、深い教養と高い品性の保持に努め中小企業診断士
 としての名誉を重んじ、いやしくも信義にもとるような行為をしては
 ならない。

第5条

 診断士は、中小企業診断士としての公共的使命の重要性を認識
 し、つねに自己の専門分野において技法の開発、研鑽に努め、
 忠実に義務を行わなければならない。

第6条

 診断士は、中小企業診断士としての品位を傷つけ、または良識を
 疑われような広告、宣伝を行ってはならない。

第7条

 診断士は、職務上知り得た秘密および情報等を、他にもらしまたは
 盗用してはならない。

第9条

 診断士は、受診企業における違反行為または反社会的行為を
 幇助(ほうじょ)するような指導をしてはならない。

第11条

 診断士は、明らかに利害相反関係にある同業2社以上の診断業務
 を同時に受託してはならない。

第13条

 診断士は、法定の他資格者の業務を侵害してはならない。


どうでしたか?

ちなみに私は残念ながら能力不足により中小企業診断士では
ありませ〜ん...