ハンマーヘッドの群れを追い求めて

どなん島ストーリー

 − 日本最西端の町 与那国島 −

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北緯24°東経123


与那国島は東京から2030km、

沖縄本島から南西へ509km、

石垣島から117km、

台湾へは111kmの距離にある日本列島最西端の島だそうです。



「どなん」というのは「渡難」と書き、

島に渡るのが大変だった事からついたそうです。



○マンタがホバーリングする石垣島マンタ・スクランブル


 
与那国空港 到着 与那国空港 空港前にある
タクシー乗り場



水深52m
ハンマーヘッドの群れに遭遇!



与那国の海の魅力の一つがハンマーヘッド・シャークの群。



最西端の碑の直ぐ下にある西崎(いりさき)には、

毎年12月から5月にかけてハンマーが目撃されていて、

特に2月から3月に群で見れる確率が高くなります。



与那国に着いた初日早速、初西崎にエントリー!

減圧潜水(直接水面に浮上することができない水深)となる

水深50mほどの西崎の透明度30mほど。



ハンマーの群に遭遇できました。



今回のダイビングは、

私のダイビング経験の中でも記憶に残る一本となりました。



○ハンマーヘッドの群れに遭遇 南伊豆・神子元


水深52mの
ハンマーの群れ
コブシメ



ダイビング・スタイルはドリフトダイビング


太平洋と東シナ海の広い海の中にぽつんと点在する

与那国島は黒潮の影響を直接受けています。



島は風の影響も受けるので、

断崖絶壁の切り立った地形が多いと感じました。



ハンマーに会う確率が高い西崎は、

島の一番西に位置し、島の直ぐ横にも関わらず水深は50mを越えます。

なので島からちょっと離れると深すぎてダイビングには適さないでしょうね。



ダイビング・スタイルは100%ドリフトなので、

シグナルフロートなどの装備もした方が良いです。



また基本的には無減圧潜水ですが、

水深が深いので、ハンマーなどの見たいものの場所によっては

減圧潜水になる可能性があります。


ある程度減圧手順を知っているとよりBetterだと思います。



○スーパードリフトダイビング 南伊豆・神子元


ブリーフィング中 器材セッティング
これから西崎へ



黒 糖 工 場



祖内(そない)から久部良(くぶら)に向かう途中にある黒糖工場。


お仕事中にも関わらず、

ご担当者の方が製造工程の説明をして下さいました。



まずは島でとれたサトウキビを4t車で工場に搬入しています。

搬入する時にトラックごと検量台にのり重量を計り、

サトウキビを降ろした後にもう一度計り、

その差を原材料重量としているそうです。



原料は工場前に直置き(じかおき)し、

それをフォークリフトで工程に投入します。



原料を洗浄、および余計なものを取り除きてから粉砕、

高温で黒糖を絞り出してから冷却というような工程を経て

ダンボール詰めをしていました。



製品になりたてのまだ暖かくてやわらかい黒糖を食べさてもらいましたが、

とてもおいしかったです。



製品はほぼ100%沖縄本島に出荷しているそうです。



忙しい中、説明して下さった工場の方、

ありがとうございました。




台湾が見える日本最西端の地



与那国島から台湾へは111kmととっても近所。

実は石垣島よりも台湾の方が近いだそうです。



与那国島からは台湾を肉眼で見る事ができますが、

必ず見れる訳ではありません。



台湾が見える条件は気圧の下がった時だけで、

ということはその後天候が崩れることが多いのだそうです。



台湾見てみたかったけど、見れなくて良かった...



そんなに近い台湾ですが、直接行くことはできないそうです。

数年に一回は与那国の観光協会で特別に許可をとって

直接行くこともあるとお聴きしました。



台湾は近くて遠い場所だったりして!?



○お隣の国・台湾


最西端の碑から
久部良の町を望む
台湾方面
直ぐ下は西崎



テキサスゲート



車で走っていると、いきなり牛が集団で道路を歩いていました。


っていうか、どっちかというと牛が道路に出てきたんじゃなくて、

車が牧場の中を走っている感じ。



道路には牛がそれ以上出れないように「テキサスゲート」

と呼ばれる段差がありました。



牛たちは平然と道路を歩きながら草を食べいてる。

食べれば出るものはちゃ〜んと出るので道路はう○こだらけ。

お陰で私はう○こ踏んじゃいました...トホホ



この牛たちは食肉用として

石垣、沖縄本島に出荷されるそうです。




自然のサファリパーク



道路にいるのは牛だけではありません。

道路を進んでいくと、牛の次は馬が!



与那国馬と呼ばれるこの馬もやっぱり食事中。



馬が食事をし終わった草を触ってみたら、

もの凄く堅い硬い!



口の中切れないだろうか...??



しばらくすると今度はヤギが道路を横断中。

というより道路に滞在中...



さながら広大なサファリパークを走っているようで

とても気持ち良かったです。



○大自然 北海道・ニセコのカヌー&ネイチャーハイキング




アダンの木のカゴ



パイナップルのような実をつけるアダンの木の下に

カゴがぶら下がってました。



それがいるといたるところで見る事ができます。


これはなぁに??


これは農作物に卵を産みつけ荒らしてしまう

ウリミバエというハエの一種を駆除する為のものでした。



年間を通して暖かい熱帯雨林気候に属する与那国では、

虫が大量に繁殖して農作物に大きなダメージを与えてるそうです。



ウリミバエ不妊虫の放飼カゴと呼ばれるこのカゴは、

カゴの中に既に虚勢されたウリミバエの幼虫を入れておき、

成虫になってカゴからでて野生のウリミバエと交尾します。



当然、虚勢されているので卵はふ化しないんですよね。

そうする事によってウリミバエの繁殖を防いでいるそうです。


世界最大の蛾
ヨナグニサン



立神岩(タティガン)・軍艦岩



サンニヌ台から南寄りに、

俗に頓岩(とぅんがん)といわれる奇岩が、

海面から空に向かって垂直にそそり立っています。



立神岩(タティガン)と呼ばれるようになったのは、

島の若者がここで命を助けてもらったという伝説からきたそうです。



また、男性的な与那国の風景の中でも際だって迫力のあるのが、

このサンニ・ヌ・ダイ一帯。



サンニヌ台の一角にある巨大岩礁は、

周辺の奇岩の中でも代表的なもので、

誰が名づけたのか「軍艦岩」と呼ばれているそうです。



平成5年NHK大河ドラマ「琉球の風」の主人公啓泰と阿紀の結婚式の場面は、

この地で撮影されたそうです。



「琉球の風」の記念碑が建てられています。


立神岩(タティガン) 軍艦岩



日が昇る東崎(アガリサキ)



島の東端にある断崖と草原の壮大な景勝地、東崎。


”アガリサキ”と呼ばれるのは、

日があがる(昇る)ことからついています。



その反対側の私たちがハンマーを見る為に潜る場所は、

日がはいる(落ちる)場所なので

西崎(イリサキ)と呼ばれています。



かつて、ここから西方寄りには、

「だてぃくちでぃ」(屋手久頃)と呼ばれる舟見番小屋があって、

燈台の役目をしていました。



舟が入ってくるとそこから村に知らせ、夜は火をたいて誘導しました。



現在、12支の方位を刻んだコンパス状の丸石が残っていて、

往時をしのばせ拝所となっています。

ここからは西表島を眺望できます。



東崎には与那国馬や牛が放牧されていて、

その中には親子の与那国馬もいました。



子馬はお母さん馬にずーと寄り添っていて、

お母さん馬が移動すると子馬も一緒に移動してる。

馬も人間も親子は変わらないのですね。



また、灯台に向かって歩いているとテントをはってる人がいました。

お話をきいたら日本全国を歩いて旅行しているのだそうです。




日本で一番遅い日の出



昨日きた東崎に日の出を見るために早朝もう一度来ました。

ここから昇る日の出は日本で一番遅い日の出になります。



東崎に着いたのは朝の7時ちょっと前。

その時まだ周りは暗かったのが、徐々に明るくなってきました。



車の音もなく、たくさんの人の往来もなく、

障害物のない広大な芝の場所から、広大な海を望み、

夜が明けてくるのを見るのは不思議な気分でした。



そして7:15頃、

西表島の方面から日本で一番遅い日が登ってきました。



○相模湾の海上から見た湘南の日の出




花  酒(はなざけ)



「まいふな」「どなん」「よなぐに」。

与那国島には3軒の泡盛蔵元があります。



そのうち、「まいふな」と「よなぐに」の

製造工程を見せてもらいました。



泡盛は15世紀、

琉球王国が当時のシャム王国(現在のタイ)と貿易をしていた時代に

伝わったそうです。



原料はタイ米(インディカ米)で、

麹(こうじ)は黒麹菌を使用し、原料全てを麹にするそうです。

発酵醸成したモロミを単式蒸留(一度だけ蒸留する)して出来た焼酎が泡盛です。



また与那国では「花酒」と呼ばれる

与那国でしか製造されていない独特の泡盛があります。



花酒は昔から冠婚葬祭など特別な時にだされる貴重なお酒で、

米だけを原料とした泡盛の製造工程で、

蒸留時「ハナサキ」と呼ばれる特別な部分だけを抜き取った

アルコール分60度の泡盛の事です。



このアルコール分60度というのは

日本のお酒では一番高い度数なんだってさ。




夢があるものは希望がある



泡盛蔵元の「まいふな」の事務所に

入るとこんな文章が掲げられていました。



 ○夢がある者は希望がある

 ○希望がある者は目標がある

 ○目標のある者は計画がある

 ○計画のある者は行動がある

 ○行動のある者は実績がある

 ○実績のある者は反省がある

 ○反省のある者は進歩がある

 ○進歩のある者は夢がある



○今を生きる...




祖内(そない)の町
ティンダハナタかに見た祖内の街並み


面積28.88km2、人口1,800人弱の与那国島には、

西崎の直ぐ側の「久部良(くぶら)」、

一番大きな町の「祖内」と「比川」の3つの町があります。



「祖内」の町には、

ティンダハナタと呼ばれる標高100mの断崖があり展望台になっています。



そこに立つと祖納集落がよ〜く見え、遠くには東シナ海が望めました。



祖内にあるビーチ、ナンタ浜には白いビーチと青い海が広がり、

2月といえども気温が25度もあったので泳いでいる人もいました。



○エメラルドブルーの海


ナンタ浜 ティンダハナタ



島の子供たち



島には小学校が3校、中学校が2校あります。


土曜日に与那国小学校を見にいったら、

子供たちが体育館で「ポートボール」をやっていました。



側にいた子供に今日は学校休みなの? と聞いたら、

「今日はお休みだけどポートボールの試合が石垣島であるので、

これから行くところです。」と言ってました。



石垣島には飛行機で行くんのですが、

石垣−与那国のJTAは1便しか飛んでいないので

泊まりになってしまうのですよね。


試合するのも大変...


また僕たちが帰る日に空港で中学生の集団と会いましたが、

石垣で吹奏楽の大会にでた帰りとの事でした。



現在の与那国小学校の生徒数は90人ほど、

与那国中学校は60人ほどだそうです。



○インド洋に浮かぶ南国の楽園 モルディブの学校




ブル・ファイト



祖内の町にイベント広場がありました。


私が行った時は牛が2頭のんびりいるだけでしたが、

ここは闘牛場で年6回闘牛が開かれています。



イベント広場の側に子牛がヒモでつながれていました。



可愛いので触っていたら島の中学生が来て、

この牛は学校の先生の牛なんだよ と言ってました。



犬やネコのようにペットとして飼っているそうで

買い物に行くときも連れて歩くんだって!?



○沖縄本島 今帰仁村(なきじんむら)の闘牛




島の電気事情


島の電気は火力発電でまかなっています。


東崎(あがりさき)の側には風力発電が2機建っててますが、

まだテスト段階らしく電力の供給はしていなそうです。


以前風速90mにもなる風の影響で

この風力発電が倒れちゃった事もあったそうです。


今回の日程

2002  2/21  横浜 → 羽田 → 石垣 → 与那国  ダンノ浜・西崎(2ダイブ) 与那国泊
 2/22 馬鼻ドロップオフ・西崎(2ダイブ) 与那国泊
 2/23 クブラバリ・西崎・遺跡ポイント(3ダイブ) 与那国泊
 2/24 L字アーチ・Wアーチ(2ダイブ) 与那国泊
 2/25 与那国 → 石垣 → 那覇 → 羽田 → 横浜  
  

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